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はじめに:これからは「世界に助けてもらう」という発想を
こんにちは。
ITでは「後発国」にあたる日本。
いくらGoogleが便利になった時代とは言えど、日本語でググっても、(特に新しいフレームワークであれば)十分な情報が得られないことも少なくありません。
そういうとき、ITエンジニアの頼りになるのが、【日本語】という枠組みから一歩踏み出し、「世界でググる」という発想。
- 新規技術(開発言語、フレームワーク)はアメリカ発祥であることがほとんど。鮮度の高い情報が集まるのも、英語話者の作成したページが中心になります
- 地球規模で見れば、英語話者の人口が、日本語話者の人口を凌駕する状況。英語話者を「母集団」とするグループの方が、優秀なITエンジニアの人数も豊富
- (これは「優位性」じゃないかも知れませんが……)日本では、助けを求める質問者に「ググれカス」というひどい言い方をするネット住民も少なくありませんが、海外では、そんなネガティブなコメントを受けることは、ほとんどないように感じます
ITエンジニアの戦う開発現場では、予期せぬ技術トラブルが発生し、プロジェクトの進捗に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。
日本語でググることに加え、「世界でググる」というワザも併用できれば、そういったピンチな状況に出会っても、問題解決へ至る時間をグッと減らせる可能性もあります。
本記事では、英語があまり得意でないITエンジニアでも、今日いますぐ活用できる、お手軽簡単テクニックをご紹介します。
Googleを使って「世界に助けてもらう」。具体的テクニックとは?
それでは、早速、「世界に助けてもらえる」ようになりたいと思います。
シンプルですが、即効性のあるテクニックばかりなので、ただ記事に目を通すだけではなく、是非、今日からでもドンドン活用してみてください ------ 二週間も続ければ、「電卓」のように【使えて当然】のスピード感が出て来ると思います。
そのGoogleサイト、間違っていませんか?
英語で質問をするには、まずは、正しいGoogleへ接続しましょう。
特別な設定をしない限り、日本国内でGoogleにアクセスすると、(日本語ページが検索結果に表示される)日本語阪Googleに接続されてしまい、英語のページが、検索結果に表示されなくなってしまいます。
お気づきの方も多いと思いますが、英語版Googleと、日本語版Googleでは、表示言語のみならず、検索結果も変わってしまうということを念頭にいれましょう。

まずは、正しいGoogleサイトへアクセスすることから
英語版Googleへアクセスするには、以下リンクを「お気に入り」へ登録しておくと、便利です。
https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
ここからアクセスすると、英語の検索キーワードを入れると、英語のページだけが検索結果に並ぶようになります。
Google【キーワード欄】に入力すべき英文。驚くほど簡単に作る方法とは?
正しいGoogleサイトへ接続したら、【キーワード欄】へ入れるための英文を考えるステップです。
結論から先に言います。
以下、いずれかの「公式」に当てはめれば、Googleエンジンが自動的に、最適な情報を検索してくれます。
- <ネガティブな形容詞> + <名詞> + <開発ツール名>
- how do I + <名詞> + <開発ツール名>
※「ネガティブな形容詞」の代表格
- large(サイズが大きい)
- slow(遅い)
- unstable(不安定な)
- duplicated(重複している)
「公式」は2パターン用意していますが、実際に、それぞれを使って「世界でググる」実習をやってみましょう。
頭で悩む前に、手を動かしてみるのが、一番てっとりばやいです。
ケーススタディ1:巨大データのCSV出力で、技術的問題をかかえているとき
要件定義によっては、巨大データ(例:一年間の全従業員の勤怠レコード)を一括CSV出力するような機能を開発することもあるでしょう。
メモリオーバーや、(長時間処理による)ブラウザのセッション切れなど、いかにもトラブルを招きやすそうなシチュエーションですね。
こういった、何らかの技術トラブルを抱えている場合、以下のようにキーワード選出します。
1つ目の「公式」:<ネガティブな形容詞> + <名詞> + <開発ツール名>を使います
- <ネガティブな形容詞> = large
- <名詞> = csv
- <開発ツール名> = laravel
すると、「large csv php」というキーワードが得られます
生成されたキーワードは「large csv laravel」という、中学や高校の学校教育で学ぶ英文法としては「不正解」ですが、そこは気にしなくても大丈夫です。
日本語でググるときだって、「大量 データ laravel」という風に、日本語文法として「支離滅裂」なキーワードを入力することは、ごく普通にあると思います(英語でググるときも、考え方は一緒です)。
すると、以下のようにGoogle検索が「続きの」キーワードを提示してくれます。

ケーススタディ1:巨大なCSV出力
importかexportを選ぶように「Googleサジェスト」機能が促してくれます。
CSV出力ロジックにまつわるトラブルを解決したいため、どうしても「出力」にあたる英単語を入れたい気持ちになりますが、そこはグッとガマンするのがミソです。
- <ネガティブな形容詞> + <名詞> + <開発ツール名>
もう一度「公式」を確認すると、「動詞」が含まれていなかったことに気づくでしょう。
そもそも、動詞である「出力」を日本語に訳すると、outputやexportなど、かなり多くの候補キーワードが出てくるので、ついつい、どう質問したら良いか迷ってしまいがちなのです(日本人だけでなく、英語のネイティブ話者にとっても、同じことだと思います)。
そこで、あえて、検索キーワード欄に「動詞」を含めなくとも、Googleサジェスト機能が、最も優れたコロケーションの「動詞」を自動で提案してくれたことに注目してください。

検索結果
こうやって出力された検索結果は、(必要に応じて)Google翻訳のチカラを借りれば、十分に理解できる内容だと思います。
もう一例、やってみましょう。
ケーススタディ2:新しいフレームワークでのPDF出力方法を調べたいとき
新しく導入したフレームワーク(例:CakePHP)で、PDF出力をしたいが、どうやったらいいか方法が分からないというシチュエーションを考えます。
もちろん、今では日本語リファレンスも充実しているため、「世界でググる」必要性はありませんが、あくまでも練習の題材として、です。
ここでは、2つ目の「公式」を使い、以下のようにキーワード選定します。
2つ目の「公式」:how do I + <名詞> + <開発ツール名>を使います
- <名詞> = pdf file
- <開発ツール名> = cakephp
すると、「how do i pdf file cakephp」というキーワードが得られます
一つ目の例と比べると、大分、本物の「英文」らしくなりましたが、動詞がなかったり、aやtheがなかったり、単数系・複数形も明確に区別されていない点など、完全とは言えない状態です。
それでも、気にする必要がないところは、Googleのすごさです。

ケーススタディ2:新規導入したフレームワークでのPDF出力
今回の例では「Googleサジェスト」機能が働きませんでした。
気にせずEnterキーを叩くと、以下のように表示されます。

検索結果
検索結果の中には、view(閲覧する)、generate(作成する)など、コロケーションのヒントとなるような表現がゴロゴロ落っこちていますので、これらを検索キーワードを追加することで、目的の情報へ、さらに一歩近づけるでしょう。
繰り返しになりますが、ITエンジニアの質問を英作文する上で、一番難しいのは「動詞えらび」ですが、これをGoogleエンジンに助けてもらうというのが、ミソです。
そもそも、IT用語ってほとんどが(そのままカタカナ表記されただけの)外来語であるため、名詞は日本人でも簡単に英訳できることが多いんです。
名詞を中心に、検索キーワードを組立てることで、自分が知りたい情報を確実にゲットできるということが、確認いただけたと思います。
まとめ:Googleで「世界に助けてもらう」テクニックをマスターしたら、こちらもトライ
以上、「世界でググる」ための、具体的な即効テクニックをご紹介しました。
本記事でシェアしたテクニックが使えるようになれば、当然、(Googleに限定しなくとも)海外の質問サイトを活用することもできるようになります。
日本では、有名どころの質問サイトとしては「教えて!」や「Yahoo!知恵袋」、専門的な内容としては、Qiita(こちらは、情報共有サイトですが……)を思い浮かべる方が多いと思います。
海外のITエンジニアがよく使う質問サイトは、以下の三種類(もちろん、言語は英語です)。
- https://stackoverflow.com/ ありとあらゆる話題
- https://softwareengineering.stackexchange.com/ システムアーキテクト的な話題
- https://codereview.stackexchange.com/ コーディング内容の話題
実はこれら三つのサイト、(あつかう話題ジャンルに違いはありますが)同一コンセプトで運営される姉妹サイトであり、画面操作UIが統一されていることからも、そのことが垣間見られます ------ 二つ目と三つ目は、そのドメインからも「近しい運営コンセプト」であることがイメージしやすいですね。
大きな時差のある国もあるため、退社時(日本の夜)に質問をしておくと、翌朝には、昼夜逆転している国のITエンジニアから応答が得られることも多いです。
また、新しい技術について、日本語での情報が少ない場合であっても、既に海外のITエンジニアが問題解決しているQ&Aデータが見つかることもあるので、是非とも、利用してみてください。