台北の郊外

台湾・板橋(バンチャオ)の観光|台北からMRTで十五分の穴場グルメ街を食べ歩く

投稿日:2018年3月27日 更新日:

台湾・板橋(バンチャオ)|グルメ食べ歩きの開始前に、市街地を観光

まずは、今回のターゲット「板橋」の位置を。

台北から淡水や九份へ行くよりも、よっぽど手軽にいける距離にある、台北市の衛星都市だ。

台北駅からMRTで十五分の「板橋」へ

台北駅からMRTで十五分の「板橋」へ

「板橋」へ来ること自体、アジ吉にとっては、初めてのこと。

せっかくだし、食べ歩きを開始する前に、市街地の中心スポットを散策しておこう。

「板橋」へ到着。三月だけど、汗ばむ気温。すこしでも日陰を歩くようにルート設定

「板橋」へ到着。三月だけど、汗ばむ気温。すこしでも日陰を歩くようにルート設定

なにかのイベントがあったのだろうか。

公園には、オマワリサンが乗っかった馬が二頭、直立している。

公園には、馬にまたがるオマワリサンの姿も

公園には、馬にまたがるオマワリサンの姿も

ここは、ホテルだろうか。

巨大なビルがあったかと思えば電車の駅らしく、「板橋車站」と書いてある。

パッと見、ホテルにしか見えない外観の「板橋駅」

パッと見、ホテルにしか見えない外観の「板橋駅」

MRT府中駅に向かって歩くと、やがて目に見えてくるのが「黄石市場」

地元っ子の日常生活が垣間見られる雰囲気に、旅情アップ

商店街からよく見える四文字「天上聖母」とは、漁業・航海の神様「媽祖」の別名台湾で一番、人々から親しまれ、広く信仰されている神様だ

市場を進むと「天上聖母」の文字。商店街の真正面「板橋慈惠宮」に祭られる道教の女神・媽祖の別名だ

市場を進むと「天上聖母」の文字。商店街の真正面「板橋慈惠宮」に祭られる道教の女神・媽祖の別名だ

台湾の人々は、信仰心が厚い

買い物帰り、仕事帰り……どんなに慌ただしい生活を送っていても、廟を通り過ぎるときには、律儀にお祈りスキマ時間でも構わないから、お祈りしようという姿勢が感じられる。

祈りを捧げる、地元「板橋っ子」のおばさん

祈りを捧げる、地元「板橋っ子」のおばさん

以前読んだ食べ歩きの本に「台湾は、廟のまわりにウマい店があつまる」とあった。

実際、廟のまわりには、ウマい店はもちろんのこと、市場や商店街が開かれていることも多い。板橋のことは全然分からないので、とりあえず、ここ「板橋慈惠宮」へやって来た。

「板橋慈惠宮」を正面から

「板橋慈惠宮」を正面から

台湾の廟には、職人の息づかいが感じられるかのように、繊細な細工が施されている。

同じ廟であっても、来るたびに新しい発見があるので、興味が尽きることはない。

龍の眼球が、あまりにも精彩であることに驚く。まるで、生きているようだ

龍の眼球が、あまりにも精彩であることに驚く。まるで、生きているようだ

次から次へと、参拝客が途切れることはない

次から次へと、参拝客が途切れることはない

廟の前では道路工事

騒音と、ほこりで大変なことになっていたが、まったく気にせず、バーベキューを売って商売するオバサンの姿。台湾人は、たくましい

廟前では、道路工事が進行中。工事音よりも大きな声で、雑談をする元気なおばさんたちの姿も

廟前では、道路工事が進行中。工事音よりも大きな声で、雑談をする元気なおばさんたちの姿も

「板橋」という街の雰囲気を感じとることもでき、散策に満足。

ほどよく腹も減ったところで、食べ歩きを開始することに。

台湾・板橋(バンチャオ)|「生炒魷魚」にて絶品グルメのイカスープに舌鼓

板橋で最も有名なレストランのひとつ「生炒魷魚」

板橋で最も有名なレストランのひとつ「生炒魷魚」

まずは、「生炒魷魚」を目指した。

板橋で最も有名なレストランのひとつとされ、行列必至の一軒だという情報を聞きつけたのだ。

アジ吉
有名店だから、デカデカとした看板があるだろう

すぐに店は見つかるはずだと油断していたが、なかなか発見できない

しばらく、そこらへんをウロウロしていたが、自力で見つけることは難しいとギブアップ

「同業他社」にあたる飲食店に質問するのは、ちょっとはばかられた。そこへちょうど、一息ついている洋服店のおっちゃんがいるのを発見し、質問。

アジ吉
「生炒魷魚」に行きたいんだけど、場所がわからなくて……

ついて来い。連れてってやる
店員

すぐそばにあるらしく、店まで一緒に歩いて連れて行ってくれた

台湾人の親切さを感じるワンシーンである。

昼食のピーク時間を過ぎてからの訪問となったせいか、たまたま座席がひとつ空いており(相席)、待機時間ゼロで入店できた。

ちょっと「タカアンドトシ」のトシに似た、ピンクシャツのにーさん。働きっぷりはプロ職人そのもの

ちょっと「タカアンドトシ」のトシに似た、ピンクシャツのにーさん。働きっぷりはプロ職人そのもの

アラカルトメニューとして提供されている「大根もち」

アラカルトメニューとして提供されている「大根もち」

はい、これ。あんた、注文するつもりだったでしょ? 分かってるのよ、フフフ
店員

アジ吉
う……うん! いただくよ

なんと、アジ吉の着席三秒後、店員のねーさんがテーブルに大根もちを「お届け」。

まだオーダーすらしていなかったけど、たしかに、食べたかった

つまり、「飛ぶように売れる」という確信があるから、まだお客から注文がなくても、皿を持った店員さんが、そこらへんのテーブル間をウロウロしているのだ。

実力に絶対的な自信を持つ、有名人気店だからこそ為せる、超強気の接客スタイル

ワクワク期待しながら、口にはこんだ大根もちは、まるで「明石焼」を思わせるような、あっさり、だが、しっかり塩味のきいた、日本人がいかにも喜びそうなお味

大根もちの中には、たっぷり、しっかり味がしみ込んでおり、一口かみしめるごとに、台湾料理を食べることの喜びを増幅させてくれる一品である。

一人旅なのに、感情表現せずにはいられなくなりその場で「おいしい!」と叫んでしまった

「生炒魷魚」看板メニューの、イカスープ

「生炒魷魚」看板メニューの、イカスープ

そして、この店で一番有名な「イカスープ」を注文。

テーブルに届けられたのは、表面張力でこんもりと液面がはみだしそうになった状態で、なみなみ注がれたトロトロスープの器。

いくら粘性の高いトロトロスープであっても、ここまでナミナミ注がれていたら、ちょっとでも器を揺らせば、たちまち、こぼれ出てしまうだろう。こぼさないよう、細心の注意を払おうと気負ってしまったが、その心配は不要だと、すぐに判った。

器の側面には、テーブルへ届けられた時点で、すでにべっとり、トロトロスープが垂れ下がっていたのだ。もちろん、いったん食事がはじまれば、テーブルもスープでドロドロになったことは言うまでもない。

周囲の客だって、スープがこぼれるのを、微塵も気にしていない様子。

「こぼすのは行儀がよろしくない」という、日本人的価値観が根底にあるアジ吉には、ある意味、ショッキングな食体験

これが「伝説の」イカ。中の肉塊が弾け出てきそうな「パチン」という音を立てる

これが「伝説の」イカ。中の肉塊が弾け出てきそうな「パチン」という音を立てる

イカは、「肉圧」がすさまじくて、イカの表面を「甘噛み」をしたとたん、パチンと音がしそうな勢いで、ギッシリつまった肉が、中から弾け出てくるという食感だ。

これまでの人生で食べてきたイカは、全部ニセモノだったのだろうか

このイカスープを、大根もちと一緒に「重ね食い」すると、それはもう、幸せで幸せで……

台湾到着から半日も経っていないのに、「台湾旅行、これで終わっても満足」と真剣に感じたのである。

焼き餃子、鍋にペタペタ貼って調理するから、中国語では「鍋貼」

衝撃的ともいえる絶品イカスープの感動の余韻にひたりながら、店を出た。

すると、「生炒魷魚」のすぐ真横の店で、せいろからムンムン湯気が登っている光景を目撃してしまい、「アツアツ系」が無性に食べたくなった。

せいろの湯気が「トラップ」となり、見事にひっかかる

せいろの湯気が「トラップ」となり、見事にひっかかる

小籠包をオーダーしようと思ったが、食べ歩きを開始して、まだ二軒目ではないか

ここであまりペースを飛ばして、水分をふくみ、ボリュームのある小籠包をたいらげてしまうと、満腹感が出て、食べ歩きを満喫できなくなってしまうかも知れない。

「鍋貼」と呼ばれるご当地フード。日本でいうところの焼き餃子

「鍋貼」と呼ばれるご当地フード。日本でいうところの焼き餃子

そこで選んだのは中国語で「鍋貼」と呼ばれる、いわゆる焼き餃子。

焼き餃子は、「鍋」にペタペタ「貼」り付けて調理することに由来して、このネーミングとなっている。やはり、中華系の人々は、漢字活用センスに関しては超一流。日本人に、この発想はむずかしい。

テーブルへ届けられた皿には、なんと十五個も「鍋貼」が盛られている。

アジ吉
うわっ……「数量ちょっと少なめで」って言うべきだった

一個四元でも買えたみたいだが、知らずに一皿丸々買ってしまった。

食べ歩きを満喫するため、ペロッとサクッと食べられる「軽食系」を選んだつもりが、結局、二軒目もガッツリ食べることになってしまった。

ところが、ここの「鍋貼」、小ぶりのサイズで作られているので、お箸がすすむ、すすむ。不思議なことに、いくら食べても、腹にたまる感じがしない

嬉しかったのは、しっかりとした生地の皮が、「カプセル」的に機能し、中身の具材の旨味を逃すことなく、しっかり包み込んでくれていること。そのおかげで、かじった瞬間、口の中で香ばしさが広まるという演出効果も得られていた。

近くのコンビニでビールでも買って、持ち込むべきだったと、激しく後悔。

ともあれ、二軒のレストランをハシゴしたことで、すこし腹が満たされてきた。ほどよくウォーキングを盛り込むなどして、空腹状態を維持することこそ、食べ歩きの基本。かいわいを探検してみることにした。

台湾・板橋(バンチャオ)|運動がてら、黄石市場かいわいを散歩

ここらへんで、ちょっと運動することに。

食べ歩きは、いくら美味しい店があっても、腹がすいていなければ楽しめない

「空腹感ありきの娯楽」と言えよう。

暖色系のランプが照らす、薄暗い市場。「すっぴん姿」の板橋、日常感あふれる一コマ

暖色系のランプが照らす、薄暗い市場。「すっぴん姿」の板橋、日常感あふれる一コマ

地元の人でも行かないような、商店街の、奥の奥へと突き進んでみたり……

街行く人々を観察してみたり……

下校時間になったのか、学生の姿もちらほら……

下校時間になったのか、学生の姿もちらほら……

カメラを向けた途端、(泣くのを必死にこらえて)笑顔を作る男の子がいた。

カメラを下げたとたん、安定の大声量で、ギャン泣き再開

ギャン泣きしていた男の子、カメラを向けたらニッコリ(カメラをおろしたら、ギャン泣き再開)

ギャン泣きしていた男の子、カメラを向けたらニッコリ(カメラをおろしたら、ギャン泣き再開)

道端へ山積みにされた食器。こういう光景がさりげなく目に飛び込んでくる街って、たいていメシが旨い

道端へ山積みにされた食器。こういう光景がさりげなく目に飛び込んでくる街って、たいていメシが旨い

コンビニへ立ち寄って、ビールを一缶あける

台湾のコンビニは、イスとテーブルが設置されていることが多く、休憩するのに便利な空間だ。

コンビニのイートインで台湾ビールをいただく

コンビニのイートインで台湾ビールをいただく

酪梨牛奶(アボカドミルク)で喉をうるおす

三月といえど、ここは台湾。

日没までは、汗ばむような陽気の日がつづくことも、少なくない。

酪梨(アボカド)の特大フォントが、目を引く

酪梨(アボカド)の特大フォントが、目を引く

通りのすみっこにジュース専門店がある。いろいろなメニューをあつかっているが、とりわけ大きなフォントで酪梨(アボカド)と表示しているあたり、この店の「勝負素材」だと思った。

酪梨は、「バターのような果実」という意味。

その酪梨を使ったミルク、「酪梨牛奶」があるという。味の想像もつかず、勇気が必要だったけれど、注文してみた。

酪梨牛奶(アボカドミルク)、その場でミキサーで作ってもらえるので鮮度抜群

酪梨牛奶(アボカドミルク)、その場でミキサーで作ってもらえるので鮮度抜群

アジ吉
うーん……ちょっとイメージと違っていたかも。本当は、ゴクゴク飲める、サラサラのジュースが飲みたかったけどなぁ

ストローで吸いこんでみると、おもいのほか粘度が大きくゆっく〜りと、管内を上がってくる

「ゴクゴク飲めるジュース」を期待していたので、若干がっかりしかけたが、いったんストロー内が液で満たされると、一気にスピードアップ。スルスルと喉に走っていった

甘さについても、脳へ「甘い」という味覚が伝わるまでに、ワンクッション置くような、「ゆったりテンポ」の甘さ

それなりにちゃんと冷たい、それなりにちゃんとゴクゴク飲める、いろいろな意味で「ワンクッション」な、ゆっくりジュースであった。

ほどよく空腹感が強まってきたところで、ハシゴ先のレストランへと向かう。

台湾・板橋(バンチャオ)|天ぷら? おでん? 有名店「北門田不辣」で、食カルチャーショック

ここ「板橋」は、本当に食べ歩きのためにできた街のようなもの。

とびきり旨い店たちが、これでもかというほど密接したエリアに集まっており、徒歩でスタンプラリーのように巡れてしまう。食べ歩き好きにとっては「食のテーマパーク」といっても過言ではない。

次にやって来たのは、いかにも「昔から地元民に愛されつづけてきました」という雰囲気「北門田不辣」

板橋のちょっとした有名店「北門田不辣」へ

板橋のちょっとした有名店「北門田不辣」へ

台湾の人気店には、メニューが一種類のみということが少なくない。

ここも、提供されているメニューは田不辣(てんぷら)のみ。なので、オーダーするには、大か小かを伝えるだけで良い

店頭メニューは田不辣(てんぷら)のみ

店頭メニューは田不辣(てんぷら)のみ

「田不辣」という漢字で、「テェンプラー」と発音する。

そう。「田不辣」とは、台湾式てんぷらのことであった。

夕食まで待てない食べ盛りの学生で賑わう。夕食前なのに満員の店内

夕食まで待てない食べ盛りの学生で賑わう。夕食前なのに満員の店内

「小」サイズを注文

「小」サイズを注文

台湾式てんぷら「小」サイズを注文し、テーブルに届いたお椀をみて、びっくり仰天

日本人の考える「てんぷら」とは、ビジュアル的にかけはなれた一品。味的にも、完全に別物であることは、一口目を味わう前から容易に想像できた。

トロトロの濃口ソースに、モチモチの具材

日本人が「てんぷら」と聞くと、サクサクッと揚げられたアレを想像するが、ここ台湾の「てんぷら」は、なぜかさつま揚げのようなものが入っている

日本料理でたとえると、「てんぷら」というよりかは、おでん、あるいは、温かい和スイーツを食べているような感覚に近かった。

食べ終わると、会計のときに何かを言われたが、早口で分からない。

店内のテーブルへ戻るよう、おっちゃんに言われた気がして、そうしてみる

店内のテーブルへ戻るよう、おっちゃんに言われた気がして、そうしてみる

どうやら「テーブルに戻れ」と言ってるみたいなので、そうしてみると、ヤカンを手にしたおっちやんがやってきた。

アジ吉
食後に、温かいお茶でも飲んでいけ、ってことかな?

なかなか良いサービスではないか

ところが、おっちゃん、アジ吉が完食したばかりのおでんの器に、何やらナミナミと注ぎだした。お茶かと思ったら、スープ

そう。

おでんの食後には、器にこびりついたトロトロソースに、あっさり風味の熱々スープをかけて希釈し、ズズズッといただくのが「台湾式」作法らしい。

ナミナミとスープを注がれ、あら不思議、コテコテ系からアッサリ和風へ変貌

ナミナミとスープを注がれ、あら不思議、コテコテ系からアッサリ和風へ変貌

このスープ、どこかで味わったことがある

まるで、和風出汁のように透明感たっぷり……と思ったら、店の奥に和風出汁の段ボール(もろネタばれwww)。

和風テイストの原因がネタバレ判明

和風テイストの原因がネタバレ判明

このスープ、白米にかけて食すと、絶対何杯でもパクパクごはんが進む系とみた。

「てんぷら」本体は、どうしても日本風の「先入観」が頭にあるため、斬新すぎる台湾式に戸惑いを隠せなかった。正直、自分がこの料理を好きかどうかと聞かれたら、答えに迷う。食後の残りソースを、熱々スープで割っていただいたものが、一番美味しかった

台湾の夜は、始まったばかり

お腹が満たされたところで、さぁホテルへ帰ろう、ということにはならない

「夜市大国」台湾へやって来ておきながら、日没後、室内にひきこもってしまうのはヤボである

気がつけば日も沈み、「買い食い」ミッションをコンプリートした学生も帰路に

気がつけば日も沈み、「買い食い」ミッションをコンプリートした学生も帰路に

まだ、「門限」があってもおかしくないくらいの年齢に見える、学校ジャージ姿の子どもたちが帰路につくのを尻目に、これから板橋の「南雅夜市」へ向かう。

ここ板橋は、主要な食べ歩きスポットのみならず、夜市へも、簡単に徒歩で移動できてしまう。台湾リピーターの旅人には、板橋で滞在することがトレンドとなる流れが、かならずやって来ると思う。

これくらいの「暗さ」になると、夜市は開きはじめていると思ってよい。夜市に厳密な「開店時刻」はない

これくらいの「暗さ」になると、夜市は開きはじめていると思ってよい。夜市に厳密な「開店時刻」はない

ピーク時間帯に備えて、仕込みに余念がない

ピーク時間帯に備えて、仕込みに余念がない

「南雅夜市」へ到着。平日の夜でも、地元民で賑わう

「南雅夜市」へ到着。平日の夜でも、地元民で賑わう

夜市を徘徊するうちに、次から次へと、魅力的な飲食店が目に入る。その中でも、「是非ここで今日の食べ歩きをしめくくりたい」と思えるレストランを発見。

台湾・板橋(バンチャオ)|名店「蚵仔之家」で牡蠣入りの焼き餃子を注文し、ボリュームに圧倒される

完全なる地元民むけで、観光客をほとんど見かけないようなローカル夜市ではあるが、夜市沿いには、実に多数の飲食店が軒を連ねる

その中でも、ひときわ大繁盛しているお店が目に留まった。

店名は「蚵仔之家」とある。

ひときわ賑わっている店を発見。牡蠣料理が専門の「蚵仔之家」

ひときわ賑わっている店を発見。牡蠣料理が専門の「蚵仔之家」

とりあえず入店し、周囲のテーブルを見渡す

メニューだけでは、どんな料理がやってくるか正確にイメージするのは難しいので、現地現物で料理を見てから判断するにかぎる。

観察の結果、一番気になったのは、牡蠣入り餃子「蚵仔餃」

牡蠣入りの焼き餃子「蚵仔餃」。四つ単位で注文できる

牡蠣入りの焼き餃子「蚵仔餃」。四つ単位で注文できる

メニューを見ると、最小注文単位が「四つ」

冷静にかんがえると、今日一日、たらふく食べ歩いてきたので、これは明らかな「無理ゲー」だと判断できる。ところが、このレストランが、本日の食べ歩きでは「最後の一軒」になるだろうことを思うと、ついつい気が大きくなってしまう。

とんだ落とし穴である。

アジ吉
多少ボリュームがある料理を注文しても、本日「最後の一軒」だし……ナントカナル、ナントカナル

テーブルに届いた「蚵仔餃」、まずその迫力に圧倒された

テーブルに届いた「蚵仔餃」。想像以上にボリューム感あるサイズに圧倒された

テーブルに届いた「蚵仔餃」。想像以上にボリューム感あるサイズに圧倒された

まるで「551蓬萊」の肉まんのように大きなサイズである上、それが四つも、ドスンドスンと皿に乗っかっているのだ。

普通にかんがえたら、四人家族用。ちょっと絶望的な気分になる。

中には、牡蠣が惜しみもなく散りばめられている

中には、牡蠣が惜しみもなく散りばめられている

一口かじって「開封」してみると、中には、牡蠣と豚肉、野菜が豪快に混ぜ込まれた具材がギッシリ。牡蠣は、惜しみもなく投入されており、一口かぶりつくごとに、口の中には牡蠣がひとつ入るくらい、どっぷり投入されていた。

たぶん、とても美味しいのだろうが、一日の「食べ歩きキャパ」を越えているせいか、味の判断をつかさどる脳回路がにぶっており、感動を得るには至らなかった

ゼーゼーいいながら、四つを完食

ところで、このお店にビールがないのは、台湾だから仕方ないといえど、残念すぎる。牡蠣がみっちり入った、カリカリ餃子は、絶対ビールと合う。合わないはずがない。

これだけ食べた後でも、スイカジュースは別腹

牡蠣入り餃子をフィニッシュし、あと、もうひと「わるあがき」するため、夜市の徘徊を再開

お腹はいっぱいだが、甘いものなら大丈夫

なにか、冷たくて、甘いものが良いと思ったら、ちょうどいいところにジュース屋を発見。

食べすぎムカムカを解消できる「一杯」を求めて

食べすぎムカムカを解消できる「一杯」を求めて

神様は、じつに好都合なように、人間の体を設計してくれたものだと感謝せざるを得ない。

お腹がいっぱいの状態になっても、デザートや、ジュースは、別枠で飲食できるようになっているのだから。

「西瓜源汁」、百パーセントのスイカジュース

「西瓜源汁」、百パーセントのスイカジュース

サイズは二種類、大(1000 ml)と小(700 ml)。「小」でもデカい!

サイズは二種類、大(1000 ml)と小(700 ml)。「小」でもデカい!

ピンク色のスイカジュースが店頭に並んでおり、あまりにも美味しそうだったので、これを買って帰ることに。

ハイハイ、大きいほうにしときなよ。美味しいよ♪
店員
アジ吉
一リットルも飲めねぇ……小さいほうでいいよ

「大」をすすめる店員だが、一リットルもスイカジュースを完飲できる自信がなかったので「小」を注文。それでも、七百ミリリットル。十分にデカい

夜市を歩きながら、ストローで吸ってみると「夏の記憶」がよみがえって、大感動

実は、今日、台北の空港から一歩外へ出たとき、外気が大変暖かく、「初夏」の気配そのものだった。ところが、そのときには「夏の記憶」は呼び起こされなかった。理由のひとつは、温暖化現象によって、日本の三月でも、たまに汗ばむ日がちらほらあったことだろう。

スイカジュースの味は、間違いなく、シーズン限定だからこそ、感動は大きかった

ところで、これだけのジュースを搾り取るのに、いったい、幾つのスイカが必要だったのだろう。

アジ吉
英語でスイカを watermelon というくらいだから、ひとつのスイカからでも、ドボドボ出るのだろうか

そう思ってインターネットで調べると、なんとスイカの九割は水分でできているのだとか。フルーツの中でも、トップレベルの水分含有率だそうだ。

勉強になった。

さて、明日は淡水方面へ出かける。そろそろホテルへ戻って寝ることにしよう。

(おまけ)台北から日帰り可能な、その他の穴場グルメスポット

本記事を楽しんでいただけた方は、きっと、以下記事についても、興味を持っていただけると思う。

いずれも、おどろくほど「穴場」の名グルメぞろいなスポットである。

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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