目次
はじめに:食べ歩きの専門家がイチオシする「卵チャーハン」の名店へ
パッケージツアーに参加すると、旅の自由が制約されそうでヤだ。
ガイドを雇うと予算がオーバーしてしまう。
かと言って、スマホ片手に一人旅をしても、レビューし尽くされた有名店のネット情報が中心で、ワクワク感が半減してしまう。
あきれるほどワガママな自分の「旅欲求」を満たすには、やはり「専門家」の書いた本がイチバンというのが、ようやく到達した、一つの結論であった。
利用価値抜群の「台湾食べ歩き本」を助っ人に……
今回の台北旅行のために購入して、今年どんどん活用したいと思っているのが、コチラ、光瀬憲子著『台湾の人情食堂こだわりグルメ旅』。

今回は、この「一冊」
著者は、かつて台湾に生活した経験の持ち主でもあり、選店センスが素晴らしく、ディープな食事レビューも楽しい。
なお、TABILISTAやウレぴあ総研といったWEBサイトを通じて、精力的に【食べ歩きコンテンツ】を配信されているのので、著者のことをご存知でなかった方は、これらの記事を今後、チェックしてみると良いと思う。
今回は、同書の中で紹介されていた「SOGOエリア」にある卵チャーハンの名店「東都餐飲店」が気になり、是非行ってみようと思い立ったのである。
卵も、チャーハンも、アジ吉の大好物なので、「大好物 x 大好物」はとてつもなくオイシイに違いないという、小学生並みに単純な発想による選択であった。
あまりにも「隠れ家」的すぎて、店舗さがしは難航
本の住所を頼りにスマホで道を調べつつ、「東都餐飲店」目指して歩く。
「太平洋SOGO」デパートのすぐ裏にあるはずだが、探せど探せど見つからず。かと言って、「卵チャーハン」はどうしても食べたかったので、他店で妥協する気持ちにもなれない。そうこうしているうちに、小雨も降ってきた。
困っていると、ようやく、見つけたのが、こちら。

「卵チャーハン」の赤字が目立つ看板
実を言うと、この店の前を、何度も通り過ぎていたのだ。
名店だから、そこそこ立派で目立つ「一軒」だろうという思い込みが、正直どこかにあった。
実際には、あまりにも小さく、あまりにも質素な店づくりであったため、五回くらい通り過ぎて、ようやくここが「その店」だと気づいたのであった。『ことりっぷ』や『るるぶ』といった、「小綺麗」系ガイドブックでは、たぶん紹介されることはなさそう。
店の奥にいる、ちょっと怖そうなニーさんが、こちらをチラチラ見ている。屋台でテキ屋を仕切ってそうなイメージ。一瞬、このままUターンして帰ろうかなぁと躊躇 (^_^;

本の中では「11:00開店」とあり、混雑を避けようと思って、開店時間きっかりに行ったら、まだ開店準備中だったのだ。中から出てきたニーさん、開店時間は11:30だと連呼している。
たしかに、店頭には、開店時刻が11:30であることを強調する掲示物が置かれていた。

開店時間は、波線つきで強調されている
きっと、外国人客がよく来るのだろう。ニーさんは、英語を勉強しているらしく、臆する様子もなく、多少の間違いをはさみつつも、英語でいろいろ話しかけてくれる。見かけはイカツいけど、フレンドリーで優しい性格をしている。
開店時間が来るまで三十分あるので、先に、すぐ近くの『川品排骨』で食べてから、戻ってくることにした。
「東都餐飲店」訪問レポート
『川品排骨』での食事後に戻ってくると、ちょうど時刻は11:30になり、店の中へ通してもらえた。
メニューを見せてもらえたが、丁寧な手書き文字で日本語が併記されている。

店内メニューは日本語も併記されている








やっと通じる程度の発音になってきたので褒めたら、子どものように喜ぶニーさん。
自慢げな様子で、口ずさみながら卵チャーハンを作りはじめたが、発音がたちまち劣化して行くのが厨房スペースから聞こえて来る。

きっと、自分の中国語も同レベルなんだろうなぁと思いながら、卵チャーハンをつくるニーさんの背中を見守った。
厨房にいた、別のおじさんが、できたての卵チャーハンを持って来てくれた。

できたてアツアツでいただく
最初はシットリしたチャーハンが意外だった。
きっと、パリパリに炒められているハズと思っていただけに。一口目を運ぶと、ほんのり、味がするかしないかくらいの強さで、マヨネーズ的な味が。

看板メニューの「卵チャーハン」
しっとりしたレタスと卵のまろやかな味わいが重なりあって、極薄マヨネーズみたいな味がしているのだと気づいた。
そして、面白かったのは、食べれば食べるほど「卵かけご飯」に似ている気がしてくる点だ。もちろん、「卵かけご飯」ほどベトベトしてはいないのだが、日本人にとっては新鮮に感じられる料理ジャンルであり、最後の一口まで飽きがこなかった。
まとめ:気さくな店員さんのいる、是非とも再訪したい「一軒」、アクセス情報
ふと、アジ吉がテーブルの上に置いていた光瀬憲子著『台湾の人情食堂こだわりグルメ旅』の本を見つけた、店員さんたち。
自分の店が写真付きで紹介されていると知って、テンションが上がりまくったようで、スマホで写真を撮りまくっていた。

自分たちの店が掲載された「一冊」
「この店を開いてから、もう今年で三十七年なのよ」と、誇らしげな女将さん。
今では、「太平洋SOGO」の裏地にひっそりと営業している一軒だが、1986年開業の同店ができる五年前から、すでに、この地にあったのだ。
どうりで、何度もスルーしてしまうほど伝統感あふれる「一軒」なわけだ。
日本語か中国語か英語か、どの言葉でコミュニケーションしたのかは記憶していないが、不思議にも、自然と意思疎通できた。結局、日本人であれ台湾人であれ、同じ人間であることに変わりはないから、コミュニケーションもできてしまうのだろう。

気さくで親切な人々との出会いは、台湾旅行の醍醐味
気さくな三人にお願いして、記念撮影をさせてもらえた。
本をとっても欲しそうにしていたことが印象的で、台湾旅行日程がまだまだ残っており、差上げられなかったのが、心残りであった。
店名 | 東都餐飲店 |
住所 | 台北市大安區大安一路一段52巷20号 |
営業時間 | 11:30〜20:00 |