台湾とベトナムのグルメ紀行文|アジアの放浪的旅行記

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台湾

台北駅発。わずか七百円。弁当を愛で、山と海の車窓が味わえる旅情たっぷり日帰り「ちょい鉄」旅行

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はじめに:虫のいい鉄道旅行「ちょい鉄」を求め、台湾・東海岸へ

車両やモーター音から車両型番を言い当てられるような「鉄道マニア」ではないが、鉄道旅行が嫌いではない。

かと言って、あまりにも長距離だと退屈するし、お尻がいたくなる。以前、大阪から博多まで「青春18きっぷ」で丸一日かけて移動したら、ぜんぜん楽しくなかったのは鮮明に記憶しているし、死ぬまで忘れないと思う。

「ちょい鉄」したくなった

「ちょい鉄」したくなった

今度の台湾旅行では、「ちょい鉄」旅行がしたいなぁと思うようになった。

弁当を車内で食べながら、車窓から山と海が楽しめて、かつ、気分がダレない程度の距離と時間におさまるという、なんとも「虫のいい」鉄道旅行がしたくなった。

そういうわがままな「ちょい鉄」が楽しめそうな区間を探したところ、台北を出発し、東海岸に向かう「台北〜頭城」ルートが目についた。実際に体験してみたので、詳細レポートとして、お届けする。

一時間半、700円の「ちょい鉄」体験レポート

ホテルを早朝チェックアウトし、台北駅へ北上する。

西門から台北駅で広がる景色|ちょっと歴史をかじる街歩き

「フランスには凱旋門が、台湾には北門がある」という、台北市長の言葉が有名な「北門」

周囲には、台湾のどこにでもある現代的風景が広がっており、北門だけがポツンと、異質な「遺跡感」を放っている。

アジ吉
この門だけではなく、もう少し周囲の遺跡まで含めて保存されていたら良かったのに……

いつも思う。

台北府城北門

台北府城北門

台湾には、古いものを大切にする一方、どんどん新しいものを取り入れていこうという気質が共存している。日本と、どこか似ている。

かつては世界一の高さを誇った「台北101」が、朝もやの中、蜃気楼のようにボンヤリ見える。

台北101のシルエット

台北101のシルエット

ここまで来れば台北駅とは、目と鼻の先。

館前路を南の方角に向いてみると、「国立台湾博物館」の、特徴的なドーム状の屋根が視界に飛び込んで来る。百年以上前に、日本人が設計した建物で、台湾ではもっとも歴史ある博物館である。戦火を逃れて、今なお、当時の姿を見せている。

国立台湾博物館

国立台湾博物館

これだけ長持ちする設計をした日本人もすごいと思うが、その建物をこれだけ大切にしてきた台湾人もすごい

台北駅(駅前広場)|早朝には巨大な駅舎が「日傘」がわりに

目を楽しませながら、アッという間に台北駅へ到着。

台北駅

台北駅

酷暑日の続く七月といえど、朝は快適だ。

台北駅前の広場も、巨大な駅舎が「日傘」となって、日陰に覆われて快適に歩くことができる。

駅前のオブジェ

駅前のオブジェ

さわやかな雰囲気の台湾駅前の広場も、夜中になると、多数のホームレースが過ごすエリアに変わってしまう。現代台湾の抱える社会問題が垣間見える瞬間である。

台北駅(切符売り場)|中国語が不自由でも購入できてしまう不思議

IT化が進むに進んで、何でもかんでもICカードや、スマホ決済で済むようになった今日の鉄道システム。

そんな中、台北駅では、カウンター越しに切符を買うスタイルがまだまだ主流で、いつもこの【昭和感】にホッとする。若い世代の台湾人には、「不便」と映るのかも知れないが。

切符売り場

切符売り場

カウンターでは日本語も英語も通じない。

切符の購入という、ごく限られた範囲のシチュエーションではあるが、それでも、たいてい問題なく意思疎通ができてしまうのは不思議

カウンター越しで切符購入

カウンター越しで切符購入

「頭城」行きのチケット、184元(約700円)

もし、車窓から、山や海の写真をがっつり撮影したいという人は、東側の窓側席を指定することをお忘れなきよう。

台北から日帰りで宜蘭観光をするとき、「蘭陽博物館」や「亀山島」へ訪問する際は、こちらが最寄り駅となる。

入手した切符

入手した切符

台北駅(プラットフォーム)|多国籍の車両が発着するにぎわいスポット

構内の電光掲示板には、プラットフォーム番号と発車時刻が表示される。

手元の切符と照らしあわせて、自分のプラットフォームを確認しよう。

駅構内の電子掲示板

駅構内の電子掲示板

台湾の電車は、だいたい予定時刻きっかりにやって来る。

座席番号が切符に印刷されているので、プラットフォームで待つときは、指定されている車両番号のところで立っておこう

電車がやってきた

電車がやってきた

南アフリカ、イタリア、イギリス、……いろんな国の製造した車両が走っている台湾鉄道

プラットフォームにやってきたのは、日本製(日立製作所)であった。

プラットフォームで待つときは、足下の番号に注意

プラットフォームで待つときは、足下の番号に注意

乗車・下車をなんとなく急かされるように感じる台湾バスと違って、台鉄の電車は、すべての乗客が乗り降りするのに十分な時間、停車してくれるので、焦らず順序良く乗車しよう。

台鉄・自強号|「自強」ネーミング由来には、悲しく重たい過去

日本でいう「特急」にあたるのが、今回利用する自強号。台湾では、新幹線の次に速い列車である。

ちなみに「自強号」のネーミングは、1971年に台湾が国連を離脱した(いわゆる中国代表権問題)際のスローガンである、莊敬自強 處變不驚(恭しく自らを強め、状況の変化に驚くことなかれ)に由来。

今日では、完全な民主主義社会が実現され自由を謳歌する台湾だが、この「自強号」という名称が用いられるようになったのは1978年。世界史上最長ともされる台湾の戒厳令(1949~1987年の合計38年間)まっただ中の、重苦しい社会情勢であった。

車内の様子

車内の様子

赤いシートの車内には、大きな荷物でも収納できる「網だな」が用意されている。

座席スペースもずいぶん広々としており、LCCで台湾にやって来る観光客としては、自然と心躍る瞬間だろう。

広々とした座席

広々とした座席

あらかじめ購入しておいた弁当。

本当は駅構内で「駅弁」を購入したかったけれど、まだ開店時間前だったので、コンビニでゲットした一品だ。

コンビニ弁当

コンビニ弁当

台湾のコンビニで弁当を買うとき、いつも謎なのがコレ。

二枚もあれば十分なのに、てんこ盛りにしてやってくる、大量の「お手拭き」

大量の「お手拭き」

大量の「お手拭き」

台湾ビールを、ドリンクホルダーにセット。

MRTだと飲食厳禁ルールが徹底されているけれど、台鉄はユルユル。飲食OKなことはもちろん、(周囲に迷惑をかけない常識量であれば)飲酒を車掌さんからとがめられたことは一度もない。

台湾ビールをドリンクホルダーにセット

台湾ビールをドリンクホルダーにセット

ビールは冷たいうちに、弁当は温かいうちに。……ってことで、早速、お食事タイム。

コンビニ弁当といえど、電子レンジで温めてもらったばかりなのでホッカホカ。旅情たっぷりの電車内で食べるという【気分的調味料】も加わって、味は格別

正直なところ、コンビニ弁当も、駅弁も、味クオリティに大差ないと思う。駅弁は若干、おかずの品数が充実しているのと、「鉄道旅行専用」という先入観が混じることもあって、実際以上にチヤホヤされている気がする。

弁当「開封の儀」

弁当「開封の儀」

高菜、ちょっとピリ辛の麻婆豆腐、豚肉と鶏肉が盛り付けられた白米。

アジ吉
ずいぶん肉肉した弁当だなぁ……

最初はそんな印象を受けたけれど、スタミナを蓄えるためには良いチョイスだと思う。特に、ここ南国の台湾では【暑さ対策】という意味でも、理にかなっている気がする。

弁当を平らげた後は、肉肉した味が口に残っているのを、残りの台湾ビールを一気に飲み干して、すっ飛ばしてしまう。なんたる快楽だろう

アジ吉
こんなものでも、最上の幸福感を味わえる我が人生、実にコスパがよろしい

弁当とビールに気を奪われていると、いつの間にか、隣の座席には知らない人が腰掛けていた。薄暗いトンネル内を走っていた列車は地上に出て、車窓には、まばゆい緑の風景が流れている。

流れゆく車窓が楽しい

流れゆく車窓が楽しい

台北を出発してから一時間とたたない内に、ここまで自然豊かな風景が広がっている。

台湾は、全島に占める山林面積が六割にも達する「山深い島」だという事実を、たしかに実感できる瞬間である。

田園風景

田園風景

頭城駅へ近づくと見えてくるのが、亀のカタチをしているとされる「亀山島」

晴れている日であれば、走行中の車窓からも、「亀」のカタチはくっきり肉眼で確認できる

亀山島

亀山島

弁当と車窓を楽しみ、うつらうつらしかける前に、目的地の「頭城駅」へ到着。

下車駅は、ボーッとしていると降り過ごしてしまいがちなので、スマホで現在位置を確認しておくと安心

小鉄道旅行の「ゴール」へ到着

小鉄道旅行の「ゴール」へ到着

一時間半、700円の鉄道旅行は、これにておしまい。

まとめ:「ちょい鉄」したい人にピッタリの路線区間だった

「一時間半」という長さは、鉄道旅行としては、ちょうど良いと思った。

また、「700円」というコスパも魅力的。日本だと、隣町へ行くだけで終わってしまう料金で、ここまで本格的な鉄道旅行気分が味わえるのは、夢のある、素晴らしい話だ。

頭城駅

頭城駅

頭城駅からは、「蘭陽博物館」や「亀山島」を訪問するアクティビティが楽しい。

今後、別記事を作成予定なので、乞うご期待。

(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 専門は台湾とベトナムだが、「副業」として、東南アジア各地も行脚。美味しいもの、おもしろいもの探しには、余念も妥協もない。

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