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はじめに:すっかり足が遠のいていた「雨の街」基隆を再訪……
大正時代、一年で300日も雨が降ったという言い伝えが残る「雨の街」、基隆へ。
アジ吉も、過去数回訪問したけど、基隆はいつも雨天だった。
いつの間にか、基隆には「鬱蒼とした街」という固定イメージができてしまい、自然と足が遠のいていた。
そんな中、久々(五年ぶり?)となる基隆訪問のキッカケを作ってくれたのは、いわゆる「鬼月」という呼び名を持つ、中華阪の「お盆」。

「鬼月」のイベント、灯籠流し
日本の「お盆」と同じように、【あの世から先祖が戻ってくる】と信じられている月間で、いろいろなイベントが目白押し。
台湾全土でイベントが催されるのだが、その中でも「基隆中元祭」は、最大級の規模を誇るもので、台湾ファンとしても、いつか訪問したいと考えていた。
念願がかなって、基隆中元祭と、(それにあわせてセットで催される)灯籠流しのイベントに参加したレポートは以下2点を書いたが、熱心な読者の中には、既にチェックくださった方もいるかと思う。
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普通の観光だけで終わらせない基隆(台湾)、おすすめの祭りイベント「基隆中元祭」
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どちらのイベントも、大変見応えのあるものだったが、なにより、ほとんど雨に降られなかったことは、本当に幸運だった。
本記事では、イベントを巡るついでに、およそ半日という持ち時間を使い、基隆グルメを満喫したレポートをご紹介する。
雨の街、看板の街。基隆という不思議タウンで味わうご当地グルメ
基隆駅から、長い歩道橋を渡る。

長い歩道橋
じっと見つめていると、側壁に施された網目模様で、目がグルグルしそうな歩道橋であるが、これを通り抜けると、下町が広まる一帯だ。
「雨の街」は、「看板の街」でもある ------ まるで「香港」のように看板が多い、基隆。

風景を埋め尽くす看板たち
香港の看板って、視界を埋め尽くすかのように並べられているようて、よくよく観察すると、お互いに重なり合わないよう、注意深くレイアウトされているのだが、ここ基隆では、そういう「気配り」は見られず、ダダかぶりしているものも。
(基隆の)街並みや、住民の人柄も、香港のようにツンと気取ったカンジはない。
【細かいことは気にしないキャラクター】なので、肩ひじ張らずに街を歩ける。
こちらは、冥銭(míng qián)と呼ばれる紙製のお金を、まるで折り紙のようにして、作られた船。

「金紙」でできた船
ちょうど基隆を訪れたのが「鬼月」 ------ 日本で言うところの「お盆」に相当するシーズン ------ だったので、この時期の風物詩なのだろう。
「この世」へ戻ってきた先祖を迎えるために供えられ、シーズンが終われば、燃やされるのだろうか?
「基隆 孝三 大腸圈」|地元で大人気の、もっちり米ソーセージ
基隆では、知らない人がいないほどの有名店だという一軒、孝三大腸圈(xiàosān dàcháng quān)へ。

今回を逃すと、基隆を再訪するのが何年後になるか分からなかったこともあり、立ち寄った。

「基隆 孝三 大腸圈」店頭
この店の、看板メニューは、豚の腸にもち米を詰めた、糯米腸(nuòmǐ cháng)。
いわば、【もち米ソーセージ】であり、日本で暮らす限り、およそ生涯出会うことのない食感である。

ソーセージ(皮)に米をつめた「糯米腸」
ソーセージの中身が(肉ではなく)お米であるのは、三口、四口と食べ続けても「違和感」が薄まることのない、不思議な食体験。
しかも、かなりモッチリしたお米なので、小さくとも、腹にズドーンとたまりそうな重量系テイスト。

メニュー

ドリンクはセルフサービス
ドリンクは「紅茶」と「檸檬水」の二種類が用意されており、セルフサービス。
いずれも、飲み放題である。
「阿忠麺店」|人情あふれる路地裏食堂で味わう、ちぢれ麺
別に、台湾の旨い店すべてが「薄汚れた路地裏にある」という法則が成り立つわけではない。
それでも、台湾って、目立たない路地裏に、地元民のみぞ知る「名店」が、元気良く営業していることは珍しくない。

「阿忠麺店」
ここ阿忠麺店(ā zhōng miàn diàn)も、その類いの店で、観光客が決して入ろうと思いつかないような狭い路地にて営業している。
「美味しいよ。食べていきな」
どうしようか迷っているアジ吉の背中を押したのは、店子をするおばさんのひと言だった。

ハリがあり、快活な口調で呼びかけられて、そう確信。

ちぢれ麺が美味しい「乾麺」
かくして入店後に注文したのは、看板メニューでもある乾麺(gān miàn)。
器の底には、ほどよく塩っぱいスープが少量注がれており、スープと麺をからめていただくと、全身が多幸感に包まれる。
そして、セットで注文した魚丸湯(yú wán tāng)が、これまたいい。

魚肉ボール入りスープ「魚丸湯」
団子の中には、魚の肉が詰められており、団子の皮を破ると、魚のダシがにじみ出すという演出。
美味しさに感動していたら、店のお兄さんが「ワンタン」をおまけでサービスしてくれた。

サービスしてもらった「ワンタン」
台湾人の優しさに触れることができて、涙が出そうになるほど良い味だった。
お店の皆さんにお礼を述べ、心もお腹も温かくなって、店を出た。
まだまだ、食べ歩きは続く。
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基隆でグルメと街歩きを楽しむ半日|「郭家巷頭粿仔湯」と「銘記豆花」【後編】
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(後編へ続く)