台北

台北・龍山寺エリアで「朝から呑める」モデルコース。極上の肉グルメをツマミに、台湾で呑める背徳感がたまらない

投稿日:2019年1月29日 更新日:

午前中、台北の街をブラブラ歩きするなら、【龍山寺かいわい】が最強チョイスだと言い切りたい。

理由は3つ。

■朝の散歩は、【龍山寺かいわい】が最強である理由

  • 下町の風景が広がり、旅情に浸れる
  • 美味しくてコスパ抜群の朝食店が、ゴロゴロ見つかる
  • 午前十一時ごろに開店する「朝から呑める店」がある

今でこそ、我がイチオシのスポットだか、実を言うと、昔は「近寄りがたさ」を感じるエリアだった ── たくさんの浮浪者が公園に暮らしていたり、オネーさんが軒先で立っているあやしい雰囲気の店が多数あったり、なんとなく「アレ」な雰囲気

少しばかりの勇気を絞り出し、創業ウン十年の老店でB級グルメを発掘するうちに、あれだけ「とっつきにくい」街は、不思議にも、台北旅行における我が「ホームグラウンド」に早がわり。

素晴らしき【龍山寺かいわい】の世界を、ごく一部、駆け足ではあるが、ご案内しようと思う。

下町風景で旅情に浸る

【龍山寺かいわい】エリアは、行政区画上では、万華区。

朝の万華区

朝の万華区

「万華区」はけっこう広く、本記事で取り上げる【龍山寺かいわい】の下町はもちろんのこと、台湾若者文化の先端「西門町」まで含まれる ── 一つの区に、古い街、新しい街が共存しているため、何度訪れても興味が尽きない。

下町風景へ溶け込むように、骨董品屋が点在していることもユニーク。

「店主の気分」ひとつで値段が決まる面白い世界観を垣間見る時間は、あっという間に過ぎていく。

骨董品屋がならぶ

骨董品屋がならぶ

路地裏を歩けば、野良ニャンコがひっそりとくつろいでおり、「猫ウォッチング」も忘れず満喫したい。

野良ニャンコと遭遇

野良ニャンコと遭遇

街のあちこちに、面白いネタが転がっている。

わざと知らない方角へ曲がったり、路地裏を覗き込んだりしたら、インスタ映え写真が大量にゲットできるかも知れない。

最高の朝食「昭和カレー」

昭和時代に「小学校の給食」で味わったような、懐かし味のカレー。

日本では、(食品メーカーの研究開発が実って)市販ルーの味がどれも洗練されてしまい、「昭和カレー」を口にする機会はなくなってしまった ── 素朴で、とろみが片栗粉でつけられた、あの手作り感満載のカレーは、記憶にある人もいることだと思う。

朝から地元っ子でにぎわう大衆食堂

朝から地元っ子でにぎわう大衆食堂

そんな「昭和カレー」が、まるでタイムカプセルのごとく保存されている大衆食堂「阿偉正宗咖喱飯」が、異国・台湾で今日も営業している ── 皮肉なことにも、日本の古い文化を大切にしているのは、日本自身よりも、台湾であることって、珍しくない。

台湾で味わえる「昭和カレー」

台湾で味わえる「昭和カレー」

大きい具が惜しみなく投入されている上、ほどよく脂身のついた豚肉が、スプーンを口に運んだときの幸福感を増幅してくれる。

笑顔の素敵なオーナー夫妻にも癒される。

「朝から呑める」店をハシゴして、極上ツマミとビールを愛でる

午前十一時くらいには、すでに営業している「朝から呑める」店がある。

徒歩五分くらいの距離しか離れていないので、ハシゴするにも、相性バツグンの二店をご紹介したい。

「一鑫鵝肉」で極上のガチョウ肉を愛でる

昭和カレーの幸福感が冷めやらぬまま、次のハシゴ先に向かう。

カレーを食べて、まだ食べるか?という声が聞こえてきそうだが、二軒目のこちら「一鑫鵝肉」は、軽いボリュームの一品料理が楽しめるお店。

平日の朝から呑む背徳感がいい

平日の朝から呑む背徳感がいい

店内の冷蔵庫にビールが置かれており、客がセルフサービスで瓶を取り出す方式。

看板メニューは、ガチョウ肉。

ガチョウの胸肉

ガチョウの胸肉

台北では高級食材のガチョウ肉、一皿千円以上するが、その食体験から得られる感動の大きさを考えれば、安すぎるくらいである。

生腸もいただく。

生腸

生腸

食べやすいサイズにカットされており、ビールと最高にあうので、お箸がストップしない ── さきほどカレーを食べたことは、すっかり記憶から抜け落ちている。

台湾旅行の満足度が100パーセントを超える瞬間である。

「龍城號」酒好きな台湾人が集まる、背徳感いらずの店

「デザートは別腹」と言うが、たぶん、食べやすいサイズにカットされた肉のツマミ料理も、それ専用の胃袋があるのではないか。

三軒目の「龍城號」も、やはり、店内にビールがストックされた、堂々と呑める店。

あらゆるツマミがそろう

あらゆるツマミがそろう

台湾はビール文化が一向に盛り上がらないので、台湾人の前でビールを飲むときには、ちょっとした「背徳感」を引きずってしまう ── そういう背景もあり、店内で堂々と呑めるだけでも「もうけもん」だが、この店が素晴らしいのは、痒いところに手が届くツマミの品揃え。

酒好きな台湾人が集まっているから、妙に気を使う必要もない。

朝からハシゴ。仕切り直しで呑む

朝からハシゴ。仕切り直しで呑む

気を使うどころか、同席した台湾人からビールをおごってもらった回数は、両手を使っても数えきれないほど経験してきた。

店のおばさんから強烈にオススメされた煮卵。

半熟加減がたまらない煮卵

半熟加減がたまらない煮卵

黄身の部分が、固まることなく、かつ、流れ出すことなく、ちょうど「ど真ん中」の煮具合で完成された奇跡的クオリティを満喫。

豚のほっぺたは、ほろほろ薄くカットされた肉片だが、まるで極上の刺身を食べているような「上品な旨さ」。

豚のほっぺた

豚のほっぺた

時間をかけて、じっくり味わいながら、いただいた。

日本では食べたことのなかった、サメの肉にもトライ。

サメの肉

サメの肉

ちょっと生臭い感じがしたけれど、ほどよく筋肉質、歯ごたえ最高の肉片は、ビールのツマミにもってこい。

日本でも常食したい。

まとめ:店のマップなど

本記事でご紹介した二軒の「朝から呑める」店の地図を付しておく。

呑み歩きマップ

呑み歩きマップ

なお、「昭和カレー」の店は地図上に記さなかったが、「龍城號」とは、目と鼻の先という距離感にある(徒歩三十秒)。

朝のウォーキングも兼ねて体を動かせる上、旨いツマミをいただきながらビールを呑む多幸感は、このエリアを訪問した人間への特権でもある。

是非、次回の台湾旅行プランへ組み込んでみてはいかがだろう。

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(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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