目次
- 1 台中駅かいわい|自然と都会が見事に融和した台中の街を、ぶらり散策
- 2 台中公園|朝晩で異なった表情を見せる、市民憩いの場
- 3 台中市第二市場|百年の歴史を誇る、隠れたグルメの楽園
- 4 宮原眼科|ここは病院ではない、スイーツ店
- 5 一中街夜市|縦にも横にも広々としている、若者で賑わう夜市
- 6 チャンス・ホテル(CHANCE HOTEL)|遠征試合の高校生たちと相部屋になって修学旅行気分!?
- 7 謝氏早點 豆花專賣店|一日をスタートする最高の方法は、最高の朝食から
- 8 在台ベトナム料理店|出稼ぎベトナム人労働者にとっての「ふるさとの味」
- 9 台中バス停|カオスなバス停探しの後、バス乗車を断念
- 10 台中駅|新旧設備のミックス具合に、台湾らしさを感じて萌える
台中駅かいわい|自然と都会が見事に融和した台中の街を、ぶらり散策
数年ぶりとなる、台中訪問。
バスターミナルがリニューアルされていた。

台北からの直行バスで、台中へやって来た
台中駅から、フラッと街歩きをしてみる。

台中の記憶が、自分が予想していたよりも、ずっと簡単に、失われてしまっていた。
初めてかリピートか、自分でも区別がつかない不思議な感覚がして、街歩きの楽しさ五割増し。

台中の街歩きを開始。とてつもなくデカい「刀」の看板がド迫力

気のせいか、台北よりも車の交通量が少なく、落ち着いた雰囲気がする台中

昭和を思い出すような、懐かしい雰囲気の個人商店が、あちこちにあるのも、台中の素晴らしいところ
首都・台北とくらべたら、ここ台中は、車の交通量が少なく、人々の歩く早さも、気のせいか、ゆったりしているように思える。
一方、ごみ収集車のメロディが『乙女の祈り』であったり、漢字の看板が、重なり合うようで重なり合わない「整然としたカオスさ」がある点は、台湾全土で共通ルールだ。

『乙女の祈り』メロディが、ごみ収集車が来たことを知らせるというルールは、台北と一緒だ

重なりそうで、なかなか重なり合わない「整然としたカオス」の看板たち
街全体が自然と融和した台中には、大きな公園があったり、小川が流れたりしている。
台中の市街地を流れる小川は、夜になるとライトアップされ、「インスタ映え」を狙う地元っ子で大賑わい。

夜になるとライトアップされる小川
台湾の街歩きの楽しさは、子ども時代に誰しも感じていた、「夏祭り」に心躍るような高揚感が得られることにあると思う。
台中第一廣場にある「財福殿」は、夜になると、提灯が明々と輝いており、まるで夜祭りに来た気分にさせてくれる。

台中第一廣場にある「財福殿」
台中公園|朝晩で異なった表情を見せる、市民憩いの場
台中駅から歩いて十分ほどの距離にある、台中公園。
もともとは何もない雑木林だった一帯が、日本統治時代、公園として整備された経緯を持つという。
昼と夜、二回訪問してみたが、それぞれ異なった表情に出会うことができた。
日中は、公園の風景がクッキリ見える分、(人間も含めた)動物観察が楽しい。

さんぽ中のワンコ

野生のリスもいる

公園内を素早くかけまわるリス

台中公園の真ん中には、湖が広がる

湖畔には、スケッチを楽しむ人の姿も…

湖に建てられた「湖心亭」。このアングルからスケッチしている人が多かった

「湖心亭」を別アングルから
一方、夜になると、公園はイルミネーションが美しい。
時間があれば、ぜひ訪れてみることをおすすめしたい。

イルミネーションの施された橋も

「イルミネーション橋」を渡ることもできる

夜の「湖心亭」

「湖心亭」内の渡り廊下
台中公園の敷地内には、教会もある。
昼来たときには気づかなかった。

台中公園内にあるチャーチ「恩恩堂」

足を踏み入れてみると、中国語でキリスト教の教えが説かれている最中だった
扉が開いて、明かりが漏れていたので、中をのぞいてみる。
キリスト教の教えが、中国語で説かれている最中であった。
実にグローバル。
台中市第二市場|百年の歴史を誇る、隠れたグルメの楽園
台中公園から歩いて五分ほどで見えてくる、古ぼけた商業施設こそ「台中市第二市場」だ。
この市場は、飲食店の充実ぶりが特徴でもあり、市場そのものがちょっとした「有名グルメ街」であるとも言える。

この、カラフルな看板をまとった古い商業施設が、「台中市第二市場」
市場の壁や天井には、さりげなく「アート」。
絵心たっぷりだが、洗練されたというカンジではなく、子どもが「図画工作」の授業で描いたようなコテコテ感たっぷり。

天井にはイラストが描かれている
おそらく、ここのアートは、市場で働く人たちの「似顔絵」である。
このにいちゃんは、意麺の店員さんがモデルになっていると思う。
そっくりなので、すぐに判った。

市場の壁に描かれたイラスト。背景は、台中駅だ
どのイラストが、どの店の人の似顔絵なのか。
よく観察しながら市場内を探検するのも、楽しみ方の一つだ。

市場の壁に描かれたイラスト。米粒が一つひとつ描かれている
あいにく、今回は、旅のスケジュール設計上、市場へ着いたのが夕方四時になってしまった。
本当は、朝一番に来れたらベストで、まだ営業中の店も多く、活気に満ち溢れていただろう。

朝市と夜市が盛んであることへの反動か、台湾は、ランチ後から夕方にかけての時間帯が、街ごとごっそり「休憩時間」に入ってしまう。
自助餐はストック切れを起こして閉店してしまうし、人気のある店も、夜に備えて、いったんサービス提供を中断してしまう。
昼過ぎから、夕方になるまでの時間帯が、グルメ天国・台湾の「食難アワー」と言ってもよかろう。

まだ営業していた店のひとつ「三代福州意麵老店」
願掛けしたのが良かったのか、数軒、まだ営業している飲食店があった。嬉しい。

まずは「三代福州意麵老店」へ。

「三代福州意麵老店」

この麺を見ただけで、「ここで食べないと」と心をわしづかみにされた
周囲のテーブルを見渡すと、「福州乾意麺」と「綜合丸子湯」をセットで注文しているお客さんが多い。
このセットが「鉄板」だと瞬時に判断し、指差しオーダー。

平べったい縮れ麺がチャームポイントの、「福州乾意麺」をオーダー

つみれスープ「綜合丸子湯」もオーダー
二品セットで七十五元(約二百七十円)という、超バリュー価格。
意麺を運んできたおばさん、スープに指が浸かっていらっしゃる。
ややギョッとするアジ吉の様子を気に留めることもなく、満面の笑顔で「バッチグー」のポーズ。

日本語の単語を並べて話しかけてくれようとする。
この意麺、台南発祥の料理とされるが、実は、カップヌードルの先祖といえる料理でもある。

よく見ると、カップヌードルの麺と似ている気もする。それは、この意麺が、カップヌードルの先祖だから
台南出身で、日本に帰化した安福が、この意麺をヒントにカップヌードルを生み出したのは、有名な話。
言われないと気づかないレベルだが、平べったい縮れ麺、見れば見るほど、カップヌードルの麺と似ている気もしてくる。
意麺とスープを交互に味わうことで、美味しさが増幅されて、大満足。

団子の中には、肉汁といっしょに、ミンチ肉が封じ込められている

会計の時も、日本語で話しかけてきてくれた、フレンドリーなおばさんに見送られて、店を後にする。
店名 | 三代福州意麵老店 |
住所 | 台中市中區三民路二段1之7号(第二市場内) |
営業時間 | 8:00~18:30 |
次の店を探すが、夕方ということもあり、迷うほど多くの店が開いているわけでもない。
次に人だかりの多かった「王記菜頭粿糯米腸」へ。

「第二市場」の入り口付近で営業する、朝食屋「王記菜頭粿糯米腸」
BRUTUSの台湾特集によると、ここは、朝食店だという。
朝食店が、なぜ夕方になっても営業しているのかは謎だが、市場の正面玄関付近という立地条件にも恵まれているためか、客足が途絶えることはない。
「朝食後も客が来るから、店、開けっぱなしにしとくわ」という、オーナーの大らかさが見え隠れしてそうである。

名物の「朝食」メニュー
大根餅、腸にもち米を詰め込んだソーセージ、それに目玉焼きを乗せた、けっこう豪快なフード。
このソーセージ、カリッとした表面で、中は芋っぽい。不思議な食感。
店名 | 王記菜頭粿糯米腸 |
住所 | 台中市中區三民路二段87号(第二市場内) |
営業時間 | 6:30~18:00 |
腹八分目ていどの満腹となり、腹をさすりながら市場を出ると、小雨が降ってきた。
もう少し食べ歩きたいところであったが、夜市に何かあるかもしれないという気がして、若干の胃スペースを空けてある戦略だ。
宮原眼科|ここは病院ではない、スイーツ店
もともと眼科だった建物を改造してできたスイーツ店「宮原眼科」は、観光化され過ぎていて、興ざめ。
ただ、台中へ複数回訪問しておいて、一度も行ったことないまま終わるのも寂しい気がして、お土産話のため、入店してみる。

台中観光の一大名所となった「宮原眼科」

「宮原眼科」玄関。ちゃんとドアマンがいて、ドアを開閉してくれる
まるでテーマパークのアトラクションばりに、作り込んだインテリア。
もはや、この建物が、もともと眼科だったというヒントは、ほとんど残されていないように思う。

もはやどこの部分が眼科の建物だったのか、さっぱり分からないほどリノベートされている

店内は、とってもオシャレ
店頭にて販売されるスイーツも、「台湾っぽさ」が感じられないほど、小綺麗に、洗練され過ぎている。
日本でも食べれそうで、わざわざ台湾に来てまで、長蛇の列に加わってオーダーする気になれなかった。
ただ、こういうのが好きな人は、是非ともトライすれば良いと思う。

自分は注文しないので、写真に収めて、食べた気分を味わう
一品をゲットしたばかりのおねーさんが店から出てきたので、パチリと一枚、撮影させてもらうにとどめる。
食べなくとも、アジ吉としては、これで十分満足である。
店名 | 宮原眼科 |
住所 | 台中市中区中山路20号 |
営業時間 | 10:00~22:00 |
一中街夜市|縦にも横にも広々としている、若者で賑わう夜市
一日の最後に、「食べ物」目当てでやって来た、「一中街夜市」。
いざ訪問したものの、さほど魅力を感じるフードが見つからない。
少しガッカリしながらも、早々とフード探しには見切りをつけ、夜市歩きそのものを楽しむこととする。

「一中街夜市」へ到着

二十代の若者が多い
学生街ということもあり、二十代前半の若者が非常に多い。
あとは、徒歩でやってきた、近所の家族づれ。

衣服関連のショップも、あきれかえるほど多数、出店している

路地裏にいけば、ちょっとオシャレなカフェ、スイーツ店もある
フードでは期待はずれの結果となったが、この夜市、けっこう広い。
細く長く続くというイメージではなく、縦にも横にも広がっており、ちょっと路地に寄り道すると、そこには、また新しい「屋台街」が見つかる感じだ。
買いたいものが見つからなくとも、決して退屈することはなく、結局、二時間くらいウロウロしていた。

ジュースを調達

ゲットしたのは、「西瓜汁」、スイカジュース
食べ物は、あまり魅力を感じるラインナップではなかったので、スイカジュースを買って、一気に飲み干す。
台湾の夜市では、ビールでなく、ジュースが欲しくなる。

奥に見えるのは、「一心市場」
縦に、横に、かなり広い夜市なので、街歩きが好きな人には、満足できるエリアではないだろうか。
チャンス・ホテル(CHANCE HOTEL)|遠征試合の高校生たちと相部屋になって修学旅行気分!?
前回の台湾旅行では、ちょっと北投(ベイトウ)で奮発しすぎたこともあり、今回の台湾旅行は、節約モード。
今夜は、一泊1,300円のドミトリだ。

CHANCE HOTELは駅近、清潔、快適と三拍子そろって、格安ドミトリを利用できる

ロビー。とてもここが、格安ドミトリの受付だなんて、思えないほど高級感ただよう空間
ホテルでは、四人の相部屋。
台湾人の間でも、格安ホテルとして有名なのだろうか、大勢の学生が館内で談笑している。
アジ吉の部屋には、部活の遠征試合で、台東からやってきた高校生三人が「先客」としてチェックインしていた。
アジ吉は「四番ベッド」のはずが、すでに占領されている。

相部屋だったが、自分の「四番ベッド」が、すでに占領されていた
どうやら、皆、この部屋を使うのは自分たちだけと思っていたようで、好きなベッドを使っているらしかった。
少しアタフタする彼らを尻目に、アジ吉は、ひとつ空いていた「三番ベッド」に荷物を置き、横になった。

タオルを借りようとしたら、使い捨ての紙タオルを十元か二十元で購入する仕組みだった

USB挿入口もついているコンセント。非常に便利

我が高校時代を思い出すと、合宿や修学旅行では、枕投げで大ハッスルした記憶がある。
そんな自分が大人になった今、とても人のことは言えず、今夜、彼らが大ハッスルしても、多少は目をつぶろうと、半ば腹をくくっていた。

枕は、ロッカーからセルフサービスで取り出して使う。自分が高校時代だったら、ぜったい投げていたなぁ
ところが、いざフタを開けてみると、日本の子どもに見習わせたいほど、良い子たちだった。
会話するのにも気を使うようで、ドアから出て、廊下に出てヒソヒソ声で話し、会話が終わったら、部屋に戻ってくる。
部屋で誰かが話しても、気を使って、シーッと自制する控えめさがあった。
うち、一人がスマフォを差し出して来た。
「あなたは日本人ですか」
「台湾へようこそ」
「台東から来ました」
「英語が話せずすみません」
スマホの翻訳機能に頼って、しばし、コミュニケーション。
アジ吉の中国語も、ちょっと通じたのでよかった。
九時五十分には部屋が消灯。高校生だもんな。酒も飲まないし。
いつの間にか、高校生の就寝時刻に合わせて、深い深い眠りについてしまった。
ホテル名 | チャンス・ホテル(CHANCE HOTEL) |
住所 | 台中建国路163号 |
謝氏早點 豆花專賣店|一日をスタートする最高の方法は、最高の朝食から
朝目覚めると、すでに高校生たちの姿はなかった。
まだ午前八時くらいなのに、なんて早起きなのだろうかと驚きつつ、チェックアウト。

「謝氏早點 豆花專賣店」で朝食

店の壁には、有名人も訪問したことを紹介する切り抜きが展示されている
ホテル周辺を散策していたら、ちょうど良いタイミングで、朝食屋が見つかった。
看板には「謝氏早點 豆花專賣店」とあり、店の中も、けっこう賑わっており、ここで食べることにした。

店内は、ほぼ満席の状態。これは、かなり期待できる
周囲のテーブルを見渡して、自分が食べたいと思うものを食べている人を見つけ出す。
ちょっと失礼かもしれないが、それを指差して、店の人に「あれを」持ってきてくれとお願いした。

朝食がテーブルに届くのを待っている時間そのものが楽しい

料理が届くまでの手持ち無沙汰の時間、つい、卓上のカラフルなストローに目が向いてしまう
無事オーダーを完了させて、自分の朝食がテーブルに届くまで待つ時間は楽しい。
オーダーした料理は、果たして、イメージ通りの味だろうか。イメージ通りでなかったら、どういう驚きを与えてくれるのだろうか。
いま、キッチンで調理されているのは、自分のやつだろうか。それとも、別の客の分だろうか。
考えるだけでも、想像がいろいろ広まって、わくわくする。

火腿蛋餅(ハムを挟んだダンピン)
まずは「火腿蛋餅(ハムを挟んだダンピン)」をいただく。
卵をクレープのように円盤状に焼いて、そこへハムを入れて折りたたんだもの。

おはしでサクサク切れるほど、柔らかいハム
おはしでサクサク切れるほど、ハムも柔らかい。
口の中に含めると、ニンニクの香ばしい香りが広まる。

蘿蔔糕(ローボーガオ)。日本人観光客の間では「大根餅」という呼び名が定着している
大根餅は、特別トガった個性はないものの、安定の美味しさ。
台湾の店にしては珍しく、店内の冷蔵庫にビールが置いてあったので、即ゲット。

台湾旅行中は、朝昼晩、時間帯とわず、飲んだくれているアジ吉
ビールが、一缶たった二百円未満で買えてしまう「ワンダーランド」、それが台湾。
もったいないのは、台湾の人々は、あまりビールを飲む習慣がなく、せっかく安く楽しめるビールも、(台湾の人々には)あまりメリットになっていない点。

同じテーブルに相席した人が注文していた「豆花」が美味しそうだった。次回は是非……
今回はオーダーしなかったものの、相席した人が頼んでいた「豆花」が気になった。
店名にもなっているくらいなので、きっと、この店のスペシャリティなのだろう。
次回、台中訪問する際には、是非トライしてみよう。
店名 | 謝氏早點 豆花專賣店 |
住所 | 台中市中區繼光街136号 |
営業時間 | 05:00~12:00 |
在台ベトナム料理店|出稼ぎベトナム人労働者にとっての「ふるさとの味」
朝食後、街歩きを再開。
いつ台中へ来ても感心するが、本当にベトナム料理店が多い。
ベトナムからの出稼ぎ労働者が多いことも、無関係ではないだろう。

台中のベトナム料理店(1)

台中のベトナム料理店(2)

台中のベトナム料理店(3)
ベトナム料理も大好きなアジ吉だが、わざわざ台湾へやって来てまで、ベトナム料理を食べたいと思わない。
大好きなベトナム料理だからこそ、本場ベトナムで、自分のこだわりから選んだ店で食べたい。
だから、台中では一度もベトナム料理店を試したことはないし、今後もトライすることはないだろう。
台中バス停|カオスなバス停探しの後、バス乗車を断念
今日は、これから「彰化」へ移動したい。

そう高をくくってバス停までやってきたが、思っていた以上に、バス探しは難航。
台中は、バス停が目的地によって、こまかく複数箇所に分かれている。
自分が乗りたいバスが出発するバス停を見つけること自体、外国人観光客には、なかなか判断が難しいのだ。

行き先によって、バス停があちこちに分かれている
また、台中駅が工事中というシチュエーションも、バス停探しをいっそう困難にしていた。
仮設通路があちこちに出没し、Google MAPで表示される以上に、道が複雑になっていたからである。

ようやく「彰化」行きのバス乗り場を見つけたと思ったが……
地元の人へ何度も質問を繰り返し、ようやく、「彰化」行きのバス乗り場へ到着。

ようやく、ホッと一息つけると思ったのだが……

「彰化」に到着するまで、途中、何十駅も停車することを知って、気分がだだサガり
どうやら、「彰化」に着くまで、途中停車駅が何十個もある。
バスで行くのは、得策ではないと判断。
バスでダメなら、電車ならどうだろうかと発想を切り替え、電車の駅へ向かうことに決めたのであった。
台中駅|新旧設備のミックス具合に、台湾らしさを感じて萌える
台中駅へやって来た。
よく知られた旧駅舎は、日本統治時代の1917年に建てられたもの。

旧駅舎は、日本統治時代の1917年築
すでに現役を引退し、駅としての機能は新駅舎へバトンタッチしてしまったが、建物は観光スポットとして保存されるのだとか。
日本統治時代の建物を、ここまで大切にしてくれる台湾の人々を、日本人はもっと尊敬するべきだと思う。

新駅舎へは、仮設通路で。すべての工事が完了するまでには、あともう少しかかりそうだ
電車駅に貼られていた時刻表をチェック。
電車でも「彰化」に行けることが判明。
乗り換えなし、三十分の移動というので、「ちょっと便利な通勤電車」といった感覚だろう。

台中(09:11)から彰化(09:41)へは、三十分の鉄道旅行だ
朝「彰化に行こう」と思ってから、ここに至るまでの紆余曲折に、一時間を要した。
ガイドブックを持たず、野良Wi-Fiに頼りながら旅を続けていると、簡単なことでも苦労をする。
券売機は、旧駅舎からそのまま持ってきたのだろうか。
新駅舎には、ちょっと場違いなレトロさも感じる、古風な機械だ。

昭和時代を思い出すような、レトロな雰囲気の券売機
券売機のボタンには、TAU NHANHといったシールが貼られてある。
台中には、出稼ぎのベトナム人も多い。
このベトナム語表記のシールも、券売機の操作に不案内なベトナム人のため、駅員が貼ったのだろうことは、容易に想像がつく。

「彰化」ボタン。タッチパネルよりは、こっちのほうが「買った」という実感が持てる
オレンジ色の光を放つ「彰化」のボタン。
タッチパネル式のボタンが当たり前になった現代では、新鮮味すら感じる、ゴツゴツした出っ張り。
「押しごたえ」たっぷりの深さがあるボタンをプッシュすると、ガチャッという音がし、恍惚としてしまう。

プラットフォームへの階段からは、一気にモダンな雰囲気に変わる
券売機は旧式だったのに、プラットフォームは最新式。
このアンバランスさが台湾らしくて、良い。

だだっ広いプラットフォームを隅々まで監視する駅スタッフ

乗り降りする人々。プラットフォームは最新でも、電車は旧式だ

乗客の乗り降りが完了。出発する電車を見送る駅スタッフ

フィリピン人集団の姿も。出稼ぎ労働者だろうか

新築のプラットフォームは、裸足で歩いても足が汚れないほど、清潔感たっぷり

これから乗る電車がホームへ入ってくる
一泊二日、あっという間の台中滞在ではあったが、大満足ステイ。
さて、これから「彰化」へ向かい、そこで新たな旅がスタートする。
旅の中で旅が始まり、まるで、水面を広まる波紋のように、伝播していく。