
空の旅をはじめるには、航空券が必要だ
出勤カレンダーが固定化されている業種の人たちは、ぼちぼち、ゴールデンウィークの航空券をスタンバる時期になってきた。
航空券の値段がピークに達する連休期間中であっても、安く買い叩く方法は、知恵を絞れば、どんどん出てくるものである。本人がどこまで【メンドくささ】を許容できるかにもよるけれど、節約テクニックを紹介したい。
目次
まずは Skyscanner に頼る
Skyscannerは、複数航空会社を、一括で検索できる、使い勝手バツグンのシステム。
インターネット版(Internet Explorer, Safariなどのブラウザで動作)、アプリ版の二つがある。インターネット版は、以下のような操作画面である。

Skyscanner 画面
インターネット版でもアプリ版でも良いが、細かい機能が充実していて、使いやすいのは、圧倒的にアプリ版。面倒くさがらず、スマホに入れておこう。
一社一社、個別に航空券を調べていくのは、時間と労力の無駄。
このアプリを使うと、何百社という世界中の航空会社のフライトチケットを、一括で串刺し検索できてしまう。
もはや、使わない手はない。
近距離の航空券はどう取る?
まずは、韓国、台湾など、片道三時間前後の近距離フライトの場合を考えよう。

夕暮れの台北
基本的には、直行便しか選択肢はない近距離フライト。
ついつい、往復とも同じ航空会社のチケットを、同時に購入してしまいがちだが、ここが落とし穴。就航本数の豊富な近距離フライトだからこそ、うんと、工夫の余地がある。
- 往路と復路で、異なる航空会社を組み合わせると安くなるケースもあり。盲点になりがちだけれど、往路と復路で同じ航空会社にしないといけないルールなんて、どこにもない
- 往路は三ヶ月前、復路は二ヶ月前など、購入時期をバラバラにした方が安いケースもあり。往路はA社、復路はB社といった風に、複数航空会社を組み合わせるケースも視野に入れると、バーゲン時期は、たいていバラバラになる。ただし、出発時期に近づくほど、航空券の値段は上昇する傾向があるので、タイミングを逃さないようにしたい
- バーゲンでは、片道分しか格安航空券が見つからない場合が多い。片道分だけでもよいから即座にポチるべき。「安い!」とビックリするような航空券は、たいてい片道しか安くないし、在庫そのものが少ないので、すぐに売り切れてしまう。時期をずらし、別の航空会社がバーゲンをやることも結構あるので、片道だけでも「買い」だと思ったら、即決しよう
この「往復べつべつ」、「片道だけ」という考え方は大切である。
航空券の値段を「往復」セットで調べると、「往路」と「復路」の合計金額で表示されるため、超お得なチケットを見逃してしまう可能性もある。
たとえば、往復四万円のチケットでも、内訳を見れば、「往路」は三千円、というケースもあり得るのだ。こういう場合、もちろん、安い「往路」だけを買い求め、「復路」は別の手段を見つけられる賢者でありたい。
Skyscannerで検索をするときは、「往復」だけではなく、「片道」でも検索する癖をつけよう。
また、どうしても格安航空券が片道しか見つからなかった場合は、のこり片道の航空券は、クレジットカード利用で貯めたマイルをつかって、レガシーキャリアに搭乗するというパターンも視野に入れよう。
遠距離の航空券はどう取る?
次に考えるのは、遠距離フライトの航空券。

遠距離フライトには、空港での乗り継ぎ時間がつきもの
原則として、直行便は高嶺の花。かと言って、経由便は、乗り継ぎ時間が、けっこう無駄。そこでオススメなのは、あえて最初から「複数国訪問」を意図した旅プランにしてみること。
滞在日数とのバランスも必要だが、一つの旅で、二度、三度、オイシクなる。たとえば、関空からシンガポールの直行便が高くても…
- 関空 → 台北 → シンガポール → マニラ → 関空
- 関空 → シンガポール → クアラルンプール → 関空
このように工夫すれば、直行便の航空券の半額程度で航空券が買え、かつ、一度の旅行で、複数の楽しみを作れるプランの仕上がりである。
外国の休日にも注目
連休明けの航空券がたいてい安くなるのは、日本でも、外国でも、同じこと。

海外の祝日カレンダーにも注目しよう
これを利用すると、「休日あけ」に当たるような国が見つかれば、(その国の航空会社の)航空券が割安になってるケースもある。外国の休日カレンダーは、ググればすぐに見つかる。
あえて狙う、非ベストシーズン
雨季や、冬にあたるシーズンは航空券が安い。以下のようなケースもあるので、非ベストシーズンって、実は、それほど悪い選択肢でもなかったりする。

雨が降っても楽しめる旅はたくさんある
- 食べ歩き、美術館などが目的で、多少なら雨が降っても行程に差し支えないケース
- 雨降りがスコール的であり、ごく短時間で止んでくれる国のケース
- 砂埃の激しい発展途上国は、雨季の方が空気がクリーンで快適
もちろん、まちあるきを存分に楽しみたいとか、青空の写真を撮りたいとか、ゆずれない目的がある場合には、晴れが期待できるシーズンを選ぼう。
たとえば、イタリアだと、日照時間の長い夏季を選ぶと、夜八時ごろまでは外が明るく、観光を長時間、楽しむことができる。日照時間も、旅の準備段階で配慮したいところ。
時事問題にアンテナを張る
たとえば、「慰安婦」問題で国民感情が悪化した結果、ソウル行きの航空券は、ここ最近、かなり安く買い叩ける。

時事問題には注目しておこう
ソウルの空港から一歩も外に出ず、あくまでソウルを「数時間の踏み台」の経由地にするようなチケットの買い方をすると、驚くほど安く買えるケースもある。このように、時事問題によっても、航空券の値段は影響される。
とりあえず、反日ネタの時事問題は、一番わかりやすい。
この他には、大きな天災のあった国への航空券が値下がりするケースもある。あくまでも現地の安全状況を確認したうえでのことだが、そこを「経由地」として使うだけなら、心配いらないことも多い。
日ごろからニュースへはアンテナを張っておき、航空券の価格の動向も、こまめにチェックするクセをつけたい。
トータルに安くなってナンボのもの
安さを求めるばかり、結果として、損をしないようにしよう。

深夜は、空港からの移動手段がタクシーしかない場合も
安い航空券で注意しないといけないのは、到着時刻が深夜になり、空港からの移動手段がタクシー(しかも深夜料金)しか残されていない可能性があること。
タクシー代金とトータルすれば、得したつもりで損する羽目にもなりかねない。
深夜便を選ぶときは、公共交通機関の終電時刻との比較や、タクシーの相場を事前にググって情報入手し、本当に得できるのか、見定めること。
「相場感覚」を大切に
なんでもかんでも高いと否定的にジャッジしていたら、結局、連休期間中、どこへも行けなくなってしまう。
いくら、連休期間中のチケットを安く買う技術が存在するからといっても、平日期間のチケットより安くなることは絶対ない。
いま自分が見ている値段が高いか、安いかを見極める指標の一つは、「連休後のチケット値段」や「平日期間のチケット値段」など、常識的に考えてチケットが一番安くなる条件が揃ったときの価格と比較してみれば良い。
どこまで妥協可能か「三割増し以内なら我慢できる」など、マイ基準を作れば良い。

最終的には、自分が妥協できる「マイ相場感」での判断を
以上、かけあしで節約テクニックを紹介してみた。
すこしでも参考になることがあれば幸いである。
(終わり)