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無茶ぶり de 旅スタート

旅のスタートポイント、「林安泰古厝」



出国一週間前、そういうやりとりを台湾人の友人と交わした。
とりあえず、アジ吉が行ったことのあるスポットを一覧リストにして友人へ渡し、「あとはお任せ」状態で、このツアーは具現化されていった。台湾へは何十回と渡航し、だいたいの有名ドコロはコンプリート済みのアジ吉。
友人へは、無理難題を押し付けることになったが、そのツアーとは一体!?
「二人とも行ったことのない台北」ツアー


台北駅で友人とおちあい、そう聞かされた。
ちなみに、彼は台湾国籍・台湾在住でありながら、大学を出るまでほとんどオーストラリアで過ごしたため、思考回路は完全に「欧米人」。なお、家庭内では中国語を使っていたため、完璧な英語、完璧な中国語をあやつる、バイリンガル育ちでもある。
外国語はもちろん、日本語もあぶなっかしい、不器用なアジ吉にとっては、心強い「ツアーガイド」。
林安泰古厝|インスタ映えする、築二百年の民家からツアー開始
ツアーの始まりは、『林安泰古厝』。

二百年、ずっと守られてきた「林安泰古厝」
日本では、築百年に満たなくても崩壊寸前の空き家が増えて社会問題化しているが、ここ「林安泰古厝」は実に、二百年近くの歴史を誇る民家。
さすがに現在では使われていないが、結婚式用の写真撮影を目的に、次から次へとカップルが訪問しており、その人足が途絶えることはない。
つまり、保存状態が良く、「インスタ映え」で有名なのだろう。
あいにく小雨が降っていたけれど、それによって、直射日光を遮ることができ、レンガの表面に光沢が出ていた。きっと、雰囲気のある「結婚式写真」が多数、仕上がっただろう。
南国・台湾と言えど、冬はヒンヤリとするもの。冷えきった体を温めるため、温泉へ向かう。台湾温泉街の雰囲気とは?
川湯温泉|ここは日本? 演歌のながれる温泉街
小雨の降る中、続いて訪れたのは『川湯温泉』。

「川湯」という名の通り、温泉のそばには「川」が流れる
温泉のすぐそばには川が流れている。
「川湯」というから、温かい川が流れているのかと思ったがそうでもなく、川のそばにあることに由来していた。

「川湯温泉」の風景

「川湯温泉」の風景
もし目隠しして連れて来られたら、「ここは絶対日本」と信じてしまいそうなほど、日本の雰囲気そのままの街並み。
たいへん皮肉なことだが、「古き良き日本」を残そうという意欲は、日本よりも台湾のほうが強いように感じる。

台北「川湯温泉」、ここは日本か?

台北「川湯温泉」、この階段をくだる道では、日本の演歌が流れる
演歌がフォルテシモで再生されてるトコは「ちょっと、日本の雰囲気とは違うかなぁ…」と思った。それでも、台湾がかつて日本だったことを、十分な説得性をともなって物語るエリアである。
打たせ湯が、気持ちよかった。
気がつけば、もう夕暮れが近く、食事をするのにちょうどいい時刻であった。「台湾ツウ」となりつつあり、レストラン選びに口うるさいアジ吉をつれて、友人が向かう先とは?
艋舺清水巌祖師廟|シメは、牛肉スープ漬けご飯


我がままなアジ吉をつれて友人が向かったのは、「艋舺清水巌祖師廟」。
通りからは、ちょっと奥まった場所にヒッソリと建っており、普通の観光客なら、見過ごしてしまいそうなスポットだ。

いかめしい雰囲気の「艋舺清水巌祖師廟」
ちなみに、ここから徒歩三分ほどの距離には、非常に有名な観光スポット「龍山寺」がある。
観光客も多数集う「龍山寺」とは対象的に、こちらは、地元の人々から愛されている「ローカル廟」という印象。

廟の敷地内に、ガッツリと食堂がオープンする素敵なアジア仕様
ここは、廟の境内に飲食店が開かれており、神様が祀られた祠のまん前(!)で、お酒を飲みながら食事できるという、日本ではまず考えられないスポット。
日本でも、神社のまつりごとでは、割とお酒を飲んだりするけれど、平常時からお酒を飲める飲食店があるというのは、サプライズ。

「台湾ラーメン」にトライ
カウンター式の座席に腰掛ける。
底抜けにあかるい、店のネーさんがやたらオススメしてくる「台湾ラーメン」を注文。
小雨の中、ちょっと冷えた体に、温かいあっさり出汁が優しくしみ込んでいくのを感じる。

「牛肉大王」にて、牛肉スープごはんを愛でる
ハシゴ先の「牛肉大王」では、牛肉スープを注文。
白米も一緒にオーダーし、いわゆる「スープ茶漬け」でいただいたら、何杯でもズブズブすすってしまいそうな美味しさだった。
一日歩きっぱなしだったのと、温泉に長時間浸かったのとで、ツアーの終わりはクタクタになり、ホテルへ帰って泥のように眠った。