旅の豆知識

仲間同士で行く海外旅行の幹事になったとき知っておきたいこと

投稿日:2018年12月1日 更新日:

はじめに:なぜか「言い出しっぺ」が幹事になる、理不尽さ

台湾、韓国、中国……

いわゆる安近短(あんきんたん)と称される、安い、近い、そして(旅行期間が)短くて済む国であれば、土日しか休めない社会人でも海外旅行は十分に可能

最近では関空発着のLCC(格安航空界社)も充実してきたので、週末海外旅行のしやすさでは「西高東低」状態にあり、関西エリアの社会人は、今こそ旅に出るべきとも言える。

週末海外旅行が、ますます「手頃」な時代に

週末海外旅行が、ますます「手頃」な時代に

本記事で想定する「シチュエーション」は、こうである ------ 気の合う友人同士、「今度、台湾行こうよ」と語らったのはよいものの、フットワークの軽いメンバーがいないため、なかなか実現しない

仕方なく、グループ内で一番「本気」の自分が幹事役を引き受けることになったが、何から着手して良いのか分からない ------ 本記事は、そんな状態で頭を抱えている方の一助となるよう、実用的ノウハウをシェアすることを狙いとして、作成されている。

随所にヒントとなるような情報が散りばめられていると思うので、一読いただければ嬉しい。

ツアー参加型か、個人手配型か

旅の形態は二つ。

■2つある「旅の形態」

  1. 旅行代理店の販売するツアーに申し込むという形態
  2. 個人手配型で、すべて自分たちで決めるオーダーメイド形態

安近短のアジア諸国であれば、ぶっちゃけ、旅行代理店に申し込んでも、旅のコストがグーンと下がるわけでもない(むしろ、個人手配型の方が安くつく場合も……)。

旅行代理店のツアーに申し込むメリットと言えば、幹事役を(ほとんど)丸投げできる点くらいであり、むしろ、「スポンサー費用」を出しているお土産屋へ連れていかれたり、性格や、行動ペースがバラバラの他者との団体行動を強いられるなど、デメリットのほうが大きいかも知れない。

友人同士で自由気ままに楽しむためにも、ここは是非、個人手配型で行こう(なお、旅行代理店のツアーへ申し込む場合、以下のコンテンツを読み進める必要がなくなる)。

行き先(国)と日程が決まったら、すぐに着手すべき段取り

以下の記事では【友達との海外旅行】を想定しているが、一緒に旅するパートナーが上司であれ、親戚であれ、そのまま応用できる内容となっている。

「友人」の部分は、適宜、ご自身のシチュエーションに合わせて、読み替えて(例:友人→親という風に)いただきたい。

気負わない。抱え込まない。「外出し」しながら、準備を進める

海外旅行って、一人で出かけるだけでも大変なのに、友人の面倒までみるとなると、もっと大変。

あまり気負わず、抱え込まず、以下のような着眼点で、「外出し」できる仕事がないか考えてみよう。

「餅は餅屋」。助っ人をつくろう

幹事だからと言って、すべてを一人でやる責任を負うわけではない。

特に、その友人が、ふだん仕事で「プロ」としてやっている領域であれば、驚くほど素早く片付けてもらえるかも知れない。

■こういう友人がいたら、こういう「おねがい」をしよう

  • デザイン事務所に勤める友人がいたら「しおり」を使ってもらう
  • 経理部の友人がいたら、旅の予算管理を任せる(例:後述する「共有サイフ」の管理)
  • SEの友人がいたら、パソコンを使う作業を手伝ってもらう

人間、誰でも得意分野・不得意分野があるので、それを補えるような協力体制が築ければ理想的だ。

航空券は、各自で買ってもらう

航空券は、航空界社のWEBサイトへアクセスし、各自で購入してもらおう

幹事の仕事としては、便名と日時を間違えなく伝えて、全員が同じフライトに乗れるよう、注意することくらい。

航空券はセルフサービスで手配してもらおう

航空券はセルフサービスで手配してもらおう

こうすることによって、不幸にもキャンセルが発生(急に参加できないメンバーが出た)した場合、参加者本人から直接、航空会社と交渉してもらえるため、幹事が手を煩わされることがなくなる。

幹事として、減らせる仕事は減らしていこう。

快適な「旅環境」をメンバーへ提供することが、幹事の腕の見せ所

航空券の手配を済ませることができれば、後は、やるべきことはシンプル。

ホテルの手配、現地ネット接続環境(ポケットWi-Fi)の確保など、参加者が現地で不便せずに過ごせるための段取りをするのみだ。

現地でのインターネット環境を確保する

グループ旅行の場合、参加者一人ひとりが個別にSIMカードを買うより、Wi-Fiルータを借りた方が割安なことが多い。

一台のWi-Fiルータにつき、3人ずつくらいの同時接続が可能なので、人数に応じてレンタルする台数を決定したい。

幹事としては、空港のホームページを参照するなどして、以下のような情報を調べておけば十分。

■Wi-Fiルータについてチェックする項目

  • レンタル代金
  • 返却場所(空港の何階か?)
  • 返却時間(入国時と出国時、窓口は開いてるか?)

なお、現地でWi-Fiルータをゲットした後は、複数台ある場合、すべてのルータ端末のパスワードを、全員で共有しておくと便利。

現地で別行動(例:買い物グループ、観光グループ)をする際に、メンバーの組合せが変わった場合にも、全員が全端末のWi-Fiルータのパスワードを共有していれば、臨機応変に対応できるだろう。

現地での移動手段を確保する

グループ旅行での交通手段になると、タクシーが割安で利用できるため、バスや電車より多少高くても、快適さを優先させよう。

また、最近では、タクシーを呼ぶのに「アプリ」を使うスタイルが主流になりつつあり、外国人観光客でも、安全かつ容易に、現地で移動できるようになっている。

タクシー手配も、「アプリ」で行う時代

タクシー手配も、「アプリ」で行う時代

なお、国によって、普及しているタクシー手配アプリの種類が異なっているため、たとえば、韓国へ行く場合「韓国 タクシー アプリ」といったキーワードでGoogle検索をかければ、具体的なアプリ名称を知ることができるので、調査しておこう。

出国するまでに、タクシー手配アプリを参加者全員のスマホへインストールしておくと、現地に入ってからの行動がスムーズ。

現地でのホテルを予約する

グループ旅行では、アパートタイプ(大部屋貸切)の宿泊施設を選ぶと、多少の調整(例:メンバー数の増減)が効くので便利。

ホテル予約サイトでも、「宿泊施設の種類」として、アパートを指定できるようになっているので、是非探してみよう。

広々とした客室

広々とした客室

大部屋だと、男子に1部屋、女子に1部屋といった具合に、(面倒くさくなりがちな)部屋割りをザックリ済ませられて楽チンだ。

また、(騒ぎすぎないというエチケットも必要だが)大部屋のメリットとして、「部屋呑み」がしやすいという点も見逃せない

(おまけ)ホテルの手配で、幹事として留意すべき点

以下のような点については、幹事として、抜かりなくチェックしておきたい。

■ホテル側に問い合わせておきたい事項

  • チェックイン時間前でも、大きな荷物を預かってもらうことは可能か?
  • 部屋の料金は、人数単位か? それとも部屋単位か?
  • (アパートタイプの場合)鍵の受け渡し方法は、どのように行うか?
  • (アパートタイプの場合)タオルやシャンプーは完備しているか?

初日は、空港から市街地入りしたら、すぐにホテルへ荷物を置きたいと考えているメンバーが多いはず。

すぐに現地行動を開始できるよう、あらかじめ、ホテルに預ける荷物と、街で持ち歩くバッグを仕分けしておいてもらうと、時間が節約できる

「共有サイフ」を作って、現地での煩わしいワリカン作業をなくす

両替を済ませた段階で、参加者一人ずつから一律金額(外貨)を徴収し、「共有サイフ」を作ることも、忘れずやっておきたい。

ホテルの費用、食費の清算など、「全員が同じ金額を負担する」支払いシーンは結構多いので、旅行中、大活躍するだろう。

「共有サイフ」をうまく運用しよう

「共有サイフ」をうまく運用しよう

「共有サイフ」を運用することで、毎回毎回ワリカンしなおす面倒臭さから、全員が解放される。

なお、「共有サイフ」には残金が出ることも考えられるので、事前に、その扱いを決めておくと、もっと良い。

共通の知人あてにお土産を買うことや、最終日のランチのグレードを上げることなど、全員が納得する使用用途を考えておけば大丈夫。

まとめ:「旅が始まる前」も、「旅が終わった後」も、情報共有を大切に

ボランティアで引き受ける幹事業務と言えど、お金の管理をする以上、「旅が始まる前」と「旅が終わった後」の情報共有はキチンとやっておきたい。

以下のような内容について、参加者全員への理解を得ておくことがポイントになると思う。

「旅が始まる前」にシェアすべき情報

  • (急用で参加できないメンバーが出た場合に備え)キャンセルの場合、いつから、どれくらいの料金が発生するか(例:ホテルの部屋代)
  • 「共用サイフ」の運用ルールの説明(一人いくらずつ徴収して、残金が出た場合の対応。たとえば、お土産を買う、最終日のランチのグレードを上げるなど)

「旅が終わった後」にシェアすべき情報

  • 会計報告は簡単でも良いので、ちゃんと行おう(「共有サイフ」から、いくら集めて、いくら何に使ったか)
  • 旅行中の写真をシェアするためのオンライン共有スペースを作り、みんなで思い出をシェアしよう

幹事として海外旅行を運営することは、ハードルの高いチャレンジにも思えるが、やってみれば、案外、何てことなかったりする

本記事が、一人でも多くの「幹事」さんを助けることができれば幸いである。

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(おしまい)

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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