目次
はじめに
以下のような方へは、参考になるかも知れない。
- 朝起きてから、午前十一時くらいまでなら、街歩きができそうな「スキマ時間」がある
- 台湾旅行の最終日。午後いちばんのフライトがあるので、台北駅からあまり離れることはできないが、街歩きを楽しみたい
- 西門や万華(艋舺)の魅力をコンパクトに楽しむ散歩ルートを組みたい
西門、万華(艋舺)エリアの魅力ある風景も、多数写真に収めているので、是非ともチェックいただければ嬉しい。
標點符號創意早午餐|台湾人に人気の朝食スポットで、台湾料理じゃない朝ごはん
台湾旅行最終日の朝。
早起きをして、朝ごはんを食べよう。

小鳥も「朝ごはん」を食べているところだった
西門駅から淡水河に向かって徒歩十分、「標點符號創意早午餐」という朝食屋(パン系)へ。
いま、台湾の若者に人気の朝食スポットらしい。

ミルクティー(大)
ミルクティーは、ちょっと苦みを帯びているところがいい。
ホットケーキのシロップの甘さとバランスが取れており、ずいぶんボリュームがあるのに、食後感スッキリだ。

「音符コンボセット」
目玉焼きは、かなりの半熟だが、簡単に黄味が破れることのない、絶妙な焼き具合。
黄味を一滴もこぼさず、口の中に運べる安心の一枚、アジ吉のストライクゾーンにド命中。

目玉焼きは二つ乗っている
「標點符號創意早午餐」については、別途、特集記事を書いた。
もし興味をもたれたら、チェックいただけると幸いである。
-
-
標點符號創意早午餐(台北・西門)|地元の若者に人気の朝食スポット
いま台湾人に話題の人気朝食スポット 「標點符號創意早午餐」。 難しい漢字が入り乱れていて、なんて読んでいいのか分からない店名だ。 店頭メニューの値段を見ると、セットが百五十元くらい。ちょっと強気の価格設定という気もするが、そんなに高くない。 ...
直興市場|早起きの台湾人が集まる「朝の社交場」。地元のディープな空気に触れる
時計は、午前七時半を指している。
まだ交通量が多くなく、日差しもきつくないので、街歩きを開始するには、本当に気持ちのいい時間帯だ。

まだ交通量も少ない
ヒンヤリとした金属が気持ちよいのだろうか。
野良にゃんこが、ほっぺたをなすりつけて、ウットリした表情をしている。

気持ち良さそうな表情。にゃんこ発見
台湾での「朝の街歩き」といえば、市場だろう。
朝の台湾は、市場に行かなければ、なにも始まらない。
台湾の人々は早起き。買い物や、食事をしに集まってくる市場こそ、「朝の社交場」となっている。

「直興市場」へ
やって来たのは、「直興市場」。
アーケードは、せまい路地にひっそりとたたずんでおり、注意しないと、素通りしてしまいそうな地味さである。

早朝から買い物に出かけている人々も多い

美味しそうなトマト

商品棚にならぶパイナップル
新鮮そうな食材がたくさん並び、太陽の光を受け、鮮やかな色を放っている。
パイナップルが陳列されているのを見て、ここが常夏の国であるという実感を新たにする。

見たことのない「茄子」のようなもの
中には、日本では見たこともないような食材もある。
ゴボウのように細長いカタチをしているが、色は紫、これは「茄子」の親戚だろうか。

「直興市場」内へ
二人がすれ違うのがやっとという幅狭のアーケードには、野菜、肉、海鮮、スパイスなどのにおいが充満し、「香りの百貨店」状態。
朝一番、店の前に水を流して清掃する店も多く、市場内の空気は、すこし湿りっ気があり、ヒンヤリしている。

店の前に水を流して、清掃する店も多い
しばしば、自転車のベル音や、バイクのエンジン音が鳴り響く。
日本の商店街アーケードでは、自転車やバイクの通行は(建前上は)禁じられているが、ここ台湾では「市民権」を得ている。

自転車やバイクも通過
通行人も、乗り物も、お互いにゆっくり移動すれば大丈夫だ、というおおらかな考えが台湾人にはある。
ベル音やエンジン音が聞こえると、買い物中のお客も、自然に道を作って、乗り物が通れるだけの幅があっという間にでき、通過後は、何もなかったかのように、すぐ元どおりに塞がってしまう。
台湾版「モーゼの十戒」を目撃した気分も味わえる。
実際、台湾の市場で、乱暴な運転をする自転車やバイクに出会ったことはないが、人々の間で、自然に「譲り合い」の精神が働いているのではないか。
清水巖祖師廟|ビルの谷間にひっそり建つ、台湾人も知らない名刹
直興市場を出てすぐにある古風な廟が、「清水巖祖師廟」だ。
台湾人の友達でも、この廟を知らない人の方が多いので、本当に「台湾人も知らない台湾」という名刹だ。
近所の人たちが日頃から掃除を徹底しているのか、いつ来ても、古風ながら清潔に保たれている。

「清水巖祖師廟」

掃除が行き届いている

境内で掃除をしていた淑女に声をかけてもらった。
初老というにはまだ若くて、日本語で教育を受けた世代ではないだろうに、日本語が流暢で、驚いてしまった。

大量の爆竹かす
大量の爆竹かすが、ホウキで掃かれているところだった。
ちょうど前日に、台湾で航海・漁業の守護神として信仰されている「媽祖」のお祭りがあり、さぞや賑やかだったろうことは、爆竹かすの量から想像がつく。
剥皮寮歴史街区|昔ながらの街並が保存された一帯
龍山寺へ参拝に向かうまえに、「剥皮寮歴史街区」へ寄り道。
昔ながらの街並が、そのまま保存された一帯で、台北でもひときわ「レトロ感」を味わえるエリアだ。

剥皮寮歴史街区(1)

剥皮寮歴史街区(2)
人通りが少ない早朝であれば、レトロな雰囲気の街並みを、ゆったり楽しむことができる。
清掃は行き届いており、台湾の人々が、古き良き文化を大切にしていることも垣間見れる。

レンガをアーチ状に組み合わせてできた廊下

早朝時間をねらえば、見学者も少なく、落ち着いて観てまわれる
いわゆる「インスタ映え」スポットとして、知名度が高まっているようだ。
カメラっ子の姿もちらほら。

「インスタ映え」を求めるカメラっ子も……
「結婚写真」を撮影するカップルも、たまに見かける。
余談になるが、ここ一帯は、実力派B級グルメの飲食店が多数あることも特記に値する。

おいしい飲食店が多い
美味しくて、かつ、経済的なメニューがそろった庶民派レストランの数々を楽しめる。
別の記事で、いつか、ゆっくり紙面を割いて紹介してみたいと思う。
万華の軒下歩道「騎楼」めぐり|台湾ならではの「屋根付き歩道」を愛でる街歩き
台湾の街々では、まるで、民家の一階部分が連なりあうようにしてできた、「軒下歩道」が形成されている。
「騎楼」と呼ばれるこの建築スタイルは、日本統治時代に設置が義務づけられたことから、急速に普及したという。
昔ながらの街並と相まって、ここ万華(艋舺)では、雰囲気ある「騎楼」が多数集まっており、それを観てまわるのが楽しい。

万華における軒下歩道「騎楼」の例(1)

万華における軒下歩道「騎楼」の例(2)

万華における軒下歩道「騎楼」の例(3)
お気に入りの「騎楼」コレクション集を作るのも、楽しいと思う。
過去に多数撮影した、味ある「騎楼」たちについて、いつか、別記事で紹介したいと思う。
龍山寺|音楽のような読経。外国人観光客も両手を広げて受け入れる懐の深い寺
言わずもがなの有名観光スポット、「龍山寺」へ。
「ヨソもの」の外国人観光客でも、地元の参拝客と同じように、両手を広げて受け入れてくれる懐の深さを感じる寺だ。

「龍山寺」

線香の点火所

日曜の早朝でも、参拝客が次から次へとやって来る

台湾の人々は信仰心が厚い
この日の参拝客は、高齢女性が中心。
ちょっとかわった「お経」で、まるで音楽のように、楽譜にできそうな「メロディ」になっており、人々は、歌うように唱えている。
ただ、人々の本をのぞいてみても「楽譜」にはなっておらず、漢字の羅列のみ。きっと、このメロディは、耳コピで覚えているのだろう。

お経が書かれた本を、一人ひとり、手にしている
こちらの中年男性は、通勤途中なのだろうか。
お経の書かれた紙を、おもむろに手帳から取り出し、龍山寺の中まで入る様子はないが、門の近くで、読経している。

小さく折り畳んだ紙を取り出す男性
台湾の人々は、自分が無理しないで済む「スタイル」と「頻度」を考えて、参拝しているのかも知れない。
一日五回の礼拝が義務づけられたイスラム教と比べると、台湾の仏教は、かなりフレキシブルだ。
天天利|西門にある定番のランチ店。台湾人と外国人観光客で賑わう店内
時計をみれば午前十一時過ぎと、少し早い気もしたが、昼食を食べることとする。
やって来たのは「天天利」。

「天天利」
観光客のみならず、地元っ子にも人気なので、あっという間に席が埋まってしまう。
食べ終わった客が店を出ても、その空席を埋めるように、店員さんは、店内の客に座席を詰めるよう、おねがいして回っている。

大繁盛の店内

外で買っておいたビールを持ち込む
オーダーが届くまで、あらかじめファミリーマートで調達しておいた缶ビールを開けて、一杯おっぱじめる。
魯肉飯に目玉焼きを乗っけてもらったものを注文。

目玉焼きを乗っけた「魯肉飯」
ダシが白米に染み込んでいる加減が絶妙。ボトボトっとならず、白米の歯切れ良いモチモチ感を残したまま、しっとりと味が染み込んである。
ホテルのバイキング形式だと、台湾はどこのホテルでもルーロンファンが置いてあるが、ここまでうまくはできない。
おわりに
軽い散歩をはさみ、朝食・昼食で、そろそろ桃園空港へ向けて出発する時間になってしまった。
午後一のフライトで台北を出発する場合には、こんな過ごし方もできるというモデルコースの紹介。少しでも参考になれば、幸いである。