目次
はじめに:食べ歩きでダウンして、イートインで体力チャージ
朝から、ひたすら食べて、ひたすら歩いた。
袋も脚も、すっかり疲れ気味のところ、暑さにトドメをさされて【ゲームオーバー】寸前。

本日の「五軒目」へチャレンジする前に向かったのは、南国・台湾における【オアシス】といっても過言ではない、ファミマのイートイン。

ファミマのイートインで「食前ビール」
冷房の効いた店内で欲しくなるのは、やっぱり、台湾ビールのクラシック。
やや辛口だけれど、のどごしの良さや、飲み干したときに得られる清涼感は、数ある台湾系ビールの中でもトップクラス。
ちなみに、クラシック(classic)の意味を英英辞典で調べると、"Very typical of its kind."、つまり「典型」や「源流」といったニュアンス。台湾ビールのクラシックが目指した「源流」とは、日本統治時代の1919年、まだ台湾が日本だったころに製造されたビールの味とされている。約百年前の「日本」のビールが、まるでタイムカプセルのように時空を経て、現代社会に蘇ったと考えるだけでも、ちょっとした感動ストーリーである。
日本以上に、【昔の日本】を大切にしてくれる隣国のことを、日本は忘れるべきではない。
「四方阿九魯肉飯」訪問レポート
イートインで三十分も休憩すると、体力が回復し、お腹もすいてきた。
そのまま軽い足取りで向かったのは、龍山寺から徒歩数分でアクセスできる「四方阿九魯肉飯」。

「四方阿九魯肉飯」
店名の通り、魯肉飯(ルーローファン)の専門店であり、ガイドブックでも必ず掲載される人気店である。
台湾へはかれこれ、通算百回ほど(正確にカウントはしていないが、毎月訪台する生活を十年ちかく続けている)やって来ているのに、なぜか、これまで縁がなかった。そういう店って、けっこうある気がする。有名店だからいつでも行こうと思えば行けるだろう、的な。

厨房
昼食ピーク、夕食ピークの時間帯を外したつもりだったが、店員さんは大忙し。
やはり、相当な人気店であることは確からしい。
丁寧に監修された日本語訳つきのメニュー、良心的な価格設定
メニューには、日本語訳もバッチリ掲載されている。

メニュー その1
(台湾にかぎらず)海外でよく見かける、ちょっぴり不思議(?)な日本語表現のメニューではなく、あきらかにネイティブ監修つきと思われる、自然な日本語メニュー。
意外だったのは、(龍山寺ちかくの)一等地にある人気店だからといって胡座をかくようなことはなく、一品五十円程度という良心的な価格設定で営業していること。

メニュー その2
名指しで批判するつもりはないが、京都の「観光地価格」をみた台湾人観光客は、いったいどう感じるだろうか。
めくるめく「逸品」とのご対面
魯肉飯(ルーローファン)の専門店だから、「魯肉飯」はかならずオーダーするとして、問題はそれとセットで、何を頼むかである。

そう思って注文したのがこちら、「スペアリブのスープ(排骨酥湯)」。

「スペアリブのスープ」
まずは、とろけるような大根が最高。
肉も、究極的に柔らかく煮込まれており、口に入れて2回くらい噛んだだけで、骨と肉が完全に、いとも簡単に、パラリと分離してしまう。肉塊そのものも【歯ごたえゼロ】の柔らかさ。

スープには、大根と肉の「甘み」エキスが存分に抽出されているが、これを「魯肉飯(ルーローファン)」との重ね食いがヤバい。
あやうく、具材やご飯よりも先に、スープがなくなってしまうところだった。

「豚肉のそぼろご飯」
「魯肉飯(ルーローファン)」は、普通の店より、若干大きいサイズで切られた豚肉の脂のノリが、なんとも言えない満足感をもたらしてくれる。
ご飯の上には、魚の切り身(?)がまぶされおり、ふりかけのような食感が楽しめる。

「しょうゆ味煮卵」
オマケとして注文した「しょうゆ味煮卵」を重ね食いすることで、口の中で、絶品スープ、絶品ルーロンファン、そして優しい味わいの煮卵が「三重奏」を奏でてくれた。
これを執筆している今、レストラン訪問から一ヶ月以上が経過しているが、いまだに忘れられない味わいである。
まとめ:「スペアリブのスープ」注文必須な一軒への、アクセス情報
総じて書いても、スープの完成度があまりにも高すぎて、ある意味、この店は「損」をしていると感じた。
看板メニューである「魯肉飯(ルーローファン)」は、十分に美味しいはずなのだが、スープの美味しさによって、存在感が半減している。

ギャグではなく真剣にそう思った(無理だけど)ほどだが、いっそのこと、スペアリブのスープを看板メニューにしても良いと思う。
店名 | 四方阿九魯肉飯 |
住所 | 台北市萬華區廣州街225号 |
営業時間 | 11:00-24:00 |
電話 | 02-2336-9119 |