こんにちは。
ITエンジニアでも、会社が奨励するケースもあり、(健康診断のように)TOEICを受けている方もいらっしゃるかと思います。
筆者の勤務先では、TOEIC 600点をクリアするまでは延々と継続受験しなければならない仕組みがあります。
入社時はこの制度が「ウザそう」だと思い、自分は一刻も早く、TOEIC 600点をクリアしようと心に決めたものですが、意外や意外、初回受験で基準をクリアしていたため、この制度の束縛を受けずに済んだのです。
TOEICと未来永劫おさらばするのも良かったのですが、思いのほかスコアが出せたことを快く思い、以来、年に一度は受験するという、見事な「アマノジャク」っぷり。
本記事では、TOEIC 900点台を十回以上連続して取得している筆者が、TOEICスコアごとに直面した課題と、どう克服してきたかの情報をシェアしようと思います。
目次
スタートはTOEIC 600点
TOEICのことを何も知らず(出題形式とか、難易度とか)チャレンジしてみたとき、ちょうど、TOEIC 600点(をちょっと上回る)というレベルでした。
TOEIC 600点のときに感じた「手ごたえ」
体感としては、以下のようなものでした。
■TOEIC 600点における手ごたえ
- リスニングは、半分ほど自信をもって回答できるが、残りの半分は「あてもの」に近い
- リーディングは、時間が全然足りない。試験途中、このペースでは間に合わないことに気づいて、後半は「雑に」解き切るという感触
- 試験終了後は、とてつもない疲労感に襲われ、もうしばらく受験したくないと思う
正直、TOEIC 600点って、かなりシンドイなぁというのが正直な感想でした。
TOEIC 800は、必死に努力したら到達できるかもしれないが、自分にはこんなテストで900点を取れる日は、たぶん一生やってこないだろうなぁと思っていました。
TOEIC 600点台を脱出するためにやったこと
リスニングもリーディングも中途半端な状態でした。
どちらかが得点源になれば、TOEICへの苦痛が和らぎ、ポジティブな気持ちで取り組めるようになるだろうと思い、典型的な日本型英語教育(読み書き変調)で育ってきた自分にはリーディングを鍛えるのが早いだろうと考えました。
リーディングでは、圧倒的にスピード不足を感じたため、優しすぎず難しすぎないレベル(大学入試センター試験くらいの難易度)の洋書をひたすら読み込みました。
ひたすらと言っても、きちんと最初から最後まで読んだ洋書は五冊くらいでした。
一方、リスニングでは、「流し聞き」を開始しますが、聞こえないことがあっても気にせず、英語のリズム感やテンポ感に慣れようと、音楽を聴くような感覚で取り組んでいる状況でした。
気づけば到達していたTOEIC 700点
TOEIC 600点台から脱出するのは意外と早く、上述したようなトレーニングを継続的に実施することで、数ヵ月後にはTOEIC 740点という結果を出せました。
TOEIC 700点のときに感じた「手ごたえ」
体感としては、以下のようなものでした。
■TOEIC 700点における手ごたえ
- リスニングは、相変わらず半分ちかくが「当てもの」
- リーディングは、確かな成長を感じ取れた。洋書を読んだことで、解答ヒントが転がっている部分のパラグラフが「光って」見えるようになりつつあった
- 試験終了後は、やっぱりしんどかった。TOEIC 600点台のときと、大差がなかったけれど、「リーディングのスコアは早く知りたい」とポジティブに考えられる材料ができた
TOEIC 600点台の人がリスニングがリーディングを鍛えると、意外と簡単にTOEIC 700点は達成可能だという感想でした。
TOEIC 700点台を脱出するためにやったこと
リーディングは、ほとんど何もしませんでした(そのぶん、アタマウチでした)。
このレベルになると、リスニングもリーディングもある程度、バランスよく得点できるチカラが不可欠であると悟ったため、苦手なリスニングの底上げが課題だと感じました。
そのため、以前は「流し聞き」していたリスニングも、いわゆる「精聴」のトレーニングを実施します。
詳細については、今後、別の記事にまとめる予定ですが、聞き取ったものを(単語一つもらさず)紙に書き起こしていくという、骨の折れる作業。
心が折れそうになるほどつらいトレーニングでしたが、一日三十分ずつ、二カ月続けることによって劇的な効果がありました。
必死にもがいてクリアしたTOEIC 800点
TOEIC 700点から800点の壁を超えるのは、同 600点から700点を攻略するときよりも、時間・労力がかかり、「一生無理かも」と挫折しかけたことを明確に記憶しています。
「差」にしたら同じ100点であっても、TOEICってスコアが高くなるほど、成長度合いは鈍化しますし、そういう意味で、TOEIC 950点から990点への「40点」って、同 300点から600点へ「300点」アップさせるよりも厳しくて険しい道のりだと思います。
40点アップするほうが、300点アップするより難しいこともある、そういうことを実感し始めたのが、この時期でした。
TOEICのスコアを聞いて、その人がどれだけ努力をしてきたかを正確にイメージできるというのが、このレベルでした。
TOEIC 800点のときに感じた「手ごたえ」
体感としては、以下のようなものでした。
■TOEIC 800点における手ごたえ
- リスニングは、七割くらいに自信をもって回答できるようになったが、まだ不安定。受験する回によっては、絶対あってると確信できる問題が七割に満たないこともちらほら
- リーディングは、TOEIC試験形式に慣れてきた恩恵を感じるようになった。出題者がどういう意図で問題を作ったかを、ある程度「先読み」できるようになり、リーディング能力がアップしたのではなく、試験形式の慣れによって、得点が増えるようになってきた
- 試験終了後の疲労感は、いくらか軽減された。試験時間も十分くらい余るようになった
正直、TOEIC 800点をクリアしたところで、TOEIC 700点のときと比べ、英語運用能力はあまり変わった実感がありませんでした。
むしろ、試験に強くなって得点が増えたという気持ちでした。
TOEIC 800点台を脱出するためにやったこと
リーディングは九割(450/495点)ほどの水準をコンスタントに獲得できるレベルに到達していたため、リスニングを何とかしないと、TOEIC 800点台からの脱出は無理ゲーという課題認識でした。
以前から続けていた「精聴」トレーニングを続け、そこで扱う教材も、レベルの高いものを意図的に選択するようにしました。
いわば、苦手な領域を徹底的に叩き続け、自分を鞭打つというトレーニングです。
本来、死ぬほどつらいはずなんですが、このあたりからリスニングの苦手意識が払しょくされ、「調子のいい日」と「調子のわるい日」のムラがなくなり、いつリスニング練習をしても、安定して聞き取れるという時間が長く継続するようになりました。
ムラをなくすという観点が、TOEIC 800点台を脱出する上での、最大の分岐点になっていたように思います。
「あれっ、スコアがバグっている?」と目を疑ったTOEIC 900点
TOEIC 900点台のスコアは、ある日突然、目に飛び込んできました。
そんなにバリバリ正答をはじき出せた自信はなかったのですが、返ってきたスコアを見ると、百の位が8ではなかったのです。
大学受験産業の某企業が出している「なんで、私が東大に!?」という広告のキャッチフレーズではありませんが、「なんで、自分がTOEIC 900点台に!?」という気持ちでした。
たまたま偶然かと思いましたが、それ以来、十回以上受験してきていますが、無勉強で取り組んでもTOEIC 900点を下回ることがありませんでした。
TOEICの採点ロジックがどのようになっているかは明らかにされていませんが、どんなタイミングで受験してもTOEIC 900点を下回らないようになったことから、もうTOEICを受験しなくてもいい、次なるレベルを目指そうという気持ちにスイッチしたのも、この時期です。
TOEIC 900点のときに感じた「手ごたえ」
体感としては、以下のようなものでした。
■TOEIC 900点における手ごたえ
- リスニングは、「何問か間違えたかも知れない」と思ったけれど、スコアを見ると満点ということが増えました
- リーディングは、一度も満点を取れていませんが、九割を下回ることはなくなりました。満点を取れないことから、どこか、改善の余地が残っているのかなぁと思いますが、その改善をどうしたらいいかは、分かりません
- 試験終了後にも、以前感じていたような疲労感は残らなくなりました。試験解答プロセスそのものが、ルーチン化してしまっている感じ。たぶん、掛け算ドリルの問題を三十問やったくらいの疲労感です
TOEIC 900点台を脱出するためにやった(やっている)こと
TOEICには1000点というスコアがないため、これから先のレベルになると、TOEICでは計測できない領域になります。
それでも、洋画を鑑賞すると、まだ半分くらいしか理解できないものもあります。
YouTubeは、どんな内容のコンテンツを見ても字幕なしで理解できることが増えましたが、それは、YouTuberたちが意図的に聞き取りやすい話し方を心掛けている(評価を上げるため)ことも、無関係ではないと思います。
これからは、スラングを理解したり、アメリカの文化に通じたりすることが、洋画の理解力をアップすることにつながると思いますし、自分の課題でもあると感じています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。