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はじめに:ベトナムの「物価感覚」を手に入れたい方に読んで欲しい
東南アジアという「ひとくくり」にして考えられがちだが、実はベトナムって、(日本人にとっては安く旅行できると言われる)マレーシアやタイよりも、さらに物価が安い。
……と書くだけでは、まだベトナムを訪問したことのない人々にとっては、具体的な「物価イメージ」を形成することは難しいだろう。

訪れるまではイメージしづらい外国の物価
本記事は、実際の旅行体験に基づき、日本とベトナムの物価を比較しつつ、これからベトナムを訪問しようという方々が、少しでも鮮明なイメージを描けることをねらって、作成されたものである。
結論を先に書くと、ベトナムの物価は、日本の二割程度とざっくり考えるのがよろしいということになるが、複数の具体例を以下で取り扱っているので、参考にしていただきたい。
300円あればできること
日本だったら、コンビニで「お菓子」を買うだけでなくなってしまう「300円」。
ベトナムへ行けば、何ができるのだろう?
空港から市街地へのバスに乗車(145円)
空港から市街地へ向かうバスが、30,000ドン(約145円)。
バスと言っても、45kmの距離を五十分かけて移動する、けっこうな「長距離バス」。

空港バス
関空から梅田へ向かうバスが、2,000円ほどであることを考えると、日本の一割未満(7%)という物価の安さ。
人気店「本格フォー」を、ビールと一緒に堪能(320円)
ベトナムの中でも「フォーの本場」とされるハノイ。
行列必至の地元人気店で味わう、牛肉や野菜がたっぷり投入された「本格フォー」は、ビールとセットで注文しても65,000ドン(約320円)。

本場フォーを、ビールとセットで
これくらいしっかり具材がふだんに使われているフォーなら、日本では900円、ビール1瓶(500ml)は600円で、合計1,500円といったところ。
なんと、フォーは、日本の二割程度(21%)という物価の安さ。
600円あればできること
日本だったら、コンビニで「雑誌」を買うだけでなくなってしまう「600円」。
ベトナムへ行けば、何ができるのだろう?
ゲストハウスに宿泊(570円)
いわゆる相部屋(ドミトリー)ではあるが、上質クッションのベッドで眠れて、朝食付き、夕方はビール飲み放題、そして、市内ツアーにも連れて行ってくれる、至れり尽くせりのゲストハウス。
これだけ素晴らしいゲストハウスに宿泊しても、たった117,200ドン(約570円)。

ゲストハウス

飲み放題のビールつき

朝食つき!

市内ツアーつき
ここまで破格のサービスを提供できるゲストハウスは、日本には存在しない。
もはや、物価は比較不能。
1,500円あればできること
日本だったら、ファミレスでちょっと上質な「定食セット」を食べるだけでなくなってしまう「1,500円」。
ベトナムへ行けば、何ができるのだろう?
ハノイ郊外へ日帰りひとり旅(1,211円)
ローカルバスに揺られ、ハノイ市街地から45km離れた、(これまたローカルの)民族テーマパークまで日帰り一人旅。
往復交通費、入場料、食費すべてコミコミでも、250,000ドン(約1,211円)。

民族テーマパークへ
日本だと、おそらく12,000円は軽く吹っ飛んでいくクオリティ。
なんと、日帰り旅行は、日本の一割程度(10%)という物価の安さ。
5,000円あればできること
日本だったら、ちょっといい居酒屋で「飲み会」に参加するだけでなくなってしまう「5,000円」。
ベトナムへ行けば、何ができるのだろう?
タクシー半日チャーター(4,844円)
まだまだ「観光地」として認知されておらず、自分でタクシーを貸し切ってゆくしかないハノイ郊外の田舎へ、日帰り旅行。
往復100km、現地で運転手さんに3時間待機してもらって、タクシー半日チャーターが1,000,000ドン(約4,844円)。

タクシーを半日チャーター
日本だと、おそらく25,000円前後かかるであろう、贅沢なサービス。
なんと、タクシー半日チャーターは、日本の二割程度(19%)という物価の安さ。
最高級ランクのレストランで、たらふく食事(5,812円)
事前予約して行かないと門前払いされる「オシャンティ」な最高級ランクのレストランへ。
一番高いメニューのメインディッシュを注文し、サイドメニュー、お酒、デザートを注文して、食事代1,200,000ドン(約5,812円)。

最高級ランクのレストランで、贅沢ディナー
日本だと、このクラスの店に出入りしたことがないため、(想像の域を出ないが……)おそらく15,000円前後?
高級サービスに近づいて、ようやく日本とベトナムの物価差が低減されたものの、それでも日本の四割程度(38%)という物価の安さ。
まとめ:現地の物価水準への理解を深めた上で、ベトナム観光を満喫したい
様々な品物やサービスの料金を比較することによって、ベトナムの物価をざっくりお伝えしてきた。
モノによっても異なるが、ベトナムの物価は、日本の二割程度であることが多いという結論。
我々先進国の人間にしてみれば「不当」とも表現できる安さで、ベトナムの人々は、日々の労働に従事している(月給20,000円というのはザラ)。
観光客が目一杯楽しんでいる傍ら、現地の人々は、複雑な気分でサービス提供していることも考えられるので、そういった事情への理解を深めた上で、ベトナム観光を満喫するようにしたい。