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ホーチミンの現地っ子も知らなかった、無名公園、ビンクォイ・ツーリスト・ビレッジ(Bình Quới Tourist Village)

ベトナム人の友人と SMS




今回、訪問ターゲットとしたのは、ベトナム人の友人(ホーチミン在住)ですら知らなかった、ホーチミン市内の無名公園。
アジ吉が、そういった無名スポットばかりを目指すようになった最大の理由は、観光ガイドブックのコンテンツはシラミ潰しに踏破したせいで、普通の方法では、旅が楽しめなくなったことである。
おもしろいかどうかも分からない「観光地」のために、一日を費やす。
フツーの旅人なら「もったいない」と感じるような時間の使い方。
もしも期待ハズれなスポットだったら、多少はガッカリするが、ミステリーツアーのように、出発前に味わえる「わくわく感」は、やっぱり、他のなにものにも変えがたい。
フォーをすすっていると、友人がバイクで登場

路上レストランで、ブランチに「フォー」
友人との待ち合わせ時間は、昼の一時。
正午ぎりぎりまで布団の中でゴロゴロすごした後、ホステルの近くにある路上レストランで、朝食と昼食をかねた「フォー」をすする。
ちょうど食べ終えたころ、バイクに乗って友人がやってきた。






ホンネを言うと、ゆっくり旅情を味わえるので、ベンタイン市場から出ている四十四番バスで行きたかった。
それに、この友人、ちょっとドンくさいところがあって、バイクの運転がヘタっぴ。
ただ、ガンコなほど世話好きな性格をした友人が好意で言ってくれているのだし、友人の言うことにも一理あるように思えたので、アドバイスを聞き入れることに。
バイクにまたがって、いざ出発。地元のホーチミンっ子でも知らなかった、「超隠れ家」公園の雰囲気とは?
「リゾート感」ムンムンの公園を通り過ぎる
ファングーラオから三十分ほど、友人のスリリングな運転に冷や汗をかくと、公園が。
ここが Bình Quới Tourist Village かと思いきや、すぐ近所にある、別の公園みたいだ。

何やら門のようなものが…

常夏ホーチミンで「雪」を演出する、綿

雪だるまも…
常夏ホーチミンなりに、リゾート感を演出するためか、「雪」を模した綿が門に飾られている。
まるでカドマツのように雪だるま(発泡スチロール製)も設置されているあたり、どうやらここは「雪国感」を前面に出そうとしているのだと感じる。
ベトナムでは雪が降ることはない。
そして、ベトナム国民の経済力を考えると、雪が見れるような外国へ出かけることは容易ではなく、本物の雪を見ないまま一生が終わる人が、大半であろう。
リアルの世界で見れないものだからこそ、こうして(偽物だと分かっていても)飾っておくだけでも、非日常感を演出でき、ベトナムのひとびとを盛り上げるのだろう。
「本命」ではない、ただの通りすがった公園でも、「常夏の雪国仕様」ということで、ずいぶんなインパクトがあった。果たして、「本命」はそれを上回るエクスペリエンスとなるのだろうか?
いよいよ本日の目的地、Bình Quới Tourist Village へ到着
ベトナム人の友人ですら知らなかった無名公園へ到着。
すっかりさびれて放置され、雑草ボーボーの公園をイメージしていたのだが、その逆で、公園敷地内は完璧なほどに、きっちりとメンテナンスされている。
清掃も行き届いており、ゴミひとつ落ちていない。

Bình Quới Tourist Village 公園、アオザイ姿のネーサンも

Bình Quới Tourist Village 公園、大きな池を橋で渡れる

Bình Quới Tourist Village 公園、巨大な水車

Bình Quới Tourist Village 公園、モアイ像っぽい巨顔オブジェ

Bình Quới Tourist Village 公園、ゴルフ場のように広々
不思議だったのは、これだけ素晴らしい公園であるにも関わらず、外国人はもちろんのこと、ベトナム人でも、ほとんど訪問客がいないこと。
まるでゴーストタウンのように無人の園内。
入場料も無料なのに、これは勿体な過ぎる。子連れの家族ならば、一日楽しめるような広々とした敷地。ソロ旅行者でも、文庫本を持参して、日陰のベンチでリラックスしながら読書して過ごすのにも良い環境だと感じた。

Bình Quới Tourist Village 公園、アオザイ姿のネーサンがチャリで走っていく

Bình Quới Tourist Village 公園、園芸の展示も手入れがゆきとどいている
ただし、普通の観光客には、自信を持っておすすめするほどのインパクトはなかった。
あくまでもベトナム上級者向けってことで 笑笑
念願のバス乗車も……




なかば友人を押し切るようにして、帰りは、「念願の」四十四番バスに乗って、ベンタイン市場まで戻ることに。
公園ちかくにはバス停がなく、どこから乗れば良いか、分からない。

通りがかりの人に教えてもらい、タイミングよくやってきたバスを「タクシー」のようにキャッチ。
車内はガラ空き、余裕で座席ゲット、快適そのもの。
ただ、乗車時間が長くなるにつれて、このバスが非常に蒸し暑いことに気づいた。
古いタイプの車体。エアコンが壊れているらしく、灼熱状態の車内。
さらには、学校の下校時刻と重なったようで、大量の学生が乗車し、車内温度は上昇、もはや身動きをとることすら難しい状況に。
ホーチミンでは、新型のバスが順次導入される一方、老朽化のすすむバスが、いつまでたっても運行しているので、もはや、どんな車体が当たるかは、「宝くじ」の様相を呈している。
新型のバスに当たれば、また違ったストーリーになっていただろうが、四十四番という路線は非常にマイナーな感じ。新型バスをあてがうとしても、交通当局の優先順位では、下から数えたほうが早い路線だろう。
一時間すこしかけて、なかば脱水症状になりかけながら、ベンタイン市場のバス停へ到着。
「ほらね」という顔をして、友人が待っていたのだった。


そのあと、コーヒーショップでキンキンに冷えたベトナムコーヒーを飲んで、美味しかったこと!!!