台北

龍山寺から徒歩三分。【歯ごたえゼロ】の極上やわらかスペアリブのスープで極楽浄土気分

投稿日:2018年8月4日 更新日:

はじめに:食べ歩きでダウンして、イートインで体力チャージ

朝から、ひたすら食べて、ひたすら歩いた。

袋も脚も、すっかり疲れ気味のところ、暑さにトドメをさされて【ゲームオーバー】寸前

アジ吉
とりあえず、食べ歩きはいったん中断しよう……

本日の「五軒目」へチャレンジする前に向かったのは、南国・台湾における【オアシス】といっても過言ではない、ファミマのイートイン。

ファミマのイートインで「食前ビール」

ファミマのイートインで「食前ビール」

冷房の効いた店内で欲しくなるのは、やっぱり、台湾ビールのクラシック。

やや辛口だけれど、のどごしの良さや、飲み干したときに得られる清涼感は、数ある台湾系ビールの中でもトップクラス

ちなみに、クラシック(classic)の意味を英英辞典で調べると、"Very typical of its kind."、つまり「典型」や「源流」といったニュアンス。台湾ビールのクラシックが目指した「源流」とは、日本統治時代の1919年、まだ台湾が日本だったころに製造されたビールの味とされている。約百年前の「日本」のビールが、まるでタイムカプセルのように時空を経て、現代社会に蘇ったと考えるだけでも、ちょっとした感動ストーリーである。

日本以上に、【昔の日本】を大切にしてくれる隣国のことを、日本は忘れるべきではない

「四方阿九魯肉飯」訪問レポート

イートインで三十分も休憩すると、体力が回復し、お腹もすいてきた。

そのまま軽い足取りで向かったのは、龍山寺から徒歩数分でアクセスできる「四方阿九魯肉飯」

「四方阿九魯肉飯」

「四方阿九魯肉飯」

店名の通り、魯肉飯(ルーローファン)の専門店であり、ガイドブックでも必ず掲載される人気店である。

台湾へはかれこれ、通算百回ほど(正確にカウントはしていないが、毎月訪台する生活を十年ちかく続けている)やって来ているのに、なぜか、これまで縁がなかった。そういう店って、けっこうある気がする。有名店だからいつでも行こうと思えば行けるだろう、的な。

厨房

厨房

昼食ピーク、夕食ピークの時間帯を外したつもりだったが、店員さんは大忙し。

やはり、相当な人気店であることは確からしい。

丁寧に監修された日本語訳つきのメニュー、良心的な価格設定

メニューには、日本語訳もバッチリ掲載されている。

メニュー その1

メニュー その1

(台湾にかぎらず)海外でよく見かける、ちょっぴり不思議(?)な日本語表現のメニューではなく、あきらかにネイティブ監修つきと思われる、自然な日本語メニュー

意外だったのは、(龍山寺ちかくの)一等地にある人気店だからといってぐらをかくようなことはなく、一品五十円程度という良心的な価格設定で営業していること。

メニュー その2

メニュー その2

名指しで批判するつもりはないが、京都の「観光地価格」をみた台湾人観光客は、いったいどう感じるだろうか。

めくるめく「逸品」とのご対面

魯肉飯(ルーローファン)の専門店だから、「魯肉飯」はかならずオーダーするとして、問題はそれとセットで、何を頼むかである。

アジ吉
ご飯モノを頼めば、そりゃぁ、スープが欲しくなるだろう……

そう思って注文したのがこちら、「スペアリブのスープ(排骨酥湯)」

「スペアリブのスープ(排骨酥湯)」

「スペアリブのスープ」

まずは、とろけるような大根が最高。

肉も、究極的に柔らかく煮込まれており、口に入れて2回くらい噛んだだけで、骨と肉が完全に、いとも簡単に、パラリと分離してしまう。肉塊そのものも【歯ごたえゼロ】の柔らかさ

アジ吉
大げさと思われるかも知れないが、この味わいから得られる【多幸感】は、もはや極楽浄土レベル。ボキャブラリー不足なので、それくらいしか表現が思いつかない……

スープには、大根と肉の「甘み」エキスが存分に抽出されているが、これを「魯肉飯(ルーローファン)」との重ね食いがヤバい。

あやうく、具材やご飯よりも先に、スープがなくなってしまうところだった。

「豚肉のそぼろご飯(魯肉飯、滷肉飯、ルーローファン)」

「豚肉のそぼろご飯」

「魯肉飯(ルーローファン)」は、普通の店より、若干大きいサイズで切られた豚肉の脂のノリが、なんとも言えない満足感をもたらしてくれる。

ご飯の上には、魚の切り身(?)がまぶされおり、ふりかけのような食感が楽しめる。

「しょうゆ味煮卵(滷蛋)」

「しょうゆ味煮卵」

オマケとして注文した「しょうゆ味煮卵」を重ね食いすることで、口の中で、絶品スープ、絶品ルーロンファン、そして優しい味わいの煮卵が「三重奏」を奏でてくれた。

これを執筆している今、レストラン訪問から一ヶ月以上が経過しているが、いまだに忘れられない味わいである。

まとめ:「スペアリブのスープ」注文必須な一軒への、アクセス情報

​総じて書いても、スープの完成度があまりにも高すぎて、ある意味、この店は「損」をしていると感じた。

看板メニューである「魯肉飯(ルーローファン)」は、十分に美味しいはずなのだが、スープの美味しさによって、存在感が半減している。

アジ吉
ここのスープを、是非ともペットボトルに入れて、帰りの飛行機で飲みたい!

ギャグではなく真剣にそう思った(無理だけど)ほどだが、いっそのこと、スペアリブのスープを看板メニューにしても良いと思う。

店名 四方阿九魯肉飯
住所 台北市萬華區廣州街225号
営業時間 11:00-24:00
電話 02-2336-9119

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(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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