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【もはや迷宮入り】台湾のゴミ収集車メロディ『エリーゼのために』を巡る諸説【永遠の謎】

投稿日:2018年7月12日 更新日:

はじめに:日台社会で大きく異なるゴミ捨て事情

日本のゴミ捨ては、町内会で定められた場所・曜日に、ゴミ袋を置いておくと、あとは回収してもらえる。これを当たり前と思っている人は、台湾のゴミ捨て事情について知ると、その考えを改めなおすキッカケになるかも知れない

何を隠そう台湾では、「日式」のように、路上へゴミ袋を置いておくことが許されていないのだ。日本ほど衛生管理の行き届いていない台湾の街では、ゴミ袋を路上に放置すると、たちまちネズミやゴキブリなどによって荒らされ、目も当てられない状態になるだろうから、不便ではあっても、致し方あるまい。

「エリーゼのために」は台湾の国民的メロディ

「エリーゼのために」は台湾の国民的メロディ

本記事のタイトルにもなっているが、台湾のゴミ収集車は、『エリーゼのために』の電子音メロディを流しながら街へやって来て、付近住民にその【存在】を知らしめる。ベートーベン作曲のロマンチックなピアノ作品も、台湾の人々には【ゴミ回収の歌】として記憶されているのだ。

なぜ『エリーゼのために』が選ばれたかには、諸説ある。

■台湾のゴミ回収車のメロディが、なぜ『エリーゼのために』であるかの諸説

  • 当時、台湾政府が採用したゴミ収集車がドイツ製だったことから、ドイツの作曲家であるベートーベンの曲を採用した
  • 当時、台湾の環境保護局のトップが練習していたピアノ曲が『エリーゼのために』だったから

どちらの説についても、当局からの公式コメントはないため、真相は定かでない。

ちなみに『乙女の祈り』を鳴らすゴミ収集車も存在し、こちらの作曲家バダジェフスカはポーランド人であるため、「ゴミ収集車がドイツ製だったから」説の信憑性は、ここでも揺らぐのである。

まるで「紅白玉入れ」の様相。台湾の無慈悲なゴミ回収システム

いちおう、ゴミ収集車は決まったスケジュール(特定の曜日・時間)でやって来るらしいが、日本の公共交通機関みたいに「分刻み」の精度を保証するものではない

「スケジュール」よりも早めにやって来る日があれば、その逆もあるだろう。『エリーゼのために』が聞こえたときに、たまたま運悪く、お腹をくだしてトイレの中にいたら、もう手遅れだろう。大急ぎで家から飛び出して、まるで「紅白玉入れ」のように、ゴミ袋を必死に投入する台湾の人々を見ていると、不憫ですらある。

ちなみに、高層マンションなどでは、敷地内に独自のゴミ廃棄ポストを保有していることが多く、いつでもゴミを捨てられる

集合住宅のほうが、ゴミは出しやすい

集合住宅のほうが、ゴミは出しやすい

ゴミ捨て問題に悩みたくない場合、台湾での不動産選びにおいては、「ゴミ廃棄ポスト」の有無は、必ず確認すべきポイントになると思う。

まとめ:もはや【迷宮入り】と思われる難案件

台湾のゴミ収集車が『エリーゼのために』を鳴らして走るシーンは有名だが、その「選曲」背景については、複数の知人(台湾人)に尋ねても、具体的な情報を得ることができずじまいという無念な結果に。

もし、読者の方で『エリーゼのために』や『乙女の祈り』が選曲された裏エピソードをご存知の方がいらっしゃいましたら、是非とも教えてください (^_^;

追記(2018年7月16日)

Twitterアカウント経由で、本ブログの記事を閲覧された「汎汎/ふぁん」さんから、以下の情報提供いただきました。

  • ピアノの練習をしていたのは、環境保護局のトップではなく、その娘さんであること
  • ピアノの練習曲は『エリーゼのために』と『乙女の祈り』の二説があるが、『乙女の祈り』が可能性濃厚であること

「汎汎/ふぁん」さん、どうも、ありがとうございます (^_^)

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(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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