目次
まえがき:日本人には馴染みのない「ボラカイ島」ついて、知ってみよう
日本人にとって「馴染みあるフィリピン」と言えば、やはり、マニラとセブであろう。
- 海を眺めてボーっとするだけの時間と場所が欲しい。ただ、「海しかない」リゾート地というのも、イヤだ。にぎやかなナイトライフも、ちょっとは楽しみたい
- 物価の安い東南アジアのビーチリゾートでマッタリ過ごしたい。街のインフラがちょっとばかり発展途上であっても気にしないが、ビーチの「質」だけは、妥協なしで、徹底的にこだわりたい
- 子連れ、あるいは、ダイビングをやらないので、シュノーケルをユルく楽しめるスポットが、たくさんあれば嬉しい。
こういった条件で「どこかいいトコロ」を探しているのであれば、ボラカイ島は、その「解」になるかも知れない。
本記事は、ボラカイ島についてほとんど知らない状態の人でも、一読すれば観光を120%楽しむための知識が得られるように配慮し、1ページ内にギュッとコンテンツを凝縮したものである。
ボラカイ島、地理的位置、アクセス方法

気分がクサクサしたら、ボラカイ島へ「リセット旅」だ
ボラカイ島(フィリピン)が大好きで、過去、十回ほど訪問したアジ吉。
日本からの直行便はなく、マニラ、あるいは、セブ島を経由しての乗継ぎフライトとなる。
ボラカイ島(面積: 10.32 km²)は、東京の渋谷区(同: 15.11 km²)より小さいので、ボラカイ島、マニラ、セブ島の地理的な位置関係を図にしてみたら、図中では、完全に消えてしまった。

ボラカイはどこ?
ボラカイ島へアクセスするには、とにもかくにも、マニラ(あるいは、セブ)から、空の旅。
飛行機へ乗らないことには、なにも始まらない。

マニラからボラカイ島へのアクセスは、四列シートの小型飛行機で
マニラ(あるいはセブ)からは、あっという間、小一時間のフライト。
注意しておきたいのは、ボラカイ島への「空の入り口」として、二つの空港があること。
- カティクラン空港(Caticlan Airport)別名「ゴドフレド・P・ラモス空港」
- カリボ国際空港(Kalibo International Airport)

ボラカイ島へアクセスするための空港は二つ
ボラカイ島へのアクセス面では、カティクラン空港が圧倒的に優位。
カリボ国際空港を利用すると、片道一時間半もの距離を、バンで移動しなければならない。往復で三時間ものロスが生じることは、ただでさえバケーション日数の限られた日本人旅行客としては、回避したい。国際空港といえど、日本からの発着便はないので、メリットもない。
ここは、迷うことなく、カティクラン空港を使いたい。
二つの空港についての比較記事は、ネット上で多く出回っており、より詳細情報を入手したい場合は、「ボラカイ島 行き方」でGoogle検索してみて欲しい。

機体が小ぶりなので、乗降口も一つである
小さな機体で、小一時間という、「小さな空旅」を得て、カティクラン空港へ。
その正式名称は「ゴドフレド・P・ラモス空港」みたいだが、現地では、まだ「カティクラン」の呼称が幅広く通用している。日本人にとっても、こっちのほうが覚えやすい。
入島税、観光税といった、諸々の税金を払うカウンターがあるので、そこで手続きを済ませよう。

入島税、観光税といった、大量のチケットを購入させられる
飛行機のドアを出てから、「納税作業」完了まで、かなり順調に行けば、小一時間。
ようやくボラカイ島へ向かうための、ボート乗り場だ。
誰しも、ボラカイ島へ早く着きたいという気持ちがピークに達する場所でもある。

フィリピンに来たら乗ってみよう「バンカーボート」
アメンボの足みたいに、ボートの左右に丸太が取り付けられた「バンカーボート」が待機している。
乗客人数でボートが埋まり次第、随時、出発。

「バンカーボート」へは、細いハシゴのような「渡し橋」で乗り降りする
「バンカーボート」への乗り降りは、ちょっとしたコツが必要だ。
細いハシゴのような「渡し橋」、ちょっとグラグラするので恐ろしいが、現地のスタッフがきちんとサポートしてくれるので安心したい。
ボラカイ島、朝の過ごし方と朝食
いくらでも眠れるほど気持ちのよいホテルのふかふかベッドから出るのは勇気がいるけれど、がんばって、早起きしてみよう。
早起きをした人にだけ待っている「ご褒美」がある。
多くの旅人は、まだ夢の中、人気の「ホワイトビーチ」をこっそり独占。

朝の時間帯、まだ日差しも柔らかく、ウォーキングもよし、ビーチで眠るもよし

ヤシの木を眺めて、バケーション気分をアゲる

観光地化される前は、こんな風景が一日中ずっと続いていたのかもしれない
観光客の姿もまばらで、ボラカイ島が観光開発の波にのまれる以前は、一日中、ずっと、こういう穏やかなビーチだったのかも知れないと思いを馳せる。
贅沢な散歩を楽しんだあとは、朝食だ。
せっかくのフィリピン旅行、朝食は、ご当地メニューに挑戦しよう。

典型的フィリピンスタイルの朝食「タプシログ(Tap Silog)」
おすすめはタプシログ(Tap Silog)。
ワンプレートの上に、目玉焼き、ガーリックライス、そして、カリカリに煮て炒められた牛肉が盛りつけられた一品。
日本のビジネスホテルで提供されるような、簡素だが、ちゃんと美味しい朝食といったところで、日本人の口にも合う。
食後には、フルーツジュースを楽しもう。

マンゴージュース。もちろん果汁百%だ

バナナジュース。フィリピンバナナの安定した甘さが楽しめる
常夏フィリピンとだけあって、果物の種類も豊富。
ここは、迷わずマンゴーを試したい。
タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、台湾などのマンゴーとも飲み比べたが、マンゴーは、フィリピン産に限る。
フィリピン産のマンゴーには、ほんのり酸味があるので、甘さが引き締められており、高級感あるテイストが楽しめる。
ボラカイ島、街歩き、ビーチめぐり
まずは、D'Mall(Dモール)を目指そう。
ボラカイ島には、三つの代表的ビーチがあり、その中でも最大規模の「ホワイト・ビーチ」は、「ステーション」と呼ばれるエリア分けが行われている。
ステーション1、ステーション2、ステーション3と、「ホワイト・ビーチ」を、ほぼ三等分割するように、番号が振られている。
D'Mallはステーション2にあり、位置的にはボラカイ島のちょうどド真ん中。
ボラカイ島における随一の繁華街でもあり、道に迷っても、いったんD'Mallへ戻るクセをつけると、島内で迷うことはない。

ボラカイの代表ビーチ3選

ボラカイ島で一番にぎわう「Dモール」一帯

朝のDモール。商店は閉まっており、まだ人通りが少ない
ボラカイ島での街歩き、イコール、D'Mallかいわい散策。
そうスッパリ言い切れるほど、ボラカイ島における商業施設のすべてはD'Mall付近へ集中しており、D'Mallから離れると、民家や、地元っ子向けのミニ商店が、ぽつりぽつり並ぶ程度である。
- ホワイト・ビーチ(White Beach)
- プカ・シェル・ビーチ(Puka Shell Beach)
- イリグ・イリガン・ビーチ(Ilig Iligan Beach)
D'Mallを通り抜けて海岸へ向かうと、目の前に広まるのがホワイトビーチ。

ボラカイ島で最大のビーチ(ホワイト・ビーチ)
全長が7.5kmという、こじんまりとしたボラカイ島において、最大(全長4km)のビーチである。ほとんどの旅人が、ボラカイ島への滞在中、最も多い回数、立ち寄ることになるビーチだ。

浅瀬が広々としており、安心して遊びやすい(ホワイト・ビーチ)

ホワイトビーチ前には、たくさんの店が並ぶ

浮輪やボートの店も。カラフル

路地には「アート壁」も
それでは、ホワイト・ビーチから「バンカーボート」に乗って、イリグ・イリガン・ビーチへ行ってみよう。

ホワイト・ビーチで、バンカーボートをゲットしよう
イリグ・イリガン・ビーチは、ホワイト・ビーチとは、ちょうど島の反対がわに当たる。
比較的広々としたビーチで、訪れる観光客も多いためか、飲食店の出店が多い。

飲食店が結構たくさん出店している(イリグ・イリガン・ビーチ)

ドリンク類も充実している売店(イリグ・イリガン・ビーチ)
イリグ・イリガン・ビーチ、ドリンク類の在庫も充実しており、昼食を取るには悪くないが、静かにボーッとして過ごしたいなら、別のビーチを選んだ方が良い。
「売り子」が周囲をウロウロして、落ち着かない気分になる人もいることだろう。
続いては、プカビーチへ移動してみよう。
ボラカイ島の端っこにあるため、トライシクル運賃もちょっと高め(ホワイト・ビーチからだと、二百ペソくらい)。
珊瑚礁はないが、色の美しさではボラカイ島ナンバーワンと言っても過言ではない、美ビーチ。

元気に遊ぶ、ボラカイ島の子どもたち(プカ・ビーチ)

とにかく透明度の高いビーチ(プカ・ビーチ)
時間帯によって、ビーチの色が様々に変化してくれるところも、プカビーチの魅力だ。
さっきまで抜群の透明度だったビーチが、昼寝をしている間に、エメラルドグリーンに変わっていたりする。

いつの間にか、「エメラルドグリーン」に近い色に変わっているビーチ(プカ・ビーチ)

「セルリアンブルー」に近い姿を見せてくれる時間帯も(プカ・ビーチ)
なお、本記事では3つの代表格ビーチの紹介にとどめておいたが、プライベートビーチや、あまり行く価値のないビーチ(アクセスが難しいわりには、景観や水質が特段優れているわけでもないビーチ)を含めると、ボラカイ島には、三十ほどのビーチがある。
滞在日数に余裕のある人は、主に、島内のツアーショップで配布されているビーチ一覧リストを手に、ビーチめぐりするのも楽しみ方の一つだ。
ボラカイ島、おやつの時間
たっぷり海で遊んだあとは、休憩も兼ねて、ちょっと長めの「おやつ時間」としよう。
正午前後は、日差しが一番キツいので、テントや樹の下で、こうしてリラックスする過ごし方が一番快適。
まずは、ドリンクを先に持って来てもらい、のどを潤しながら、しっかり、じっくり、ワガママに、スイーツを品定めしたい。

プールサイドで飲むと、優雅な気分に
リゾート地ということもあり、悩むほど、いろんな種類のスイーツがある。
ホットケーキといった「洋風定番」から、フィリピンスタイルのスイーツまで。
多くの旅人は、複数日滞在するだろうから、毎日ちがうスイーツを試して、コンプリートするのも楽しい。

ホットケーキには、チョコとアイスが添えられており、見た目、味の両面から楽しめるようになっている

フィリピン名物の氷菓子「ハロハロ」。豆、アイス、果物などがコンモリ、氷にトッピングされている
甘いものが苦手な人には、こんなオプションもある。
海辺へ並んだ「昼寝スペース」の数々は、そこを管理する飲食店で料理をオーダーすれば、無料で利用させてもらえる。
せっかくだから、波の音を子守唄BGMがわりにして、真っ青な海をながめながら、「昼寝スペース」へ寝転んでしまおう。

海辺の「昼寝スペース」

海辺で味わうソーセージは格別

パンシット・ビーフン(フィリピン風の、春雨をつかった焼きそば)は、ビールによく合う
メニューを持ち歩く「売り子」スタッフがいるので、一声かければ、オーダーをうかがいにやって来て、できあがった料理も持ってきてくれる。
海辺で味わう「おやつ」は、何を食べても、美味しさ五割増しである。
ボラカイ島、食事(昼食・夜食)事情
大きく分けて、二つのカテゴリから食事を選ぶことになる。
- ご当地フード フィリピン料理
- 外国料理 イタリア料理、アメリカ料理、中華料理の「三択」
お察しのとおり、「ご当地フード」は安く、「外国料理」は高い。
滞在中の食事は、「予算」と「飽き具合」でバランスをとりながら、両カテゴリを織り交ぜるのが良いだろう。
まずは、「ご当地フード」から。

バーベキュー

おなじみ、ご当地フード「パンシット・ビーフン(Pansit Bihon)」
第二のカテゴリである、「外国料理」も充実。
日本のファミレスと比較しても、値段・味そんなに変わらないレベルは、最低限保証されている。
更には、「おひとりさま」にも食べやすいサイズのメニューが豊富に用意されているので、一人旅でも食事事情で苦労することはないだろう。

サラダ

サーモン料理

ビーフステーキ

イタリアンパスタ
写真では、イタリア料理が中心となってしまったが、アメリカ料理を提供するレストランも多数営業。
中華料理店(海鮮料理が中心)も、少数であるが、営業している。
ボラカイ島、夕方〜ナイトライフ
ホワイト・ビーチ沿いのレストランが、テーブルを設営し始めると、それは、夕暮れが近づいたことのお知らせであると同時に、群衆にナイトライフ開始を知らしめるための「合図」だ。
水着姿でビーチをウロウロしていた観光客も、いったんホテルへ戻ってシャワーを浴び、涼しげな服装でビーチへ戻ってくる。
海外のビーチリゾートで、ちょっぴり羽目を外してみようと、「ナイトライフ」が気になって仕方がない人たちは、けっして少なくない。

夕暮れの近づいたビーチ(ホワイト・ビーチ)
ちょっと早くビーチに来すぎて、夕食までに時間があっても、大丈夫。
ツマミ料理を買って、そこらへんで一杯やり始めるのも楽しい。
表面の皮をカリカリに揚げているが、肉そのものは柔らかジューシーな豚肉料理、「レチョン・カワリ(Lechon Kawali)」なんてどうだろうか。

ご当地フード「レチョン・カワリ(Lechon Kawali)」
特製ソースをどっぷりつけるのが、「ツウ」の食べ方。
もし、レチョン・カワリを試すチャンスがやってきた場合には、ぜひ、このスタイルでいただいてみよう。
レチョン・カワリに大満足し、ほろ酔い気分になってビーチを歩くと、地元っ子が「砂の城」を作っている。

器用に「砂の城」をつくる地元っ子
実はこれ、観光客が思い出に残る写真を撮れるようにと、彼ら彼女らがボランティアでやってくれている。
見返りに金品を求めず、何より、自分自身がとても楽しんでアートをしている姿を見ていると、心意気を感じるのであった。
そろそろサンセットの時間帯だというのに、意外や意外、空席テーブルが目立つ。
その理由として、ボラカイ島はレストランが過剰供給気味なこともあるが、ビーチでの夕日セルフィー撮影で、みんな必死なのだ。
サンセットが終われば、どこのレストランもきちんと混雑し始めるので、ここはズル賢く、気に入ったレストランで、「一等地」の立地にあるテーブルを確保したい。

サンセットの時間帯
ボラカイ島において、レストランのテーブルゲットで出遅れるべきではない、理由3点。
- サンセットを楽しむために、一番「立地」の良いテーブルを選べる
- この時間帯に入店すると、ビールが半額になるレストランも少なくない
- オーダーをした料理が、早くテーブルに届けられる

ビールがお得に買えちゃう時間帯もある
サンセットが終わる時間帯には、ビールが半額で買える「ハッピーアワー」は終わってしまう。
たくさん飲みたい人は、「ハッピーアワー」でまとめ買いをしておくのも、一つの案だが、翌日のビーチ遊びに支障が出ない程度に、慎みたいところ。
レストランが客で埋まると、ファイヤーダンサーなどのパフォーマンスが繰り広げられる店もあるので、パフォーマンスが見やすいテーブルを事前に店員から教えてもらっておくのも、賢い工夫である。
食事とパフォーマンスを楽しみ終えたら、D'Mallかいわいを散歩して、食後の運動としよう。

夜でも土産屋が多数営業

フィリピン料理屋で夕食するのは、ほとんどが、フィリピン人
詳細は、以下の動画へ。
ボラカイ島「ナイトライフ」の雰囲気が良く記録されている。
あとがき:フィリピン人にも愛されてやまない、素晴らしいリゾート地
フィリピン人の友人と会話していると、こういう切り返しを受けるときがある。


はたまた、こんな会話も、よくある。


とにかく、フィリピン人は皆、ボラカイ島が大好きなのである。
簡単に外国へ出かけられる日本人と違い、多くのフィリピン人にとって、(パスポートとは別に)VISA申請が必要だったり、物価にしては航空券がまだまだ高価だったりするので、海外旅行のハードルは今なお高い。
そんな彼ら、彼女らにとって、おそらくボラカイ島は「頑張れば、なんとか旅行できるリゾート地」の上限値にあたるのだろう。だから、誰もが口を揃えて、「自分が知っている一番いいリゾート地」として、ボラカイ島を推薦したがるのだろう。
そう思って、フィリピン人の友人らがボラカイ島を推してきても、半分聞き流し、本気で取り合っていなかった。

アジ吉が真剣にボラカイ島を考えるようになったのは、「セブ島」や「エルニド」というフィリピン・ビーチリゾート地の代表格を、それぞれ三回以上、訪問した後のことであった。
優先度としては最下位になったボラカイ島だが、けっきょく、アジ吉が一番ハマってしまったのは、ボラカイ島。フィリピン人の友人が口にすることは本当だったのである。
本記事で既に述べたことの「要約」になってしまうが、ボラカイ島が人を惹きつけてやまない3つの理由を羅列して、筆を置くことにする。
- 個性豊かなビーチが、一つの小さな島に凝縮されていること
- 広すぎず、狭すぎず、島の面積が絶妙。面倒くさく感じない範囲で、島のどこへでも行ける
- けっこう本格的なナイトライフが、徒歩でフラッと立ち寄れる距離で、楽しめること
とにかく、最高のリゾート気分が楽しめるボラカイ島。
フィリピンでバケーションを過ごすなら、多少、移動に時間とお金がかかっても、ボラカイ島が本当におすすめ!