目次
はじめに:きっかけは、ベトナム人大学生グループとの出会い
ゲストハウスで仲良くなったベトナム大学生グループに誘われ、「夜おやつ」を楽しむ食べ歩きに参加。
一回りほど年下の若者グループに混じることは、一種の気恥ずかしさを伴うものであったが、現地事情を熟知したベトナム人と出歩くからこそ得られた、ダラット夕べの「食べ歩き」体験。

日没後の「スアンフーン湖」
ガイドブックにはない、素晴らしきベトナム食体験について情報発信したい。
避暑地の夕べで楽しむ「夜おやつ」体験レポート
涼しさの風にも、「クオリティ」があると思う。
フィリピンやタイなど、東南アジアのショッピングモールでは、暴力的風速でガンガン冷房がかかっている。現地民にとっては「おもてなし」だという涼しさも、長時間あびつづけると体調不良にもつながる、「安っぽい」涼しさの典型例である。
ここダラットは、最上級クオリティの涼しさ。

寒さに敏感なベトナム人は「上着」着用
日中に降り注いだ太陽の地熱がホンノリ残る中、高原独特のそよ風が、肌をなでてくれる。
絶妙バランスで保たれる、暑さ、涼しさの「配合」こそ、ダラットの魅力だと思う。

「ベトナム随一の避暑地」ダラットへやってくる前は、そんなイメージを持っていた。

ナイトライフも充実
いざやって来てみて分かったのは、すっかり観光地化(欧米化?)され、日没後も街が眠ることのない【元気な都市】だった。
ちょっと中心地を離れると「片田舎」というイメージは正しい。

路地に入ると、素朴なベトナムの街並に
これはダラットに限ったことではなく、ホーチミンやハノイなどの大都市についても言えることである。
ピザ専門店「Vuong Pizza」|ピザ屋が乱立気味のダラットでも人気の「一軒」
まずやって来たのは、「Vuong Pizza」というピザ専門店。ダラットはピザ専門店が乱立気味なのだが、そんな中でもダントツの人気を誇る「一軒」だというから、期待が高まる。
「おじさん」としては、ビールでスタートしたいところだったが、まだ社会に出る前の若者たちは皆、ジュースばかり注文している。大慌てで周囲のチョイスに合わせ、「皮むきレモンのジュース」を注文。

レモンジュース
(避暑地といえど)南国の街を歩いて、へとへとに疲れた体に、柑橘系のシャープな甘さが染み渡る。ビールにしなくて正解だったと思う美味しさ。
ハタチ前後の学生たちが選んだたけあり、肉肉したトッピングのピザたち。

ピザ その1
ピザの表面が覆い尽くされそうになるほど、肉という肉が、ちりばめられている。

ピザ その2
すすめられるままにパクパク食べ、お腹が一杯になったアジ吉だが、まさかこの後、「ハシゴ先」があるとは夢にも思っていなかった。
ベトナム人はやせた人が多いので、そんなに食べられないだろうと高をくくっていたのだが、とんだ誤算だったのだ。
路上のパン屋へ|ベトナムの深遠なるパン文化。あったか豆乳に浸すパンが絶妙
フランス植民地時代の影響で、パン文化が根付いたベトナム。
ピザ屋を出てから向かった「ハシゴ先」は、徒歩五分ほどにある、路上のパン屋。
「ミニチュア」と皮肉りたくなるほど小さな椅子に腰掛けるやつだ。

夜遅くでも、にぎわっている
小柄なベトナム人ならよいのだが、外国人観光客だと、「ヤンキー座り」の格好になってしまうが、突っ立っているわけにもいかないので着席。たちまち「和式トイレ」のポーズ。
次から次へと客が押し掛けにぎわっているが、店はおばさん一人で切り盛りしている。

「店主」のおばさん
おばさん一人でも店が回っているのは、食べ物を受け取るのも、食べ終わった食器を返却するのも、客がセルフサービスで行っているからだった。
トウモロコシで甘みを出した豆乳に、パンをちぎって、浸して食べるのが【現地流】の楽しみ方。

パン、トウモロコシ豆乳
ダラットの夜は、「寒い」と「涼しい」の真ん中。温かいものを流し込むとホッとする気温だ。
ちなみに、食べ切れなかった(手付けずの)パンが3つあった。
なんと、ここでは「返品」がきくらしく、屋台のおばさんへ返しに行ってた。ひょっとすると、自分たちが食べたパンも、誰かが「返品」したアイテムという可能性があるのかも知れない。
日没後のダラット散歩
日はすっかり沈み、夕暮れのダラットは、夜の雰囲気に。

あかあかとした街灯
ベトナムの祝日シーズンということもあり、どこの店も大勢の客で賑わいをみせている。
ベトナムにおけるビール文化の浸透度は、アジアトップクラス。あちこちから乾杯をあげる楽しげな声が響いている。

ビールと鍋を楽しむ人々
ストリートの両脇にならぶ個人商店。
風景の「カラフル感」は、ベトナム街歩きの醍醐味でもあると思う。

ベトナムの「カラフル感」
ときたま見かける、個性的な置物を観察するのも楽しい。

ガッツポーズの仏像
たっぷり食べ歩きを楽しんだ後、一時間ほどゆっくり散歩。
ホーチミンだと、汗だくになるところだったが、涼しい気候のダラットでは、(坂道をふくむ)わりとガッツリめの散歩でも、一滴も汗が出なかった。
宿に戻っても夜食タイム
ゲストハウスに戻ると、驚いたことに、大学生連中はいつの間にか「夜食」を買って帰っていたことを知った。あれだけたらふく食べておきながら、みんな、談話スペースに腰掛けて、弁当を開け始めるではないか。

感心していると、なんと、アジ吉の分までちゃんと買ってくれているという。ベトナム人の親切さにほろっと来てしまった。

夜食セット
もち米を肉や野菜といただく弁当、チーズ風味のヨーグルト、豆乳をセット。
弁当は、少々パサパサ気味のもち米に、ジューシーな肉、ほんのり塩味のきいた汁のかかった野菜を「重ね食い」すると、大変な幸福感の得られる味わいだった。

「間食」というレベルを超えたガッツリ感
残念ながら、この弁当をどこで買い求めたのか、なんというメニュー名称なのか知らないため、もう二度と出会えない「一期一会」の味ではあるが、本当に美味しかった。
最初は「みんなよく食べるわ」と感心していたのに、いつの間にか、自分もあっさり完食してしまっていたアジ吉。
まとめ:結局、ぜんぶ大学生グループにオゴってもらった
物価の安いベトナムにおいても、地方都市ダラットは、特に物価が安い。
物価の安さに、ホーチミンからやってきた彼ら・彼女らの「サイフのヒモ」も緩んだのか、出費をいっさい惜しむようすもなく、しかも、アジ吉の分まで全部おごってくれた。
ベトナム人の親切さに振れ、ベトナムのことがますます好きになる体験だった。