関空からは、タイやマレーシアへのLCC直行便が運行する中、ベトナムへは第三国(台湾・韓国・マレーシア・タイなど)を経由するしかない状態が続いていた。
2018年11月8日、ベトナム愛好家には「福音」だが、ベトジェット(Vietjet)が関空〜ハノイの直行便を就航したのだ。

ベトジェット(Vietjet)
これから、ますますハノイを訪問する旅行者が増えると思うし、ハノイが好きになって、二度、三度と【リピート訪問】する人も増えて行くことも考えられる。
ところで、ハノイで【観光スポット】とされるエリアは意外とせまい。
このエリアを巡り終えたら、サパやハロン湾といった近郊ツアーへ出かけるというのが、ハノイ観光の「テッパン」となっている。

こういう問いかけが、本記事執筆の動機となっている。
具体的には、ハノイ市内の「ハイバーチュン区」にスポットライトを当てたい。
まだ観光客が訪問することは少ない、このエリアに潜む、グルメをはじめ、街の魅力について情報発信しようと思う。
目次
- 1 ハイバーチュン区の街並み
- 2 ハイバーチュン区のグルメ
- 3 まとめ:次回のハノイ旅行で、ぜひ旅程に仕込んでみたいエリア
- 4 (付録)こちらもオススメ
- 4.0.0.1 【普通のハノイ観光】に飽きた方へおすすめ。「まだあった、ハノイ市内の穴場スポット」ハイバーチュン区
- 4.0.0.2 ハノイから日帰り観光可能な、絶好の写真スポット。一日で二つの老街「Cu Da」と「Uoc Le」をめぐり、歴史と人情に触れる旅
- 4.0.0.3 ハノイの近場かつ穴場スポット。ベトナム激安タクシーで日帰り郊外旅行。コーロア(Co Loa)集落で、2,300年前の歴史に想いを馳せる、そぞろ歩き
- 4.0.0.4 【ハノイから日帰り可能、おすすめ穴場観光スポット】古き良き「ベトナムの原風景」を求め、フォトジェニックなドゥオンラム村(Duong Lam Ancient Village)を訪問する旅
- 4.0.0.5 【ハノイの穴場観光スポット】ハノイ市街地から日帰り、1,000円(交通費、入場料コミコミ)で遊びに行ける『ベトナム民族文化観光村』
ハイバーチュン区の街並み
ハイバーチュン区は、ベトナムの「フツーの街」といった体の、素朴なエリア。
しつこい「客引き」にあうことはないし、地元民にも、ガツガツしたところはなく、ハノイ本来のゆったりとした空気が流れている。

下町の雰囲気
旧市街地は、観光客が集中してしまって、せせこましい雰囲気になってしまっているが、ここハイバーチュン区では、下町のゆったりとした雰囲気が流れている。
「cho hom(ホム市場)」
観光客のことなど、まったくお構いなしの品揃え(ほとんどが日常生活品)。
「ド」のつくローカル市場が、この「ホム市場」である。

市場の入口

地元民向けの品揃え

けっこう高い屋根
【18時まで営業】ということになっているが、訪問する時間帯が遅くなってしまった場合、開いている店の数も減ってしまう。
正午ごろがベストで、遅くなったとしても午後三時までに行くのが良いだろう。

山のようにある布の模様を見るだけでも、楽しめる
なお、布を扱う専門店があるため、ここで購入した生地を仕立て屋に持ち込んで、「オーダーメイド」の服を作るというアイデアもありだ。
山積みされた布の在庫も、「同じ色はどれ一つとして存在しないのでは」と思うほどバラエティに富んでいて、たとえ布を買うことはなくとも、見応えは十分。

井戸端会議を楽しむ布屋のおばちゃんズ
布を扱う店ばかりがこれだけ密集していて、本当にビジネスになるかどうかは分からないが、ベトナムで同系列のショップが集まるのは、よくあること。
布の他には、南国ならではの、色とりどりなフルーツ・野菜を眺めるのが楽しい。

市場内の様子

とてもカラフル
何かを買う予定がなくとも、十分、目を楽しませる要素はあるし、ハノイの魅力が味わえるスポットであると思う。
「Nha tho Ham Long(カトリック教会)」
仏教国のベトナムでありながら、ハイバーチュン区には、賛美歌の流れる一帯がある。
歌の聞こえて来る方向へ足を運ぶと、けっこう大きな教会。

カトリック教会

教会の外観

教会の内観
カトリック教会のようで、空席も見られないほどの密集度で、信者が祈っているところだった。
東南アジアの教会にしては、珍しく、冷房空調が完備されており、教会内は涼しい。
しばし、地元民に混じり、教会の厳かな雰囲気に身を委ねてみるのも良い。
異国情緒ある建物
ハイバーチュン区を夜に訪れる者への、ちょっとした「特権」がある。
エキゾチックなデザインの建物が、それぞれの個性を反映させた「カラー」でライトアップされた光景が待ち受けている。

ピンク系にライトアップされた建物
ピンク系あり……
イエロー系あり……

イエロー系にライトアップされた建物
東洋のものとも、西洋のものとも判別しがたい「ベトナムらしさ」が堪能できるエリアである。
ハイバーチュン区のグルメ
「街並み」を楽しんだ後は、ハイバーチュン区のグルメを満喫したい。
有名店、地元っ子向けの店を、一軒ずつご紹介する。
「Quan Com Pho(クァンコムフォー)」
ハイバーチュン区へ来たら、この「一軒」は欠かせない。
実は、ハノイでもけっこう有名で、日本人観光客が大勢訪れるレストランなのだ(このレストランで食べたら、ハイバーチュン区のことは素通りして、ホテルへ帰るというパターンが多いようだが……)。

入口
入店すると、「親日国」ベトナムでも、superがつく親日派のスタッフが出迎えてくれる。
ハノイビールを注文したいところだったが、在庫がなく、サイゴン・スペシャルを注文。

サイゴン・スペシャル
歩き疲れた体をイスにゆだね、ビールを開栓。
ベトナム食べ歩きの「醍醐味」ともいえる瞬間だと思う。
テキトーに注文した料理が、手際良く、スピーディに提供されていく。

テーブルが料理でうまっていく……
接客の「スマートさ」も、このレストランが気持ちよいところであり、日本人観光客への訴求ポイントでもあると思う。
なぜか、ご飯には、大きな「竹串」が乗っかっている。

「竹串」が乗っかった釜

「おこげ」たっぷり
お釜からご飯をよそって納得 ———「おこげ」がたっぷりあるので、ご飯を釜から分離させるために【太い棒】が必要なのだ。
茄子を切り開いて、ミンチ肉をまぶした一品料理。

茄子の一品料理
ビールのつまみにピッタリ。
「揚げ物」かと思って注文した一品料理、中身は、豆腐。

揚げ物?

中身は豆腐
ヘルシーな料理メニューが充実しているのも、ベトナム料理というジャンルの持つ魅力。
スープは、トマトとニンニクの味つけ。

スープ
茶碗によそった白飯にかけると、お茶漬けならぬ「スープ漬け」へと変身。
日本のレストランでやったら「下品」だと見られかねない食べ方だが、「スープ漬け」は、ベトナム社会では、ごく一般的。

抜群のコスパ
これだけ飲み食いして、お会計は177,000ドン(約870円)という、抜群のコスパ。
ベトナムでは、店側が「計算ミス」しているケースも少なくないが、この会計はバッチリあっていた。
店名 | Quan Com Pho |
住所 | 29 Lê Văn Hưu, Ngô Thì Nhậm, Hai Bà Trưng, Hà Nội |
営業時間 | 10:30-14:00、16:30-21:00 |
電話番号 | 04-3943-2356 |
「Banh Duc Nong(バン・ドゥック・ヌゥオン)」
ハイバーチュン区へ来たからには、見逃さないようにしたい「隠れた名店」が、こちら。
【地元っ子で、知らない人はいない】という有名店であるが、観光客の間では、知名度はまだまだ低い。

たしかに「Banh Duc」の文字があるけれど……
知名度の低さは、その立地条件とも無関係ではなく、「まさかここに?」という狭い路地を突き進んだところにある。
ハイバーチュン区の月明かり、夜のネオンをすべて吸収してしまいそうなほど、深い暗闇の広がる路地。

ビックリするくらい狭い路地

お店と「ご対面」
写真からだと、さほど暗くないように見えているが、それはPhotoshopで調整を加えた為であり、肉眼では【視界・数メートル】というレベル。
このような立地条件にも関わらず、お店は大繁盛。

本店

分店
「本店」だけでは客席数が不足したらしく、そこから徒歩十メートルくらいの場所に、少し新しい「分店」も営業。
店員さんが、めちゃくちゃ親切。

親切だった店員さん
夜といえど南国の蒸し暑さが「眠る」ことはなく、ダラダラ大汗をかいていたら、扇風機をつけて、こちらに風が来るよう、設置してくれた。
こちらが、看板メニュー「Banh Duc Nong」。

店名にもなっている「Banh Duc Nong」
看板メニューの料理名が、そのまま店名になっているようだ。
まるで「明石焼」を思わせるような、塩味の効いた、おいしい出汁。
そこへ、時間が経っても固まることのない、【不思議なお餅】が入れられており、まさに「スーパー柔らかお雑煮」といった料理。
店名 | Banh Duc Nong |
住所 | 8B Lê Ngọc Hân, Quận Hai Bà Trưng, Hà Nội |
営業時間 | 08:00-21:00 |
まとめ:次回のハノイ旅行で、ぜひ旅程に仕込んでみたいエリア
ハノイ観光の予定があるなら、是非このハイバーチュン区を訪問することをオススメしたい。
午後三時くらいに訪問するという、ゆっくり目のスケジュールでも十分に楽しめるので、旅程に仕込んでみてはいかがだろうか。
なお、ハノイ観光エリアの中心にある「ホアンキエム湖」からだと、タクシーで十分もかからない近場なので、気軽に立ち寄れるエリアと言えるだろう。
(付録)こちらもオススメ
ハノイから日帰り可能な、【隠れ家的】観光スポットに興味がある方は、以下も楽しんでいただけるかと思う。
時間に余裕があれば、ぜひ、旅行プランへ組み入れることを検討しては、いかがだろうか。
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