目次
はじめに:台北における「呑み」の隠れメッカ的スポットへ
何度立ち寄っても、飽きることはない。
ここ「大稲埕慈聖宮」は、れっきとした廟でありながら、塀の外はもちろん、境内でも、ビールで「乾杯」を楽しむ台湾人でにぎわうスポットだ。

大稲埕慈聖宮かいわいの雰囲気
台湾の飲食店を訪問すると、ビールを置いてある店があまりにも少ないことで落胆したことのある人もいるのではないか。ビール文化が一向に盛り上がらない台湾社会にあって、ここ一帯は特別。
ビール好きが堂々とビールを呑める、しかもそれが、廟のド真ん前というから、いかに特殊なエリアであるかが、お分かりいただけるだろう。
「阿蘭大鼎魩仔魚炒飯」訪問レポート
慈聖宮の塀沿いには、ありとあらゆるB級グルメの店が軒を連ねている。
「フードコート」と表現するには、若干、洗練さに欠けるところもあるが、【様々な飲食店が隣接して営業する広場】という機能的には「フードコート」の定義そのものである。

台湾阪フードコート
観光ガイドブックにある「朝市」のイメージが先行して、台湾は【朝早い国】という印象もあるが、実際はその逆である。
開店時間11時や12時なんてのはザラで、ここ慈聖宮だって、全部の店が開くのは、午前11時を待たないといけない。
台北旅行中に訪問しようと思っている方は、注意しておこう。
祈ったり呑んだりしながら、開店時間を待つ
訪問したのが、午前八時過ぎだったため、まだほとんどの店が開店準備中である。
そういうときには、廟でお参りでもして、のんびり過ごすのも悪くはない。

団体さんでにぎわう廟前
たまたま何かのイベントが催されているらしく、団体さんが廟前で記念撮影でにぎわっている。
境内には、まるで「トトロ」に出て来るような巨木(ガジュマル)があり、木陰で涼むことも可能だ。

ガジュマルの木
いかんせん屋外の食事スペースのことである。
野良犬がひょっこりやってきて、「おこぼれ」を狙ってテーブルをハシゴしているが、世間はそんなに甘くないようだ。

残飯ねらいのワンコ
地元の台湾人は、すっかり慣れた様子で、野良犬を追いやっている。
汗をかいてきたので、近くのコンビニで買い求めた缶ビールをいただく。

廟内でいただく「一杯」は格別
境内のテーブルには、目立つペンキで店名がかかれている。
基本、こしかけたテーブルの店で、料理をオーダーするキマリになっている。

店名の書かれたテーブル
どこの店も人気があって、テーブルはあっという間に埋まってしまうので、自分の意志ではなく、【空いているテーブル】で店を選ぶ人の姿も多かった。
廟の真ん前という【一等地】で長年営業している人気店ばかりなので、どこの「一軒」に当たっても、アタリハズレはないのだろう。
たまたまチョイスの「阿蘭大鼎魩仔魚炒飯」グルメとご対面
缶ビールを呑むために、アジ吉がこしかけたテーブルは「阿蘭大鼎魩仔魚炒飯」というお店のものだった。

炒飯調理中なう
その店が、たまたま開店準備が終わったようで、厨房ではフライパンで炒飯をいためるおばさんの姿。
他の店が開くのを待つのも、なんとなく面倒くさい気がしたので、そのままオーダー。

赤いフォントの2品をオーダー
赤、青、緑というカラフルなフォント色のメニュー。パッと目に飛び込んできた【赤フォント】の上位2品をオーダー。「魩仔魚炒飯」と「蝦仁蛋包湯」だが、分かりそうで分からない漢字メニューに【ミステリツアー感】がハンパなかった。
たまたま借りたテーブルで「お店」が決まり、そして、赤フォントが目立つからという理由だけで「料理」が決まった。

店選びといい、料理選びといい、あまりにもテキトーすぎるチョイスに「やっちまったかな?」感が拭えない。
一品目は「魩仔魚炒飯」。

「魩仔魚炒飯」
テーブルに届いたのは、美味しそうな炒飯。メニューの一番上に書いてあっただけあり、どうやら、この店の看板メニューらしく、店名にもなっている。
テーブルへ届けられた時点で、レンゲの中には、「たくわん」がのっけられていた。「たくわん」から食えというメッセージなのだろう。

テーブルへ届いた時点で、レンゲに「たくわん」乗せられていた
「たくわん」を一口目に食べさせられた深い理由は分からずじまいであったが、しらす、ライスともにパラパラ具合が絶妙。
もう一品は「蝦仁蛋包湯」。

「蝦仁蛋包湯」
テキトーに注文したはずが、「パラパラの炒飯」と「スープ」という完璧な組合せになっていたことへ、ひどく感動した。
しかもスープの底には、ぷりんぷりんの黄味が沈められているではないか。

ぷりんぷりんの黄味



台湾のレストランで、台湾人の料理をマネして「指差し」注文したことはあるが、台湾人に料理をマネされるという経験は初めて。まさか、これがテキトーに注文した料理だなんて、言えやしないけれど……
半熟卵がドカーンと導入されたスープには、大根とエビも、惜しみもなく投入されており、食べ応え充分。

大根とエビもたっぷり
ぱらぱら炒飯と、黄味がド迫力の卵スープを、交互に食べられる【多幸感】がすさまじかった。暑さも忘れ、夢中になって完食。
まとめ:おすすめはスープと炒飯の組合せ。アクセス情報
たまたまオーダーした2品が、ものすごくバランス(相性も)良く、忘れられない旅の思い出となった。
スープ「蝦仁蛋包湯」と、炒飯「魩仔魚炒飯」の2品は、アジ吉が自信を持ってオススメするので、是非、味わっていただきたい。
店名 | 阿蘭大鼎魩仔魚炒飯 |
住所 | 台北市大同區保安街49巷17号(慈聖宮小吃街) |
営業時間 | 09:00〜16:00 |
(ご参考)「許仔猪脚麺線」グルメレポート
慈聖宮には、今回紹介したお店以外にも、地元に大勢のファンがいる実力店ぞろい。
ご参考に、以前、別の店を訪問した記事もあるので、こちらも参考にしていただければ幸いである。
-
-
誕生日祝いや、刑務所の出所後に食されることもある、台湾の縁起モノB級グルメとは?
目次1 「許仔猪脚麺線」|マイ鍋持参の常連さんもやって来る、地元密着な「一軒」2 「一番最悪」だけど「縁起がいい」という料理。いったい何物なのか3 「格闘技」に近い食後感。超ディープな台湾B級グルメを完食して 「許仔猪脚麺線」|マイ鍋持参の ...