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はじめに:エンジニア職に必要な英語力って、ぶっちゃけ……
こんにちは。
エンジニアは勉強熱心な方が多く、【通勤電車で英語を学んでいる】という方も少なくないでしょう。
TOEICや英検は、語学学習の「マイルストーン」がわりになり、うまく活用すれば、モチベーションを維持したり、客観的に能力を見つめたりできる「お助けツール」。

語学試験は「マイルストーン」にも……
それでは、実際問題、TOEICや英検でどれくらいの成績があれば、「エンジニア業務」をこなせると言えるのでしょうか?
本記事では、そういう素朴なギモンについて、筆者が周囲から見聞きした情報を元に、考察してみたいと思います。
TOEIC・英検、どれくらいあれば、エンジニア業務可能?
これには、いくつかの観点があります。
履歴書に書けるか?という観点
エンジニア職を目指して、就職・転職するという場合。
「履歴書に書けるか」と考えたときは、以下が一つの考え(目安)です。
× 書かない方がマシかも
△ 書いても損はしない
○ 書いてもOK
◎ 有利になるかも
成績 | 日系企業 | 外資系企業 | ||
新卒 | 既卒 | 新卒 | 既卒 | |
TOEIC 500点 | △ | × | × | × |
TOEIC 600点 (英検2級) |
○ | △ | △ | × |
TOEIC 730点 (英検準1級) |
◎ | ○ | ○ | △ |
TOEIC 860点 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
新卒であれば、(企業側にしてみれば)能力や経験をはかる判断材料が乏しいため、語学試験は一定の「効力」を持つでしょう。
既卒になると、語学試験よりは、過去の業務実績が重要視されるため、新卒時ほどの影響力は持たなくなります。
また、日系企業、外資系企業の違いもあると思います。
仕事が回せるか?という観点
エンジニア職として英語を使う場合、実は、語学試験のスコアってあまり参考になりません。
TOEIC 600点(英検2級)くらいの成績があれば、あとは、エンジニア職としてよく使う定型表現を暗記しちゃえば、仕事は回せるようになるものです。

Reading, Writing, Listening, Speaking... どのスキルがいるか?
語学試験のスコアよりも、Reading/Writing/Listening/Speakingのうち、どの技能が、どれくらい求められるかと考えた方が、現実的です。
例えば、「とあるJaveフレームワークの解説書が英語でしか提供されておらず、それを読みたい」という業務のケースなら、Readingだけあれば、仕事は回せるでしょう。
一般的に、【読み書き】に偏重した、日本の英語教育を受けてきた場合、以下のような傾向が見られるでしょう。
- 読む > 書く 「読む」は大丈夫だが、「書く」のは自信がない
- 聞く > 話す 「聞く」のはユックリならいけるが、「話す」のは厳しい
- 読む > 聞く 「読む」と「聞く」なら、「読む」の方が得意
もちろん、帰国子女はこの限りではありませんし、人によっては「違うよ」という方もいると思いますが、一般的な日本人なら……
【とっつきやすい】 読む > 書く ≒ 聞く > 話す 【難しい】
という「スキル序列」があるため、以下のように考えることができます。
× できない
○ できる
段階 | スキルセット | Reading | Writing | Listening | Speaking |
1 | 英文を読む (マニュアル、メール) |
○ | × | × | × |
2 | メールの読み書き 会議(発言なし) |
○ | ○ | ○ | × |
3 | 電話応答 会議(発言あり) |
○ | ○ | ○ | ○ |
まずは1〜3、どの段階のスキルが求められるかを、明確にしましょう。
もし、段階1(Readingのみ必要)なら、TOEICのReadingセクションスコアだけを上げるような学習スタイルを取った方が、合理的と言えます。
昇進試験にパスできるか?という観点
企業の中には、英語試験の成績を昇進要件に組み入れるケースもあります。
詳細は昇進時に必要なTOEICスコアは?の記事に詳しいですが、概ね、TOEIC600点あれば、ほとんどの企業では問題なさそう。英検2級相当ですね。
外資系だと、TOEIC730点以上、英検準1級ほどのケースもあるようです。
まとめ:高スコアより、業務定型表現習得を目指そう
以上、TOEICや英検でどれくらいの成績があれば、「エンジニア業務」をこなせるかについて、記事をまとめてみました。
ざっくり要約すると:
- エンジニア職をこなすには、TOEIC 600(英検2級)くらいの基礎力をつけると良い
- 業務上、頻繁に使う定型表現をストックすることが効果的
- Reading/Writing/Listening/Speakingのうち、どの技能が、どの程度必要かを見極めた上で、学習プランを作成することが有効
ということをご紹介しました。
余談)「工業英検」はマニアックだが有益
本記事では詳しく扱いませんでしたが、エンジニア職に特化した英語を身につけるなら、TOEICや英検より、「工業英検」が有益だと思います。
社会的には、スポットライトを浴びることもなく、ほとんど評価されることもありませんが、純粋に、エンジニア業務で使える英語を鍛えたい方は、工業英検の過去問を積極活用するのも一案です。

エンジニア職に特化した英語力をバランス良くみにつける「工業英検」
グレードとしては、工業検定3級、工業検定2級が良いでしょう。
なお、工業検定1級は、英検1級やTOEIC満点の保有者でもクロウするという話を聞いたことがありますが、そもそも工業英検1級を受験するレベルの方であれば、実務上、英語で困ることは、かなり少なくなっているものと考えられます。