目次
はじめに:なぜ朝市でも夜市でもなく【コンピュータ市】か
日本のガラケーが廃れる一方、ASUSやHTCといった台湾製スマホの市場存在感が増していることは、既知の事実である。
また、かつて日本を代表する家電メーカーの一つであったSHARPが台湾企業に買収され、現在では息を吹き返してきたことも、ほとんどの日本人は知っていると思う。

HTC製スマホ
もはや、台湾のことを「電子大国」と評しても、それに反対意見を唱える人の方が少数派となった今日、台湾には、日本が見習うべき多くのことがあるとアジ吉はつくづく感じていた。
そんな中、ちょうど台湾旅行予定期間中に、「Computex 2018」という世界規模の最新技術展示会が、台北で開催されることを知った。このイベントへの参加を通じて、大好きな台湾文化への理解を深めると共に、日本に欠けている「台湾の強み」を探ろうと心に決めたことが、Computexという名の【コンピュータ市】へ行ってみようと思った理由である。
会場、アクセス
台北市内では、このイベントがすっぽり収まりきるような会場がどこにも見当たらないので、市内四会場に分散して開催。そういう巨大規模のイベントなのだ。
- 台北世界貿易センター1号館
- 台北世界貿易センター3号館
- 台北南港展覧会1号館
- 台北国際会議センター
主要な会場間は、無料のシャトルバスで行き来可能。
路線番号の部分に「専車」と表示された黄色いバスが、五分間隔で運行。

無料シャトルバス

「専車」表示
台北世界貿易センター1号館
MRT「台北101・世貿駅」下車すぐ。
今回のイベントは、ここからスタートした。

台北世界貿易センター1号館
台北世界貿易センター3号館
前述の「台北世界貿易センター1号館」から、徒歩五分で移動可能。

台北世界貿易センター3号館
台北南港展覧会1号館
「台北世界貿易センター1号館」からシャトルバス運行。
所要時間は、三十分前後(道路交通状態によって左右される。時間制約つきの方は、MRT移動がオススメ)。

台北南港展覧会1号館
上記3会場の他に「台北国際会議センター」でも展示が行われていたが、一般市民のアジ吉にとっては、内容があまりにも専門的すぎた(半導体)ため訪問せず。
入場手続き
会場へ入るためには、「IDカード」が必要となるので、まずはこれを無料発行してもらおう。
事前オンライン手続きの完了有無によってブースが分かれる
事前にオンライン手続きしている場合と、アポなし訪問の場合とで、「IDカード」発行ブースが二手に分かれている。
アジ吉の場合、イベント情報を日本出国直前(すでにイベント開催期間中)にかぎつけて、事前のオンライン手続きが間に合わなかったので、「Onsite Registration」と書かれた、「アポなし」ブースで手続き。
- Pre-registered Visitors ... 事前オンライン手続き済みの訪問者
- Onsite Registration ... その場で登録する「アポなし訪問」の人

事前オンライン手続きしていたら「Pre-registered Visitors」のブースへ

アポなし訪問の場合は「Onsite Registration」のブースへ
なお、名刺を二枚持参するよう指定されている(2018年度のケース)ので、忘れないようにしたい。名刺がなければ、「IDカード」発行ブースに並ばせてもらえず、門前払いにあう恐れがある。
それでも、以下のような理由によって、名刺がない方もいると思う。
- 会社勤めの身じゃない
- まだ学生である
- 定年退職した
このような場合は、名刺サイズの紙に、氏名、会社名(働いていない人は、フリーランスとしての「肩書き」を適当に記入しても大丈夫そう)、メールアドレス、電話番号を印字したものを持参しよう。あまり厳密には内容チェックされないので、「名刺っぽさ」が漂ったカードを取り繕っておけば、問題ないと思う。
事務手続きは、氏名、住所、メールアドレス、会社情報などを、申請用パソコン(表示言語は「英語」に設定されている)で入力するというものだった。
IDカードと一緒に、パンフレットをゲットしてから会場を回遊しよう
IDカードを発行してもらうまでの所要時間は、五分未満。
平日だったため、たまたま空いていた可能性はある。週末の場合は、行列ができて、もっと時間がかかるかも知れない。

申請用パソコン

IDカードとストラップ
ここまで済ませたら、ようやく展示会場へ入る「資格」が得られたことになる。
入口付近には、パンフレット配布コーナーがあるので、めぼしい資料をゲットしよう。

パンフレット類

日本語対応版も
巨大規模の展示会は長丁場。見学前に、フードコードで昼食

昼食時間帯とカブってしまったせいか、来場者の多くが、休憩スペースで弁当を食べているので、会場中に台湾料理のいい香りがプーーンと充満していた。
この中、自分ひとりだけ何も食べず、展示物を観てまわるのも寂しい感じがしたし、会場内のちょうどいいところに、フードコードがあった。

「台北101」のロゴ入り
けっこう強欲なプライス設定でワロタ
メニューはどれも200元ほどする。

メニュー
セットと言えど、台湾物価で一食200元するのは、牛肉麺くらいしか思い当たらないし、かなり強欲なプライス設定だと感じた。
そういえば、フードコードエリア外のベンチでは、大勢の地元っ子が弁当を開けていたが、どれも会場外で買い求めてきたものだった。このフードコードで食べるのは、大きな会社に勤めている、ちょっといい暮らしをしている台湾人、あるいは海外からの出張者くらいなのだろうか。
「店名」に関しては、世界一テキトーな国民性の台湾
一番列の長かった「京皇排骨飯」で食べることにした。

「京皇排骨飯」へ
そこでも、一番売れ行きの良かったメニュー、その名も「京皇排骨飯」を注文。
店名と、看板メニューがまったく同じだが、台湾人は、あまり店名にこだわらないので、看板メニューがそのまま「店名」になるケースが多い。

圧倒的な存在感の肉がドーン
ド迫力の肉塊が、200元払うかどうかでケチケチしていたことをスッパリ忘れさせてくれた。
絶賛するほどの美味しさでもないけれど、空腹状態にあり、何を食べても、ひどく美味しく感じられた。

おかず 1

おかず 2

おかず 3

つみれスープ
セットでついてきた三種類のおかず、つみれスープも、あっという間にたいらげてしまった。
それにしても、ここのフードコートで感心したのは、従業員(おばさんたち)のグローバル対応能力。
おそらく、簡単な定型表現しか覚えていないのだとは思うが、とてもそう感じさせない堂々たる態度で"Yes, sir. Please wait for five minutes."などと接客に当たる姿は印象に残るものだった。
きっと、「自分たちが国際会議場施設の一部を担っている」という誇りが、従業員の根底にあるのだろう。
各メーカー「ご自慢」の製品たち
Computex会場は、球場ドームを凌駕する広さ。
展示スペースの大まかなカテゴリ分けはされているものの、展示品の内容にはかなりのバラツキがあり、左右のブースでまったく異なった製品がデモされていることもある。

Computex会場の一つ
何を隠そう、この「脈絡のなさ」こそ、訪問者を退屈させず、好奇心を刺激することに一躍買っている面もあり、ドラえもんの四次元ポケットをまさぐっているような楽しさも味わえる。
ごく一部ではあるが、展示品の数々を【アジアの何か。】読者の皆さんへご紹介しようと思う。
巨大ドローン
赤ちゃんや、保育園児くらいなら、軽々と持ち上げてしまいそうな「巨大ドローン」。

「実演デモ」が見たかった
「実演デモ」がなかったのは心残りだが、数十個のプロペラが搭載され、大人をも圧倒するサイズの「ドローン」は、見応えある展示物。
完全防水キーボード
想定利用シーンがまったくイメージできなかったが、「完全防水キーボード」。

完全防水
お風呂でネットできるというのが、セールス文句なのだろうか。
スマート自販機
こちらの「スマート自販機」は、カメラが搭載されており、どういった性別や年齢の客が、どんな種類の飲料を購入する傾向があるかを分析する機能が搭載されている。

ありきたりの自販機に見えるけれど……
写真には写っていないが、液晶モニターも搭載されており、自販機の前にいる客の性別や年齢に適したコマーシャルを再生する仕組みも。
水素風呂生成器
こちらは、手のひらサイズの「水素風呂生成器」。

水素風呂が、いつでも、どこでも楽しめるらしい
ワイヤレス充電対応可能で、自宅やホテル、どこへも持ち運べ、浴槽に入れるだけで疲労回復と美肌効果が得られるのだとか。
義手
よろしければ、説明しましょうかと学生風の技術者から声をかけられて立ち止まったのが、こちら「義手」。

バネ機構が駆使されている
バネ機構を駆使して、本物の手の「しなり」が再現された義手。事故で手を失った人々を助けたいと、熱く語ってくれた。
駐車場マネジメントシステム
ラジコン大の車を操作して実演デモを繰り広げているのは、「駐車場マネジメントシステム」の説明員さん。

実演デモ中……
あいにく、ネットワークが不調でデモは成功しなかったけれど、車の出入り状況を遠隔コンピュータでモニタリングできるシステムだとか。
自動調理器
なにやらケーブルが接続された鍋は、「自動調理器」。

調理中……

レシピの設定画面
あらかじめ設定しておいたレシピに基づいて、火加減や、調理時間の管理を行ってくれるらしい。
スマートUFOキャッチャー
UFOキャッチャー大国・台湾ならではの機器だと思ったのが、こちら「スマートUFOキャッチャー」。

台湾ならではの発想

支払いはアプリ、スマホで
日本でも、自販機でスマホ決済できる機種はおなじみになっているが、これは、そのUFOキャッチャー版。
あらかじめスマホにインストールしたアプリを使って、UFOキャッチャーの支払いができるという。コンビニよりもUFOキャッチャー専門店の方が多いといっても過言ではない、「UFOキャッチャー大国」台湾ならではの着眼点である。
屋外水質監視船
ソーラーパネルでエネルギーを補給しながら、水上を移動する「屋外水質監視船」。

屋内のせいか、動作せず
屋内で太陽が当たらないせいだろうか、水面で停止しているのは少し残念。
おそらく、太陽が当たるところでは、羽が風車のように回転し、船に推進力を与える構造なのだろう。
今ホットな3D対応技術たち
会場をとりわけにぎわせていたのが、3D対応技術の数々である。
3Dプロジェクタ
こちらは、空中に立体映像を投射できるマシーン、「3Dプロジェクタ」とでも言うべきか。

まだ実用レベルには遠そうだけれど……
ピラミッド上の機器内に、アニメが「空中映像」として動く様子がデモンストレーションされている。
専用メガネを着用することなしに、生活空間どこでも立体映像を鑑賞できるマシーンが誕生する日は、そう遠くない未来かも知れない。
3Dスキャナ
「3Dプリンタ」は、わりと話題になることが多かったが、これはそのスキャナ版。
その名も「3Dスキャナ」。

三次元に対応

デモしてくれた
人形などの立体構造物も、このカメラでスキャンすれば、「設計図」を起こすことが可能だとか。こういう技術が一般的になると、「CAD技術者の職が失われる」と不安をあおるマスコミが出てくるのだろう。
3D試着システム
「BODY SCANNER」と書かれた、公衆電話よりもちょっと大きめの機器、実は「3D試着システム」である。

公衆電話サイズより少し大きめ

「採寸」デモ

iPhoneアプリの画面イメージ
こちら、体データをスキャンした後、iPhoneアプリ上で「仮想試着」ができるというもの。
複数の衣類を組み合わせて「試着画像」を生成できる他、衣類オーダーメイド商談のやりとりが、被服デザイナーと顧客の間でやりやすくなる機能もあるという。
3Dオブジェ生成器
三次元物を制作するという機能麺では「3Dプリンタ」のように思えたが、専門家でもないアジ吉には、そう読んでいいか確信が持てなかったので、仮に「3Dオブジェ生成器」と呼ぶことにする。
動作原理がどうであれ、機器の主要機能が、三次元物をアウトプットすることであるという点に変わりはない。

ガーガーいわせつつ動作中

できあがったオブジェたち
ガタガタの「ゾウさん」完成。
別の企業も、同じような機器を展示している。おそらく、出展企業ごとに、機器の動作原理が異なっているのだろう。

カラフルなオブジェ

「ライオン」完成
いずれも、完成したばかりのオブジェは、表面がガタガタ(ザラザラ)しており、とてもそのままでは製品として市場に出せないクオリティの物だが、それは時代の流れが解決するであろう。
重要なのは、人の手を介さずして、動物のような複雑な形状の「モノづくり」が行えるようになったという事実である。
実用化済み「仮想3Dメガネ」の製品デモも……
すでに実用化された「仮想3Dメガネ」の製品デモも行われていた。

試着者 1

試着者 2
市場に出ているとはいえ、普及率は高くなく、ほとんどの人にとっては「初体験」。
とりわけ熱心だったのは中高年の方々で、かなりの長時間、飽きる様子もなくデモを試す姿が印象的。
二十一世紀のロボットたち
鉄腕アトムやドラえもんまでの技術進歩は起きなかったものの、ロボットの存在感は、着実に増しつつある。
ロボットアーム
人とぶつかったら、動作はゆっくり、(チカラが)やわらかくなる「ロボットアーム」。

ひとに優しいロボアーム
高齢者の介護現場への応用も考えられるし、ひとに「優しい」テクノロジーは、これからの技術競争を制する一つのトレンドキーワードだと思う。
役割特化ロボット
警察や接客といった、特定の役割に応じたアプリケーションがインストールされた「役割特化ロボット」。

警察ロボ

接客ロボ
犬ロボットのAIBOはある意味、「癒し」に役割特化していると言える。
特定の役割をこなせるロボットは、今後、いろんなジャンルで増えて行き、十分に実用化できると判断されたジャンルから、順次導入が進んでいくのではないか。
知能派ロボット
異色を放っていたのが、こちら「知能派ロボット」。

知能派ロボット

人間と対戦中
碁盤上に、アルファベットの印刷された積み木を並べ、単語をつくるゲーム。
積み木のアルファベットを正しく認識した上で、器用にアームを動かし、碁盤の目にピタっと並べて行く様子は、多くの来場者をその場に引き止めていた。
トガった【個性派】パソコンたち
カメレオンPC
時々刻々と姿をかえる、電光パネルが装着されたパソコン。
カメレオンのように変幻自在なので、「カメレオンPC」とでも呼ぼう。

変幻自在PC 1

変幻自在PC 2

変幻自在PC 3

変幻自在PC 4
パソコンが固まらず、高速で快適動作するのはアタリマエ。
アタリマエ以上のことを、どれだけできるかが、新時代におけるパソコンの価値を決める……とは言い過ぎかも知れないが、CPU高速化やメモリ拡張といった「高性能化路線」ではパソコンが売れなくなった現代で、示唆に富む展示内容とも言える。
スケルトンPC
最近では、透明パネルが使われ、内部機構が見えるエレベータをよく見かけるようになったが、その潮流がパソコンへもやって来るというのだろうか。
中身がスケスケに見えてしまう「スケルトンPC」、各出展企業が意匠を凝らした「一台」たちが、一堂に集い、まるでファッションショーの様相である。

スケルトンPC
もはや、ぶっ飛んだ発想。
いったい、どういう人たちが「お買い上げ」して行くのか知りたい。

スケルトンPC 1

スケルトンPC 2

スケルトンPC 3

スケルトンPC 4
さらにブッ飛んでいた「一台」はこちら
なんと、パソコン本体パネルの「シマウマ」が、自由に駆け巡るというシロモノ。
パソコン本体にアニメーションを表示させてしまう「一台」なんて、この会場に来なければ、一生見なかっただろうし、発想すらできなかったと思う。

実は、このシマウマが……
自分ひとりでは、想像もし得ないような「デジタル世界観」に振れ、視野を広めることも、この展示会が持つ意義だろう。
オーバークロック世界大会も同時開催
Computex会場を沸かせる、もう一つのイベントがある。
オーバークロックとは何か
オーバークロックという言葉をご存知だろうか。
二ノ宮 知子の漫画『87 CLOCKERS』で読んだことがある方もいるかと思うが、パソコンの性能を極限まで引き出すことを勝負する競技である。
パソコンの部品選びから、冷却テクニックまで、本当に奥深い競技で、その世界大会がここComputex会場で行われている。

OC WORLD RECORD STAGE 2018
"OC WORLD RECORD STAGE 2018"の"OC"とは、Overclockingのことである。
OC WORLD RECORD STAGE 2018会場の雰囲気
会場では、冷却用に使われる液体窒素のボンベが何本も立てかけられてあり、ガチで本気の雰囲気。
アルバイト風の若者たちが、「アシスタント」として、液体窒素を小さな瓶に補充する作業を延々と続けている。

冷却用
パソコンがぶっ飛んでしまわないように、少しも油断できない緊張の空気が走る。

真剣そのものの表情
一瞬の気のゆるみが、パソコン部品の物理的破壊にもつながり、気は抜けない。

緊張感いっぱい
選手は、練りに練った「戦略」を持ち寄って、世界大会の会場で勝負に挑む。

「戦略」がすべて
世界大会でもユーモアを忘れない西洋人
ピリピリした真剣モード全開の雰囲気かと思えば、どんなときでもユーモアを忘れないのが、さすがは西洋人。

ちょっとアレな絵柄

バイキングヘルメット装着
コンピュータ初心者のアジ吉には、大会がどういう雰囲気に進んでいるのか、誰が有利になっているのか、さっぱり理解できなかった。
どちらかと言うと、世界大会と言う「雰囲気」を楽しみ、オーバークロックという新しい種類の競技を「社会見学」と言った体験であった。
まとめ:Computexをがっつり回遊してみた結果、思ったこと
「電子大国」台湾が、国威を揚げての取組み
- 会場には、英語を活用して、世界中からの来客対応にあたる、大勢の若者の姿。いったいどうやって、これだけ多くの人手を集められたというのだろうか。台湾の人口が、日本の人口の四分の一にも満たないことを考えると、官民あげての、驚異的な努力だと思う。
- 台湾が「電子大国」としてのプライドをかけての、官民あげての取組み。会場間やホテル、空港への無料送迎バスが充実している点では、政府からの手厚いサポートがあることを感じた。企業も、出展企画から、英語でのプレゼンテーション準備まで、日常業務の合間を縫って大変だったと思う。
- IT活用に関して、台湾は非常に先進的。入退場時には、電子チップ入りの「IDカード」をスキャンする関所が設けられており、これによって得られる膨大なデータは大変価値のあるものだと思う。氏名・年齢といった個人情報から、所属企業・部門といった属性情報まで、誰がどんなことに興味を持って出展内容を見たかの分析をすると、新しい知見が得られると感じた。
出展企業の姿勢、狙い
- 出展内容のほとんどについて言えることは、確実性や完璧性をアピールするのではなく、「背伸びしたらこんなこともできるんですよ。新しいことを始めてみませんか」というメッセージ性を込めたものであった。「3Dオブジェ生成器」から出てきた「ライオン」は表面がガタガタしていて、とてもそのまま市場に出せる品質ではなかった。あるいは、「駐車場マネジメントシステム」は、デモできちんと動作せず、肝心なシステムの動きを見れない状態だった。それでも、新しい一歩を踏み出す気概や、ポテンシャルを前面に押し出し、ビジネスパートナーを探し求める姿勢は、確実性や完璧性にこだわり、アクションが遅れがちな日系企業は、是非とも見習うべきである。
- 可能なら、Computexは平日に行ったほうが良いと思う。平日は、企業から派遣された、商談チャンスにつながる来場者が中心なので、展示ブースへの力の入れ方も、手抜きがない筈だ。一方、週末は、商談チャンスにつながる可能性の低い一般市民の来場者が増えるので、出展企業の本気度が下がっても不思議ではない。Computexは一般的なイベントではなく、あくまでも「ビジネスの場」としての側面が強いイベントだという理解はしておいた方が良い。
エンジニアも、非エンジニアも、行く価値あり
- これまで見たことのなかった新製品へ触れることは、日常生活で凝り固まった視点をほぐし、ヤワラカ頭を取り戻す絶好のチャンスになる。やや専門技術的な展示会に感じられて、参加するのが憚られるかも知れないが、そういう方にこそ、是非とも足を運んでみていただきたい。アジ吉もエンジニアではないし、そういう専門的なことを理解する素養もないが、十分に刺激を受けることができた。
- 海外旅行観光客の増加、2020年の東京オリンピック開催など、日本で生活していても「グローバル対応力」は今後必要になると思う。Computexでは、アメリカ、ヨーロッパ、インド、マレーシア、世界中からの来場者があり、近場の台湾にいながら、グローバル感覚を身近に感じる絶好のチャンス。
- 台湾文化について、知見を深めることができる。故宮博物院へ行ったり、小籠包専門店をハシゴしたりする旅行では垣間見れない、台湾の新たな側面を見つめるチャンスにもなる。
参考:公式サイトURL
Computex公式サイト / 次回開催時期や、申込方法等の詳細情報が公開されている