目次
はじめに:本記事でご紹介するバスルートについて
本記事は、ホーチミン(サイゴン)発、ダラット着のバス乗車体験記となっている。
逆ルート(ダラット発、ホーチミン(サイゴン)着)について知りたいという方は、以下の記事を参照いただければ幸いである。
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【寝台バスでゆく】ダラットからホーチミンへ、旅情たっぷりの七時間ルート
目次1 はじめに:あえて「不便な」バス移動ルートを受け入れることで、得られるものがある2 【ダラットからホーチミンへの寝台バス】体験レポート2.1 朝ご飯で腹ごしらえ2.2 送迎ミニバスに乗って、バスターミナルへ2.3 寝台バスの車内環境2 ...
「七時間のバス旅」出発前に、コーヒー飲んで、心の準備。スタンバイ
夜になっても、いまだ蒸し暑いホーチミンの熱気から逃れるようにして、ファングーラオの「Highlands Coffee」店内へ駆け込む。
ここは、エアコンのありがたさが何倍も感じられる国、ベトナムである。

Highlands Coffeeで一息入れる
今夜からダラットへ向かうが、この旅では、ベトナム人の友人が一緒である。
一人旅だと、ネット検索しないと分からないことが多く、カフェでの時間も慌ただしい。
その分、ベトナムの「エキスパート」とも言える、現地の友人が同伴してくれる旅は、気楽でいい。すべて「お任せ」してしまおう。ゆっくりコーヒーを味わって、くつろぐアジ吉。

飲み干すころには、バス停へ向かう時間に
談笑しながらコーヒーを飲み干すころには、バス停へ向かう時間になってきた。
ホーチミンからダラットまで、片道七時間の寝台バスを予約してある。
外国人観光客が一人もいない、超ローカルなバス停。ダラット行きの寝台バスに乗車
バス停までは、タクシーで十分ちょっと。
スマホアプリ「Grab Taxi」を使えば、料金とドライバ情報が事前に分かって、安心だ。

Grab Taxiでバス停へ向かう
00年時代、東南アジア旅行で一番憂鬱だったのは、あきれるほど強欲なタクシー運転手との料金交渉だった。
2010年代後半からは、タクシー交渉が親指一本で片付く時代になった。時代は、どんどん良い方向に向かっている。

バス停へ到着

出発まちのバス
バス停へ到着すると、外国人が一人もいない、完全なるローカルの雰囲気。
バスチケットを受け取ったときは、あまりにも小さく、あまりにも薄っぺらい紙切れなので、風で飛ばされやしないか緊張が走った。乗るべきバスの番号が記載されている。

バスチケットの紙切れ

バスチケットと合致するナンバープレート

わりとキレイな車体だった
バス内は土足厳禁。
靴を入れるビニール袋をもらえるので、そこに履物をしまって、車内に持ち込む。

ビックリするほど狭い通路

一瞬、躊躇してしまったほど、幅の狭い通路。
蟹のように横歩きをして、かろうじてクリア。

怪しい雰囲気のライト
東南アジアっぽい、怪しい雰囲気のするライトで照らされる車内。
乗客の人数カウントを行いつつ、車掌さんが、飲料水と、おしぼりを配ってまわる。

飲料水、おしぼりが配布される
意外や意外、バスは定刻通りの出発。

と思いきや、バスが走るにつれて、いろいろ粗が見えてくる。
寝台バスで、何のためにあるか分からない「シートベルト」は、そもそも金具がブッ壊れており、使えない。
Wi-Fiは、ホーチミンのバス停を出発直後から、通信速度が下がり、昔のダイアルアップ方式に戻ったかのような世界観。写真一枚を表示させるだけでも、五分くらいかかる。

自問自答したら、急にやる気がなくなって、スマホをカバンにしまい込んだ。
結構すごい山道を走るのだが、夜間で視界が悪いため、カーブにさしかかるたびクラクションを鳴らしつつ、バスは運行。

ネパールで乗ったバスと比べたら全然マシだが、それでも、景色がハッキリ見える昼間に移動していたら、ビビっていたかも知れない。夜行バスだと、風景が見えない分「ビビリ防止」の効果があると思う。
それにしても、ベトナム人はどこでも寝れるスキルが備わっている。
一つの小さな部屋で大家族が「折り畳まる」ように暮らす生活スタイルに慣れているためか、騒音や照明に対する耐性が、日本人よりもはるかに高い。
バスの中は消灯されて真っ暗になり、間もなく、周囲から寝息が聞こえ始めたのだった。
バスを一歩出ると「常夏の避暑地」だった。肌で感じるダラット

ぼんやりとした状態だったが、目を覚ますと、バスはダラットに無事到着。
昨夜、日没後でも熱気ムンムンのホーチミンを出発したときには、こんなものはいらないだろうと思っていた毛布だが、朝起きたら、それに包まっていた。ダラットに入ると、かなり気温が下がるので、毛布は必要品だったのだ。

バスの外に出ると……
バスから一歩外へ出ると、ヒンヤリとした外気が肌をなで、まるでベトナムじゃないような心地よさ。
ここが「常夏の避暑地」ダラットであることを実感。

ダラットのバスターミナル
バスターミナルの中にいる乗客は、一様に疲れきっている様子。
親戚の出迎えがあり、バイクや車に乗ってターミナルを出て行く人がいれば、ベンチに座って休憩している人もいる。

バスターミナルの天井。高い
バスターミナルは、ダラットの市街地から若干はなれているが、心配無用。
小さなバスが運行されており、ホテル近くまで、無料で連れて行ってくれる。

バスターミナルからは、ホテルの近くまで車で送ってもらえる(バス利用者は無料)
ホテルの名前を告げて車に乗り込んだ。
車内シートはギッチリ埋まっていたので、自分が最後と思っていたが、後からやって来た三人家族が、乗り込もうとしている。
全員が縮こまって座ると、乾いた雑巾をしぼったように「スペース」がつくり出され、その家族も無事収容。なんと、ハイエースに合計16人が乗車して、出発進行。

どこまでも「詰め込む」のがベトナムスタイル
これからホテルへ荷物を置きに行って、いよいよダラット滞在が始まる。
ひきつづき、ダラット滞在中の出来事に基づいてレポートを投稿予定なので、是非ともチェックいただけると嬉しい(一週間以内に投稿予定)。