目次
はじめに:朝の食事なら、萬華区(万華区)が良い
西門や龍山寺かいわいが萬華区(wàn huá qū)、あるいは、同発音・別漢字で、万華区と表記されるエリア。
本記事は、萬華区(万華区)が朝食には最適である理由とともに、具体的なオススメ朝食スポットについて、情報発信するものである。
なぜ萬華区(万華区)か?
まず、本記事は、朝食スポットの質・量が充実しているという理由だけで、ここ萬華区(万華区)を推そうとしているのではない。
昔ながらの下町風景が広まるこの一帯には、コトバでは表現できない、人を惹きつける魅力がある。

萬華区(万華区)の朝
故郷でもないのに、どこか【懐かしい雰囲気】のする街並み。歩く者を退屈させないので、街歩きで腹を空かせ、【朝食スポットを複数ハシゴ】したい場合には、うってつけのエリアだと言える。
路地裏がたくさんあることも、散歩の楽しさをグーンと増量。

萬華区(万華区)の路地裏
あちこちのぞきまくって、自分だけの「マイ路地裏コレクション」をするのも楽しい。
ニャンコとの出会いが期待できるのも、萬華区(万華区)の魅力。

てへぺろ?
自分はニャンコ派よりワンコ派という方も、ご安心(?)あれ。
台湾人には、ワンコ連れで朝食スポットへ行く習慣があることを、お忘れなく。

ご主人待ちの「忠犬」
朝食スポットめぐりはもちろん、SNS投稿用の「キメ写真」が数多く収穫できるエリアなので、一石二鳥である。
街歩きで腹を空かせながら、SNS写真も収穫できる。そんな魅惑のエリアで、元気に営業している朝食スポットを、以下ご紹介する。
萬華区(万華区)エリアの朝食スポット5選
「台湾旅行最終日につき、空港移動がある」という場合でも、うんと早起きしてみよう。
よほどの早朝フライトでない限り、朝食スポットの二つや三つ、ハシゴできてしまうものである。一つで済ませるのがもったいないほど美味しい、おすすめの店をご紹介する。
「阿偉正宗咖喱飯」昭和の給食、素朴なカレー
台湾の街を歩いていると、日本統治時代の建物が多く残されている風景をみて、驚いた方もいらっしゃるだろう。
【古き良き物を大切にする】という台湾文化は、建物だけではなく、時として、料理についても当てはまる———それを体得するかのように営業している「一軒」がここだ。

夫婦で切り盛りしている
龍山寺から至近の三水街市場(sān shuǐ jiē shìchǎng)エリアにある、阿偉正宗咖喱飯(ā wěi zhèngzōng gālí fàn)だ。
店名からも分かるように、「咖喱飯」、カレーライスが看板メニューである。

朝はやっぱり、カレー!
二十一世紀の日本で市販されている【最先端のルー】は、本格的なスパイスが配合されたものが主流、すっかり「気取った」味になってしまっている。
その分、ここのカレーは、まるで昭和時代に学校給食で味わったような、【素朴な味】がする。
カレーは「朝活」に良いと言うし、せっかく台湾へ来たのなら、この【味のタイムカプセル】を体験せずに帰国するのは勿体ない。
店名 | 阿偉正宗咖喱飯 |
住所 | 台北市萬華區廣州街92巷2号 |
営業時間 | 06:00-14:00(月曜定休) |
電話 | 02-2308-4311 |
「周記肉粥店」オカワリ必至、おかゆがススム君
早朝から大勢の地元民でごった返すのが、周記肉粥店(zhōu jì ròu zhōu diàn)。
店名にある通り、肉粥(ròu zhōu)が有名なことに加え、紅焼肉(hóng shāoròu)が有名メニューだ。
どちらもボリューム的には小ぶりなので、両方注文するのがオススメ。

看板メニューの豚肉料理、「招牌紅焼肉」

肉粥
食欲が出づらい朝にも優しい「肉粥」は、地元ッ子にも大人気。
オカワリする気マンマンで入店している人も、少なくない。

着席するなり三杯同時オーダーというツワモノも……
ふところに優しい、お値段、一杯15元、ここは心おきなく、満足するまでオカワリしてみては?
朝食スポットのハシゴを前提で食べ歩く場合は、【ペース配分】を考えた上で、オカワリしたい。
店名 | 周記肉粥店 |
住所 | 台北市萬華區廣洲街104号 |
営業時間 | 06:00-16:50 |
電話 | 02-2302-5588 |
「牛腩湯・排骨湯」台湾では珍しい、【牛肉麺以外】の牛肉料理
次は、なんと、店名なしの「一軒」。
とは言っても、台湾では(有名店なのに)店名がないことは、よくある話。
店頭にあるメニューを見ると、牛腩湯(niúnǎn tāng)・排骨湯(páigǔ tāng)のフォントがデカい。

メニュー
これらが看板メニューであることは明らか。実際、インターネット上には、「廣州街無名牛腩湯.排骨湯」として台湾人ブロガーに紹介されている。
「店舗」も【ちゃんとした建物】という体ではなく、屋台を軒下へ設置したようなスタイル。

店舗の雰囲気
だが、台湾って、こういう(失礼だけれど)小汚い感じがして、店名のないところが、たいていレベルが高いのである。
看板メニューの「牛腩湯」を、白飯とセットで注文。

牛腩湯と白米
台湾では、牛肉を食べる文化が進化しておらず、【有名ドコロ】といえば、牛肉麺ほどしか考えつかない。
そういう意味で、ここの「牛腩湯」は大変貴重なメニューであり、お味は、総じてアッサリ。
口に含んだ瞬間、肉が骨からホロリと分離してしまう、【極上の柔らかさ】が何とも言えない。
店名 | 牛腩湯・排骨湯 |
住所 | 台北市萬華區廣州街245号(廣州街と梧州街の交差点付近) |
営業時間 | 06:00-12:30(売切れ次第、閉店) |
電話 | 02-2302-5588 |
「淞品土雞專賣店(萬華店)」地元民も殺到する鶏肉専門店
次は、淞品土雞專賣店(sōng pǐn tǔ jī zhuānmài diàn)、鶏肉を愛するすべての地元民を虜にしてやまない人気店。
いつ行っても混雑しているので、並ぶのが平気な人向けの「一軒」となる。

行列は覚悟を
とは言っても、基本、調理済みの鶏肉を細かくぶった切るだけなので、品物準備に時間はかからず、「見た目」ほど長い間、行列で待たされることはない。
ちょっとばかし余談をすると、この店のご近所に住んでいる白黒ニャンコは、気難しさで言うと(アジ吉が台湾で会った中で)歴代トップを争うレベル。

気難しいニャンコ
人間同様、ニャンコにもいろんな「キャラ」があると思うけれど、五十枚ちかくシャッターを切り直してようやく一枚撮らせてもらえたのが、この「不機嫌」フェイス。ここまで気難しいニャンコ、そうそういない。
閑話休題。
店頭メニューは、ずいぶん「品揃え」が豊富。

メニュー
おすすめは、小盤(xiǎo pán)という、「お一人サマ」用の単品。
最高峰クオリティの鶏肉料理が、たった100元という【破壊的コスパ】でゲットできてしまう。

小盤
なお、「小盤」には二種類のラインナップが用意されているが、見事なほどキャラが異なっているため、以下を参考にしながらチョイスしよう。
もちろん、両方オーダーというのも有リ。
- 鹽水雞(yánshuǐ jī)……塩水漬けのチキン。やわらかプルプル。水分うるうる、コラーゲン多し
- 甘蔗雞(gānzhè jī)……サトウキビで味漬けされたチキン。がっちりピチピチ。しっかり焼かれてる
「鹽水雞」は、こちら。

表面は白っぽい(鹽水雞)

コラーゲンの量がやばい(鹽水雞)
「甘蔗雞」は、こちら。

表面は黒っぽい(甘蔗雞)

よく焼かれてる(甘蔗雞)
「小盤」に限ったことではないが、鶏肉は人の手でカットするため、一皿一皿、肉の部位や、きざみ方がバラバラ。
そもそも、カットされる前から、カタチもサイズも異なっているのだから、カットされた後なら、もっと個性が分かれてしまうのは、当然のこと。

カタチもサイズも違う鶏がストックされている
レジで注文する際、どの皿がいいか「指名」するよう求められるので、順番待ちをしている間、【第三希望】くらいまで決めておくとスムーズだ。
やわらかい部位が好きなら、「ふくよか」な肉付きの個体。
かための部位が好きなら、「引き締まった」個体。
【脳内ランク付け】しておこう。
前に並んでいる人に「お買い上げ」されたときのガッカリ感がある一方、目当ての「一皿」をゲットできたときの喜びは、ひとしお。こういった「駆け引き」的な楽しみがあるのも、この店の特徴だと言える。
店名 | 淞品土雞專賣店(萬華店) |
住所 | 台北市萬華區三水街84号 |
営業時間 | 08:00-18:00(月曜定休) |
電話 | 02-2336-5382 |
「85度C(萬華廣州店)」食後のデザートはここで
龍山寺から、徒歩一分くらいの距離にあるスイーツ店、85度C。
朝食スポットのハシゴで胃がくたびれてきたとき、洋風のスイーツは、ちょうどいい気分転換になる。

蛋黄酥(卵黄ケーキ)
店内には、ケーキやパンが多数取り揃えられているが、一口サイズで食べやすい、卵黄ケーキ「蛋黄酥」(dànhuáng sū)や、まるで香港を思い出させる、ポルトガル風タルト「葡式蛋挞」(pú shì dàntà)がおすすめ。
持ち帰りやすいサイズなので、お腹がいっぱいな場合は、ホテルや空港で食べるという選択肢もあり。

葡式蛋挞(ポルトガル風タルト)
台湾だけのローカルブランドかと思ったが、今や、中国本土や香港はおろか、アメリカやオーストラリアへも出店する、勢いある「グローバルブランド」。
【西洋のスイーツで、西洋の国へ勝負に出る】という「台湾ご自慢」の味を、体験してはいかがだろうか。
店名 | 85度C(萬華廣州店) |
住所 | 台北市萬華區廣州街150号 |
営業時間 | 05:00-24:00 |
電話 | 02-2336-7992 |
まとめ:本記事でご紹介した5店の一覧「はやわかりマップ」
以上、萬華区(万華区)エリアの朝食スポットをご紹介。
これら5店は、せまいエリアに密集するように位置している。
【食べ歩きプラン作成】する際の目安となるよう、「はやわかりマップ」をサクッと作ったので、参照してほしい(アルファベットの振り方は、本記事での記載順とは合致しない)。

はやわかりマップ
- A「牛腩湯・排骨湯」
- B「85度C(萬華廣州店)」
- C「淞品土雞專賣店(萬華店)」
- D「周記肉粥店」
- E「阿偉正宗咖喱飯」
この一帯には魅力あるグルメが多く、他にも掲載したい店がまだまだあるので、少しずつ追加して行きたい。
(おまけ)台北市内、あるいは台北から日帰り可能な、オススメの穴場グルメスポット
本記事を楽しんでいただけた方は、きっと、以下記事についても、興味を持っていただけると思う。
いずれも、おどろくほど「穴場」の名グルメぞろいなスポットである。
-
-
台湾・板橋(バンチャオ)の観光|台北からMRTで十五分の穴場グルメ街を食べ歩く
目次1 台湾・板橋(バンチャオ)|グルメ食べ歩きの開始前に、市街地を観光2 台湾・板橋(バンチャオ)|「生炒魷魚」にて絶品グルメのイカスープに舌鼓3 焼き餃子、鍋にペタペタ貼って調理するから、中国語では「鍋貼」4 台湾・板橋(バンチャオ)| ...
-
-
三重(台湾)の観光とグルメ|台北駅からバスで20分、B級グルメ・パラダイス。美食の食べ歩きを楽しむ半日観光モデルコース
目次1 はじめに:かつてブイブイしていたローカル街へ2 グルメの街「三重」訪問レポート2.1 今大魯肉飯|何をオーダーしても間違いなしの、「魯肉飯」名門店2.2 三重の街を、ちょっと散策2.3 朱記花枝羹|「天職」を得た店主がふるまう極上の ...
-
-
台湾・北投(ベイトウ)の観光|実は温泉だけじゃない北投。グルメと個室風呂を楽しむ、湯けむり一日旅
目次1 台湾・北投(ベイトウ)|公私クサクサ、ちょっとした「傷心旅行」としてスタートした、ひとり温泉旅2 台湾・北投(ベイトウ)|「漢奇肉羹店」で全三種類の麺にトライ。すべてが「ナンバーワン」になる安定の美味しさだった3 台湾・北投(ベイト ...
-
-
迪化街(台北)の観光|台湾グルメを楽しむ、街全体が「大きな台所」となる早朝の街歩き
目次1 午前六時台に、西門から街歩きをスタート2 「恋愛成就」の神様がいる廟、早朝から働いて暑さを回避する台湾の人々3 朝食は、外で買って食べることが浸透している「朝グルメ先進国」台湾4 めくるめくB級美食グルメに舌鼓4.1 「清粥小菜」| ...
-
-
台北・公館(ゴングァン)の観光|かき氷、豆花など、絶大な自信を持ってオススメできるグルメ情報
目次1 台北・公館(ゴングァン)|「台一牛奶大王」、学生街で五十年愛され続けてきた老舗スイーツ店へ2 台北・公館(ゴングァン)|「龍潭豆花」、店頭メニューが一種類だけのスイーツ店。シンプルさを追求した先にある美学3 台北・公館(ゴングァン) ...
こちらも合わせて、台湾訪問中のプランに組み込んでみてはいかがだろうか。