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はじめに:高度区分は9種類ある「品数豊富さ」が迷う要因にも
こんにちは。
以下のような理由から、高度情報処理技術者試験(以下、高度区分と記す)を検討中の方もいらっしゃるかと思います。
- 「応用情報」取得後のステップアップとして
- 昇進・昇給を目指して
- 専門分野の知識増強のため
最初から受験する資格が明確な場合は良いのですが、ITエンジニアって、いろんな仕事を兼務していることが多いですよね。
たとえば、高度区分の資格上では、データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリストは別物扱いですが、実務では、こういった【試験区分】にかかわらず、両方を「それとなく」活用しているという方が少なくないと思います。
本記事では、高度区分にチャレンジしてみようと思うが、どの資格をターゲットにするべきか迷っている方に向け、意思決定を支援できるようなコンテンツを情報共有してみたいです。
筆者が取得してきた高度区分
三十代、メーカー勤務の社内SE。
ITストラテジスト、システム監査技術者、プロジェクトマネージャを、たてつづけに取得(すべて一発合格)。
現在は小休止中だが、ヤル気が出てきたら高度区分チャレンジを再開し、コンプリートを目指そうと考えています。
出願区分の意思決定、代表的3パターン
それでは早速、【どの高度区分を受けるか】意思決定するための「とっかかり」となる考え方を見てみましょう。
それぞれの考え方について、メリット面のみならず、デメリット面や注意事項も言及しています。
実務領域との「近さ」から決める
まずは、ご自身の日常業務で、どのような領域を担当することが多いか、整理しましょう。
一般論として、経験豊富な領域であるほど、受験勉強の負荷を減らすことができるため、まずは、普段担当している実務領域との「近さ」に着目します。

これまでの業務経験分野で決めるというのも一案
盲点になりがちなポイントとして、実務経験があることは、高度区分の受験にとって「諸刃の剣」であることも、付け加えておく必要があるでしょう。
ご自身の【業務を通じて身につけた知識】を答案に書いて、それが「正解」になるかどうかは、別問題です。
あくまでも、試験問題を作成しているIPAのカリキュラムという枠内で考え、解答することが求められます。
「実務経験」を積んできたというプライドが邪魔をすることで、何度受けても合格できない方は大勢います。
「合格し易さ」から決める
高度区分の難易度ランキングは、インターネット掲示板では、活発に議論されているところです。
偏差値やランキングが気になる日本人の国民性もあるのでしょうが、「合格し易さ」で決めるのも一案。
高度区分は、論文系、スペシャリスト系の2つに分けることができます。
それぞれの難易度ランキングは、以下の通り
論文系の難易度ランキング
おおむね、上流工程ほど、難易度は高くなります。
理由は単純、論文執筆時に配慮すべき「パラメータ」の数が、上流へ行くほど増えるからです。
- ITストラテジスト
- システム監査技術者
- プロジェクトマネージャ
- ITサービスマネージャ
- システムアーキテクト
一番わかりやすい例は、【お金】に関する「パラメータ」。
プロジェクトマネージャであれば、プロジェクト費用だけ気にしていればOKですが、ITストラテジストにとって、プロジェクト費用は「one of them」に過ぎず、会社の経営状況を読み解くような指標まで配慮が必要になります。
このように、上流へ行くほど「守備範囲」が広くなるため、論文の準備も大変な作業になります。
一方、下流は「守備範囲」が狭いからと言って、必ずしも簡単であるとは言えません。
なぜなら、高度区分の論文系は、「守備範囲」の大小はあっても、論文に必要な字数は同じだから、下流へ行くほど、内容の「濃さ」、「詳しさ」を求められることになります。
あまり自分でゴリゴリ開発した経験がなく、いつも外注に任せているというITエンジニアにとっては、ITストラテジストよりも、システムアーキテクトの方が難しいかも知れません。
スペシャリスト系の難易度ランキング
スペシャリスト系の難易度ランキングとなれば、多忙な社会人にとって【暗記量の多さ】が、難易度の指標がわりになるでしょう。
以下のような難易度ランキングになります。
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- 情報処理安全確保支援士(旧:情報セキュリティスペシャリスト)
ネットワークスペシャリストは覚えるべき事項が多いのに対し、データベーススペシャリストは、どちらかというと、知識より論理的思考能力が試される出題内容です。
暗記が苦痛でない場合、ネットワークスペシャリストの方が合格しやすいという可能性もあります。
なお、エンベデッドシステムスペシャリストは、筆者に業務知識がないため、ランキングに含めていません。
「出願時期(春or秋)」で決める
年に二回、受験チャンスのある基本情報や応用情報と違って、高度区分は、年に一回です。
高度区分の資格ごとに、春季か秋季が決まっているからです。
たとえば、出願しようと思い立ったのが8月であれば、春季ではなく、秋季の資格にチャレンジすることが現実的でしょう。
このように、シーズンによっても、受験できる資格が異なるということは、念頭に入れておきましょう。
まとめ:自分にあった「決め方」を選ぶことから始めよう
いかがでしたでしょうか。
この他にも、合格後に期待できる見返りの大きさ(報奨金、手当の金額)をモノサシとする案もありでしょう。
十人いれば十通りとまではいかなくとも、人によって、自分に一番フィットする「決め方」はバラバラだと思います。
本記事が、皆さんの意思決定を少しでもお手伝いできれば、幸いです。