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MRT松山駅|「松山」つながりで、台湾にやって来ちゃった「道後温泉」
早起きをして、MRT松山駅へ向かう。

MRT松山駅へ
MRT松山駅から出ると、なにやら見慣れない人形が。


MRT松山駅のエントランス付近にあった「人形」
まさかと思ったが、よく見ると、やっぱり夏目漱石『坊ちゃん』の展示。

『坊ちゃん』が書かれた題材の地、愛媛県の「松山(マツヤマ)」。
台湾にも「松山(ソンシャン)」があるという「縁」から企画されたイベントなのだろう。

「松山」つながりでのイベント
「ミニ道後温泉」があり、おもわず気分ほっこり。
日台間の姉妹的イベントは、草の根レベルからでもどんどん広めたいものである。

「道後温泉」
松山慈祐宮
MRT松山駅から下車すぐの「松山慈祐宮」は、なんと、二百六十年(1753年に建立!)もの歴史を誇る、格式高い廟。
「媽祖」の誕生日が近づき、ひときわ賑わいをみせる廟
数々の増築や火災を乗り越えて、六階建て(ただし、エレベータなし)という、今日のハイカラな姿にいたるが、その迫力は、見る者を圧倒する。
道教、仏教をはじめ、ここは「神様デパート」と表現したくなるほど、いろんな神様が祀られている。

「松山慈祐宮」
ここで一番有名な神様が、媽祖(マァーヅゥー)。彼女の誕生日(旧暦の3月23日)が近づくと、台湾のいたるところでお祭りイベントが開催される。
ちなみに「媽祖」は、宋の時代(960-1279年)に実存した女性が、28歳に死後も、その不思議な能力から人々に崇められつづけ、漁業と航海の守り神になったと言い伝えられる。

媽祖生誕から1059周年を祝う看板
廟の入口には「恭祝 松山慈祐宮 天上聖母 1059週年 聖誕千秋」と書かれた、真っ赤な看板。
天上聖母、つまり天の上にいる聖母とは、「媽祖」のことを指す。看板は、「媽祖」生誕1059年を祝福するために取り付けられたものだ。

石で造られたライオン像
廟を守る「番犬」のように立っている、石のライオンは1803年に造られたもので、口が開いているのはオス、閉じているのはメス。
「美術館」としての価値も兼ね備えた、素晴らしき装飾品の数々
廟内へ入ると、その装飾品の美しさにため息が漏れそうになる。

天井には、気が遠くなるほどの、繊細な飾り付け
松山慈祐宮の魅力について語る上で欠かせられないのは、陶芸アートの素晴らしさだろう。
素人のアジ吉が見ても、うっとりするような、鮮やかな色づかい。日常生活で使う陶器製食器の色は、どれだけ多くとも五種類くらいだが、ここの陶芸アートは、色の数に制限を感じさせないものである。

松山慈祐宮は、陶芸アートの素晴らしさ抜きにして語れない

うっとりしそうな、色とりどりの陶芸アートの人形たち

「媽祖出巡」の陶芸アート

こちらの陶芸アートには、作者名と思われる「葉星佑」という文字があった
「媽祖」をふくむ、大勢の神様が祀られている「神様デパート」
授業開始前の中高生みたいに、ペチャクチャしゃべりまくるのは、読経のために廟へやってきた、地元っ子の「おばちゃんズ」。
それはもう、元気というひと言でかたづけられる次元を通り越して、TVコマーシャルで描かれる「大阪のおばちゃん」像を彷彿とさせるものである。

地元っ子である「おばちゃんズ」のオシャベリ。永遠に終わらない気もして来る
読経ついでに廟へやって来ることが、井戸端会議のための、絶妙な場所と時間を提供しているようにも思えてきた。
「おばちゃんズ」の井戸端会議を通り過ぎると、上階へ登る階段がある。

松山慈祐宮には、階段のみ(エレベータなし)
「単なる廟でしょう?」と侮ることなかれ。松山慈祐宮は六階建て。
日本での日常生活ならば、六階まで階段で登ろうなんて、ゼッタイ思わない。

いま旅先にいるという「特別感」があったことと、上階へ行くに連れ、周りの景色が変わって行く楽しさも相まって、慢性的な運動不足状態にあるアジ吉でも、なんとか最上階まで登ることができた。

階段を上ると、景色が変わって行く

途中で、おっかない顔をした神様(?)も出現
廟内は、とにかくきらびやか。
金色の光を放っている、無数の「何か」がある。

金色の光が放たれている
よく見てみると、一つひとつに、人の名前が書かれた紙片が張りつけられている。
これはお布施者の名前だが、ビックリするのは、壁を埋め尽くすほどの人数が、お布施をしているということ。台湾の人々は信仰深いと、つくづく思う。

お布施者の名前シールが張り付けられている
そして、めくるめく神様たち。
二階、三階、四階、五階、六階と登っていくが、どの階にも、多数の神様が祀られている。いちおう、すべての神様の前に「名札」が置かれてはいるものの、全部を暗記している人なんて、果たして、いるのだろうか。

松山慈祐宮に祀られる神様(の、ごく一部) その1

松山慈祐宮に祀られる神様(の、ごく一部) その2

松山慈祐宮に祀られる神様(の、ごく一部) その3
「媽祖」がそうであるように、おそらく、この廟の神様すべてに「ストーリ」があるのだろう。
時間のかかる作業にはなるが、一つひとつ、調べてみても、大変面白いと思う。
名称 | 松山慈祐宮(ソンシャン・チーヨウゴン) |
住所 | 台北市松山區八徳路四段761号 |