こんにちは。
「Javaのスキルさえ身につけておけば、一生、食うには困らないだろう」
あまり根拠のない確信をして、学生時代はJavaを一生懸命に勉強した筆者ですが、社会に出て十年経ってみれば、Javaは右肩下がりでもはや業界のトレンドから離脱しており、そのかわり、筆者が学生時代ちっとも注目していなかったJavaScriptが最盛期という状況です。
十年後のことを予測することがいかに難しく、いかに無意味なものであるかを実感する出来事でした。
本記事では、まるでゴ○ブリを想像させそうな、超しぶとい生命力を持つJavaScriptの長寿秘訣に迫りながら、話題を共有したいと思います。
クライアント側で動作するという独自性
いろんなプログラミング言語が誕生しては消え行く歴史を見ていると、JavaScriptがいかに長寿であるかは明白です。
その秘訣は、多くのプログラミング言語がサーバー上で動作するのに対し、JavaScriptには、クライアント上で動作するという、独自性があることも一因でしょう。
そして、クライアント上で動作させるには、ありとあらゆる種類(例:IE, Google Chrome, Safariなど)の、ありとあらゆるバージョンのブラウザでの動作保証をしなければならない大変さがあり、それもJavaScriptが一強となる要因にもなっています(あまりにも多くの人手とお金が必要になるため、JavaScriptのライバルとなるプログラミング言語が、誕生しない)。
この点、サーバー上で動作させるプログラミング言語であれば、サーバーのOS・バージョンさえ気にしていればOKなので、動作保証がいかに楽チンであるかがサックリ理解いただけるはず。
「数はチカラ」。世界で一番多く使われている事実の重み
世界中にある、何百億台(?)というパソコン上で動作しているJavaScript。
JavaScriptは、これまでに人類が開発してきた無数のWebシステム(の一部)として組み込まれており、その中には医療系や公共系など、そう頻繁に置き換えることがないインフラ系のシステムも少なからず含まれているのです。
そう考えると、JavaScriptがある日突然、消えてなくなってしまうとは考えづらいですね。
言葉は悪いですが、数もチカラのうちです。
ちなみに、「数はチカラ」の具体例としては、マイクロソフトのIEについても、ズバリそうですよね。
同社製の最新ブラウザEdgeへの移行が、いつまで経っても遅遅として進まないのは、莫大数のパソコンで動作しており、ユーザが手放そうとしないことが大きな要因です。
UI志向からUX(ユーザエクスペリエンス)志向へのパラダイムシフトにマッチしている
実を言うと、純粋なJavaScriptで、ゴリゴリとロジックを組立てることって、全体に占める割合としては少ないと思います。
多数派なのは、フロントエンドフレームワーク(例:Vue, React, Angular)といった枠組み内で、フレームワークの線路から脱線しない範囲でのカスタマイズを行う開発や、外部ライブラリをインポートして、それを駆使するという使い方でしょう。
こういったフレームワークが整備されていることから、JavaScript初心者でも、最低限の品質を担保したソフトウェアを開発することのハードルが、グーンと下がっているのは事実です。
そして、フロントエンドならではの柔軟性をいかし、今流行りのユーザエクスペリエンスからユーザ満足度を高める場面においても、JavaScriptで動作するフレームワークの独壇場と言える状態が続いています。
Facebook(ちょっと使いづらいですが)や、Amazon(これは使い勝手最高だと思います)においても、JavaScriptがゴリゴリ大活躍していることから、その操作体験が世間一般的なデファクトスタンダードとなり、システム開発者としては、「Amazonのあれみたいに動くようにして欲しい」というニーズをぶつけられることも増えていくでしょう。