目次
お祭りのパレード隊と歩いてやってきた公園で、昼食休憩時間に突入
その日は、とあるお祭り行事でパレード隊の後を追うように、台北の街を練り歩いてた。
「炊き出し」のアテがはずれる
二時間ほどかけ、「南京復興駅」からほど近い「興安公園」まで歩いて来た一同。
数百人ちかいパレード隊が、えらくせまい「興安公園」の敷地に陣取ったかと思うと、そのまま昼食休憩時間に突入。

スイカで喉の乾きを潤す
そりゃそうだ、五月といえど台北の暑さは厳しく、そこを二時間以上、歩いてきたのだ。
誰だって、疲れる。誰だって、お腹はペコペコ。

パレードはまだまだ続く。「後半戦」に備えて体力キープ

パレード隊の人々へは、地元の町内会から「炊き出し」がオファーされている。
そう。台湾のお祭りでは、炊き出しが無料、しかも誰にでも振る舞われることが、よくあるのだ。

ムシャムシャ食事をするパレード隊の人々を尻目で見ながら、内心、あつかましく期待していたのだが、単なる観光客で、ブラブラついて来ただけのアジ吉は、このお祭りでは、炊き出しの支給対象外であると判明。ちょっとションボリ。
自分でランチを確保する必要が出てきた。
参考)「台北母娘文化季」の様子について
ちなみに、このお祭り「台北母娘文化季」の様子は、以下記事にてかなり詳しくレポートしたので、参考にしていただけると、大変嬉しい。
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台湾旅行で、街歩き&食べ歩きに飽きつつある方は必見! 台湾の【お祭り】入門トリビア7選
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例年五月に開催されるこのイベント、ゴールデンウィーク連休期間と、祭りの開催日程がピッタリかぶることもある。ゴールデンウィークに台湾旅行をする日本人にとっては、要チェックイベントである。
祭りに参加して、台湾旅行をより有意義なものにしていただきたい。
他に選択肢がなく「しゃーなし」入店の一軒だったが……
パレード隊が何分くらい、「興安公園」に休憩しているか分からないので、ここからあまり遠くへは行けない。

虫のいいことを考えながら周囲を見渡すが、営業している飲食店は、たった一軒。
その名は、「金仙蝦捲魯肉飯」とある。

金仙蝦捲魯肉飯(興安店)
料理チョイスは店員さんへ一任。良きに計らってもらう「ミステリーオーダー」
午後二時を過ぎ、昼食のピーク時間帯が終わったせいもあるだろうが、店内は結構ガラガラ。
ひょっとしたら、あまり美味しくない店かもと勘ぐるが、ここしか選択肢はない。
とりあえず入店し、「魯肉飯」をオーダーするが、これとセットで、どれを注文したら間違いないかが、いまいち分からない。

台湾の飲食店って、実は、かなりフレキシブル。
このひと言で、たいていの場合、店員さんはニヤリとして、即座に料理を選んでくれる。
百元手渡して、良きに計らってもらった。
何が出てくるか分からないぶん、ミステリーツアーならぬミステリーオーダーと言える。
「ダメ元・ランチ」が、まさかの「ラッキー・ランチ」に
まずは「魯肉飯」が、テーブルに届いた。
一口目を味わった直後、この店が相当ハイレベルな一軒だと確信。

魯肉飯
ふくよかな豚肉から醸し出される、外見通り豊かな脂分がたまらない(やっぱり、豚肉は、脂が一番美味しい)。
しっかり煮込んだ豚肉を、煮汁ごと白米にぶっかけるという、一見「簡単」な料理だが、客をうならせる「一杯」が出せる店は、台湾中さがしても、さほど多くない。
お次は、「トマト入りの麻婆豆腐」。レタスが添えてある。

副菜「トマト入りの麻婆豆腐」
こいつには、やられた。
トマト + 麻婆豆腐 + レタスという、人生初体験となる食材コンビネーションであったが、麻婆豆腐の「辛さ」が味覚へ届く前に、トマトの「酸味」が先にやってくる。

麻婆豆腐に、トマトが入っている
酸味が辛さを薄め、辛さが酸味を薄め、お互い見事にブレンドし、感動的な味わいを醸し出している。おまけに、ニンニクも含まれて、マイルドさを高めるのに貢献している。
お次は、「蝦捲」。ひらたく言うと「海老まき」である。こいつも、抜群に美味しかった。

蝦捲
日本人でも馴染みある食材に例えて表現したら、「さつま揚げ」の外側を、「揚げ春巻き」のようにカリッとした皮でくるんだ料理。
「さつま揚げ」の中には、プリップリの海老が投入されており、口にした途端、それはもう、味わった者だけが体験できる極楽浄土パラダイスである。
日本でチェーン店を出してくれたら、毎日でも通い詰めたい一軒だ。
ふりかえり
店員さんに「一番ウマいのを出して〜」と曖昧なオーダーをしたが、結果的には、自分ひとりでは試さなかっただろう、絶品グルメと出会うことができた。
そもそも、このお店へ入ったキッカケは、お祭りの「炊き出し」のアテが外れたことだった。
人生万事塞翁が馬、と思えるラッキー・ランチ。
店名 | 金仙蝦捲魯肉飯(興安店) |
住所 | 台北市中山區興安街51-4号1F |