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ホーチミン市街地|風景ウォッチングを通じ、ベトナム人の日常生活に思いを馳せる
平日でも遊びたい放題といえば暴言になるが、それくらい、ベトナムの男性どもは遊び人。
白昼堂々、仕事をするはずの時間帯に、道ばたで碁盤ゲームに興じるベトナム男性たちの姿は、あちこちで見られるだろう。

平日の白昼から、路上でボードゲームに興じる
街を歩くと、無人で停車されるシクロが、ぽつねん。
オーナーがどこで何をしているか知る由もないが、さっきの碁盤ゲームに興じる男どもを思い出したら、つい、「どこかで油を売っているのでは?」と勘ぐってしまう。

シクロ
「食用犬」が、いまだ市場で売買される国、それがベトナム。

以前、友人(ベトナム人)が、冗談か本気か分からないことをけっこうな真顔で言ってたのを思い出す。

「幸運」なワンちゃん
さいわい、このワンちゃんは、飼い主が大切そうに抱えていたので、心配いらないだろう。
ホーチミン市立博物館|戦争の遺物を「集客看板」にする、世界一したたかな国民性
「ホーチミン市立博物館」へ。
バックパッカーの安宿街として有名なファングーラオや、観光客に人気のベンタイン市場から、徒歩でアクセス可能な距離にある。

ホーチミン市立博物館
洋風デザインの、重厚な造りの建物。
庭にヘリコプターや戦闘機が展示されているので、堀の外からでも、ここが博物館だとすぐに分かる。

UH-1型ヘリコプター(左)、F5戦闘機(右)

M41

A37戦闘機
悲惨な戦争で使われた兵器も、今ではこうして、観光スポットの「集客看板」として大活用するベトナム。
このしたたかな国民性がなければ、アメリカにギブアップさせることはできなかったろう。
メイソウ vs. MUMUSO|仁義なき「パクり」の戦い。パクる会社も、明日は我が身
アジア各国に、次々と店舗を展開している雑貨店「メイソウ」。
カタカナ表記だが、実は、日本のブランドではなく、中国の「名創優品」という会社である。

次々と店舗をアジア各国に展開する「メイソウ」
ユニクロのようなロゴマーク、無印良品のような商品群が特徴で、「ハイブリッド型」の日本パクリとも言える。
ベトナム国内にも、次から次へと新店舗が開店している。
だが、今回のホーチミン滞在中、「メイソウ」のパクリが登場しているのを発見。
ずばり、パクリのパクリである。

なんと、「メイソウ」のパクリが新たに登場。その名も「MUMUSO」
その名も「MUMUSO」で、韓国ブランドのふりをした、これまた中国の会社。
一般論として、ベトナム人の国民感情は、アンチ中国ということもあり、ベトナムでは、中国製品は見下される傾向にある。
そこで中国企業が取った戦略は、日本ブランドや韓国ブランドを装うというもの。地元でそれなりに人気を集め、商売も成功しているのだ。

店内の雰囲気は、無印良品そっくり……
中国の、なりふり構わぬ商売展開っぷりは、もはや、驚きのレベルである。
そして、ベトナムの人々は、悲しいかな、先進国へのあこがれが強く、偽ブランドであっても、飛びついて購入してしまう。
中国の特性、ベトナムの特性が不幸にもマッチしてしまい、今後も、ベトナムでの偽ブランド市場は拡大傾向が続くであろう。
ホーチミンのバス事情|刷新されたベンタインのバス停。昔ながらのバススタッフ
00年代のホーチミンと言えば、それはもう、廃車寸前のオンボロバスばかりであった。
ところが、2010年代から、少しずつ新型車両が導入され、バスも快適になりつつある。

新車のバスも運行している
最近では、ベンタイン市場前のバスロータリーの移設が完了。
ややベンタイン市場から遠ざかってしまったものの、バス停が、新しく清潔に生まれ変わったこと自体は喜ばしい。

ベンタインのバスロータリーが新しくなった
設備がガラリ変われど、人間は、急には変われない。
そのことを実感させるハプニングが、ベンタイン市場前から空港へ向かうバスで起きた。

ペラッペラの切符は昔のまま
乗っていたバスが、停留所でもない場所で、完全停止。
一般論として、ベトナムのバスは、停留所に到着しも、完全には停止しない(ゆっくりだが、バスは動いている)。
ベトナムのバスが「完全停車」するなどあり得ないと思っていたら、納得。

コーヒーを買うため、十分弱、停車
車掌が、コーヒーを買うため、バスを停めてしまったのだ。
十分弱。しかも、空港行きのバスを、である。
お金を投資することで設備は刷新できても、人間までは、急には変えられないということを実感。ベトナム人の意識が変わるまで、あと最低五十年は必要だろう。