桃園空港から台北駅へ到着したのは、夕方も中盤になりかけた頃合いだった。
これから夜市へ繰り出すのも良かったが、100回以上も台北旅行をしていると、いまひとつ新鮮味に欠ける。
そんな中、台北駅かいわいにある「華陰街」へやって来たのは、台湾漫画文化を振興させるために、なにやら「オタクビル」みたいなものができたという噂を聞きつけてのことだった。
目次
「華陰街」個人商店が密集する問屋街
もともとは問屋街として栄え、多くの個人商店が店を構えるエリアだが、飲食店も多い。
台北駅至近という、一等地でありながら、垢抜けない雰囲気の下町風景が残された一帯だ。

「華陰街」

空中廊下で結ばれたビルディング
サングラスを掛けたワンコと遭遇して、ギョッ。

メガネわんこ(あえて白黒で、それっぽいムード表現)

まさに食べ歩き天国
スルーしてしまうには、あまりにも魅惑的なB級グルメ天国のエリアでもある。
「オタクビル」を見学する前に、腹ごしらえとしよう。
「後驛鵝肉店」鴨肉も極上の、ガチョウ肉店
問屋街の脇道へ入った目立たない場所に、ひっそりと営業しているのが、こちら。
ガチョウ肉で有名な一軒。

「後驛鵝肉店」
いつ来ても、多くの地元客で賑わっている。
店内飲食はもちろんのこと、夕飯の一品とするため、持ち帰りの客も多い。

せまい店舗は、すぐ満席になってしまう

運良く席があいた
運良く、並ばず席に着くことができた。
ガチョウ肉を食べたいところだったが、400元もする ── 十日間ほど台湾に滞在するつもりだったので、初日からペースを飛ばし過ぎるのも、どうかと思った。
迷っている雰囲気が伝わったのか、店のおばさんは、鴨肉を勧めてくれた。
鴨肉なら150元から注文できるので、燻製で調理されたものをオーダー。

鴨肉(スモークされたもの)
口にした鴨肉は、冷えている分、味が本当に、肉塊のド真ん中まで、よ〜く染み込んでいる。
まるでハムのように、ひきしまった「塩っぱさ」があり、スモークでつけられた味が、香草と完璧にあう。
小籠包のように「針ショウガ」が添えられているので、てっきり、なんかのタレにつけるのかと思っていたが、そのままいただく方式であった。

極上のプリプリ肉

サイドディッシュとして麺もオーダー
大阪よりは暖かい台北と言えど、十二月に、なればグーンと冷え込む。
35元で、暖かいスープ麺を追加オーダーして温まった。
漫画基地「Anime Agora」
この記事中では「オタクビル」と書いているが、実際に訪れてみて、「漫画基地」という正式名称があることを知った。
低迷気味の台湾漫画文化を盛り上げるため、台湾政府が主体的に計画して立ち上げたという拠点が、こちら。

漫画基地「Anime Agora」
新しい建築物にみえるが、実際には、築五十二年の建物をリノベーションしたもの ── 建物は四階建てになっており、それぞれのフロアにて、工夫を凝らした展示やイベントを楽しめるようになっている。
カタコトの中国語でスタッフと会話をしながら、まずは二階にあったカフェへ案内された。

メイド喫茶
台湾へやって来て、まさかのメイド喫茶(笑)。
期間限定かも知れないが、メイド喫茶では、ドリンクとデザートを無料で提供してもらえた。

ブラックコーヒーとカステラ(無料)
アジ吉は、ブラックコーヒーとカステラを選択。
オーダーしたメニューが準備される間、ARと呼ばれる、最近流行している仮想世界体験技術を試させてもらえた。

AR(装置なし)

AR(装置あり)
装置を経由して周囲を見渡すと、目の前にいるはずのないアニメキャラクターが、あたかも存在するかのように視野へ飛び込んできた。
ブラックコーヒーとカステラをいただいた後、ひきつづき館内見学。

タッチパネル式の巨大スクリーン
さすが世界有数の「電子機器大国」と感じさせられる展示内容 ── 巨大スクリーンはタッチパネル式になっており、訪問者が自由自在に、閲覧したい内容を切り替えられる仕組みになっている。

台湾の新進気鋭アーティストによるマンガ作品
台湾の新進気鋭アーティストの作品も展示されている ── 数冊手にしてパラパラめくってみたが、「西門街」が舞台になっているなど、台湾っぽさがあって楽しい。
上の階には、レトロな雰囲気を再現した展示物が飾られていた。

蓄音機等が展示されている

館内の様子

レトロな雰囲気を再現した写真

壁に投影された文字アート
すべての展示を見終えるのに、小一時間もあれば十分といった規模感。
台北駅かいわいは、だいたいのエリアを歩き慣れているという方には、ちょっとしたアクセントを旅の思い出に添えてくれそうなスポットだ。
まとめ:台北旅行の初日や最終日など、中途半端な観光時間しか確保できないときにオススメできるモデルコース
本記事でご紹介したモデルコースは、台北旅行の初日、あるいは最終日といった、まるまる一日を使えないが、中途半端に時間が余るというケースには、持ってこい。
次回の台湾訪問で、プランを決めかねている方は、是非、このモデルコースを参考にされてはいかがだろうか。