基隆

基隆でグルメと街歩きを楽しむ半日|「郭家巷頭粿仔湯」と「銘記豆花」【後編】

投稿日:2018年11月14日 更新日:

あらすじ:「着飾らない」基隆グルメを、とことん楽しむ

お洒落なカフェや、高層ビルが立ち並ぶ台北とは対照的に、地味〜な雰囲気の下町、基隆。

そんな基隆で提供されるグルメは、「着飾らない」庶民的料理が中心であり、【前編】では、もち米ソーセージや、ちぢれ乾麺に舌鼓を打った。

魚肉ボール入りスープ「魚丸湯」
基隆でグルメと街歩きを楽しむ半日|「基隆 孝三 大腸圈」と「阿忠麺店」【前編】

目次1 はじめに:すっかり足が遠のいていた「雨の街」基隆を再訪……2 雨の街、看板の街。基隆という不思議タウンで味わうご当地グルメ2.1 「基隆 孝三 大腸圈」|地元で大人気の、もっちり米ソーセージ2.2 「阿忠麺店」|人情あふれる路地裏食 ...

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アジ吉
まだ【前編】をチェックしていない方は、是非読んでね〜

本記事【後編】では、引続き、素晴らしき基隆B級グルメの世界を堪能したいと思う。

空腹は最高の「調味料」。まずは街歩きからの、食べ歩き

まるで、時計の針が、昭和時代にストップしたかのような風景。

懐かしい風景が広まる基隆の街歩きは、路地に入り込んで、わざと迷子になりたくなるような楽しさがある。

基隆の街並み

基隆の街並み

高架道路下を流れる、ドブ川。

高架道路下には、ドブ川

高架道路下には、ドブ川

悪臭こそ漂っていないが、東南アジアのスラム街を彷彿とさせる、「下町」の風景

百歩譲っても「キレイ」とは言いがたい水質に思えたが、よく見ると、大量の魚がバシャついている(ある程度、汚れた水の方が、魚も住みやすいのか?)。

大量の魚が……

大量の魚が……

魚の上に魚が重なるように群れており、それはそれは、ビジュアル的に、一度見たらなかなか忘れられない光景。。。

川のすぐ近くには、名前は分からない(カンバンが掲げられていなかった)けど、地元民でごった返す、小さな市場。

その名がアンルゥーシーチャン(ānlè shìchǎng)であることを知ったのは、日本帰国後、Google検索に教えてもらったからであった。

「安楽市場」

「安楽市場」

小雨がポツポツと降り出すと、市場は「傘のお花畑」。

買い物客の雨傘、露天商のパラソル傘が、色とりどりに咲き乱れる。

食材専門店を中心に、衣服、玩具などを並べる商店が、道路の両脇に広まり、小規模ではあるものの、大変活気付いた雰囲気が印象的。

市場内の鮮魚店

市場内の鮮魚店

鮮魚店の前を通りかかると、どうしても、さきほどドブ川で見た魚の記憶がリンクされるのは、アジ吉だけだろうか。

「まさか、あそこで捕れた魚じゃあるまい……」と思ってしまうのである。

「郭家巷頭粿仔湯」|60年の伝統店で味わう、ひらひら麺

下町風景を突き進めば、基隆で60年の歴史を誇るという、老舗の麺専門店「郭家巷頭粿仔湯」が営業している。

米からできた麺を使い、鮮度を重要視する店側の意向から【テイクアウト禁止】という、こだわりようだ。

「郭家巷頭粿仔湯」店頭

「郭家巷頭粿仔湯」店頭

それでは店内で、新鮮な「できたて」の味を楽しむとしよう。

まるで「きしめん」か、それ以上に横幅のある平たい麺。

ひらひらした麺

ひらひらした麺

ビジュアルで圧倒されそうになるが、味も、インパクト十分

麺の面積が広いためか、あっさり風味のスープがよく染み込んでおり、お箸でつまみあげたとき、思いのほかズッシリとしたのは、スープの含有量が多いからであった。

店内で売られていたモツ系のつまみ類も試したかったが、この店のメニューは、一品一品、しっかり味わいたかった。

一気に味わうのが勿体無いような気もして、次回の楽しみとして、キープすることとした。

「銘記豆花」|若い感性で創作する豆花

歴史を感じさせる基隆の街にも、新しい店がポツポツと開店している。

ここの豆花屋、ミンジードウファ(míngjì dòuhuā)もそうで、店内には、軽快な音楽のBGMが流れる「今風」な感性の一軒。

まだ新しい店舗

まだ新しい店舗

店内の様子

店内の様子

まだ開店したばかりで、知人から贈られたと思われる花束類が、こんもりと飾られてある。

様々なトッピングが提供されており、自分の好みに応じて、味をカスタマイズ可能。

豊富なトッピング

豊富なトッピング

店を切り盛りするのは、こちらのおにーさん。

さわやかスマイルの店主

さわやかスマイルの店主

味の方は、まだ、創意工夫中、どこか「自分探し」をしているといったカンジ。

「できたてホヤホヤ」の店舗同様、豆花の味も、どこか落ち着ききっていない感じがした。

老舗が持つような「年季の入った味」へは一歩及ばないが、こういった店が、数十年後は「老舗」としてブイブイいわせるのかも知れない。

「豆花」

「豆花」

きわめてシンプルなようで、作り方によっては、味が千差万別になってしまう豆花。

そんな豆花という「難題ジャンル」に生涯をかける人生を選んだ、店主のニーサンへ敬意を払わねばなるまい。

まとめ:グルメスポットとしてのポテンシャルの高さを感じた半日

半日ほど歩いただけでも、基隆のグルメ水準の高さを、十分に感じることができた。

「雨の街」として、なかなか立ち寄る気持ちが起こらなかったが、今後、もっと開拓しがいのあるグルメスポットという認識を持てたことこそ、今回最大の収穫かも知れない。

もう一度言おう。

基隆は、かぎりなく、美食のポテンシャルが高いスポットである。

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(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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