台北

西門、龍山寺(台北)エリア。早朝から開いてる、おすすめ朝食スポット5選

投稿日:2018年9月26日 更新日:

はじめに:朝の食事なら、萬華区(万華区)が良い

西門や龍山寺かいわいがワンファチュー(wàn huá qū)、あるいは、同発音・別漢字で、万華区と表記されるエリア。

本記事は、萬華区(万華区)が朝食には最適である理由とともに、具体的なオススメ朝食スポットについて、情報発信するものである。

なぜ萬華区(万華区)か?

まず、本記事は、朝食スポットの質・量が充実しているという理由だけで、ここ萬華区(万華区)を推そうとしているのではない

昔ながらの下町風景が広まるこの一帯には、コトバでは表現できない、人を惹きつける魅力がある。

萬華区(万華区)の朝

萬華区(万華区)の朝

故郷でもないのに、どこか【懐かしい雰囲気】のする街並み。歩く者を退屈させないので、街歩きで腹を空かせ、【朝食スポットを複数ハシゴ】したい場合には、うってつけのエリアだと言える。

路地裏がたくさんあることも、散歩の楽しさをグーンと増量。

萬華区(万華区)の路地裏

萬華区(万華区)の路地裏

あちこちのぞきまくって、自分だけの「マイ路地裏コレクション」をするのも楽しい。

ニャンコとの出会いが期待できるのも、萬華区(万華区)の魅力。

てへぺろ?

てへぺろ?

自分はニャンコ派よりワンコ派という方も、ご安心(?)あれ。

台湾人には、ワンコ連れで朝食スポットへ行く習慣があることを、お忘れなく。

ご主人待ちの「忠犬」

ご主人待ちの「忠犬」

朝食スポットめぐりはもちろん、SNS投稿用の「キメ写真」が数多く収穫できるエリアなので、一石二鳥である。

街歩きで腹を空かせながら、SNS写真も収穫できる。そんな魅惑のエリアで、元気に営業している朝食スポットを、以下ご紹介する。

萬華区(万華区)エリアの朝食スポット5選

「台湾旅行最終日につき、空港移動がある」という場合でも、うんと早起きしてみよう。

よほどの早朝フライトでない限り、朝食スポットの二つや三つ、ハシゴできてしまうものである。一つで済ませるのがもったいないほど美味しい、おすすめの店をご紹介する。

「阿偉正宗咖喱飯」昭和の給食、素朴なカレー

台湾の街を歩いていると、日本統治時代の建物が多く残されている風景をみて、驚いた方もいらっしゃるだろう。

【古き良き物を大切にする】という台湾文化は、建物だけではなく、時として、料理についても当てはまる———それを体得するかのように営業している「一軒」がここだ。

夫婦で切り盛りしている

夫婦で切り盛りしている

龍山寺から至近のサンシュイジェシーチャン(sān shuǐ jiē shìchǎng)エリアにある、アーウェイジェンゾンガーリーファン(ā wěi zhèngzōng gālí fàn)だ。

店名からも分かるように、「咖喱飯」、カレーライスが看板メニューである。

朝はやっぱり、カレー!

朝はやっぱり、カレー!

二十一世紀の日本で市販されている【最先端のルー】は、本格的なスパイスが配合されたものが主流、すっかり「気取った」味になってしまっている。

その分、ここのカレーは、まるで昭和時代に学校給食で味わったような、【素朴な味】がする。

カレーは「朝活」に良いと言うし、せっかく台湾へ来たのなら、この【味のタイムカプセル】を体験せずに帰国するのは勿体ない。

店名 阿偉正宗咖喱飯
住所 台北市萬華區廣州街92巷2号
営業時間 06:00-14:00(月曜定休)
電話 02-2308-4311

「周記肉粥店」オカワリ必至、おかゆがススム君

早朝から大勢の地元民でごった返すのが、ジョウジーロウジョウディエン(zhōu jì ròu zhōu diàn)。

店名にある通り、ロウジョウ(ròu zhōu)が有名なことに加え、ホンシャオロウ(hóng shāoròu)が有名メニューだ。

どちらもボリューム的には小ぶりなので、両方注文するのがオススメ。

看板メニューの豚肉料理、「招牌紅焼肉」

看板メニューの豚肉料理、「招牌紅焼肉」

肉粥

肉粥

食欲が出づらい朝にも優しい「肉粥」は、地元ッ子にも大人気。

オカワリする気マンマンで入店している人も、少なくない。

着席するなり三杯同時オーダーというツワモノも……

着席するなり三杯同時オーダーというツワモノも……

ふところに優しい、お値段、一杯15元、ここは心おきなく、満足するまでオカワリしてみては?

朝食スポットのハシゴを前提で食べ歩く場合は、【ペース配分】を考えた上で、オカワリしたい。

店名 周記肉粥店
住所 台北市萬華區廣洲街104号
営業時間 06:00-16:50
電話 02-2302-5588

「牛腩湯・排骨湯」台湾では珍しい、【牛肉麺以外】の牛肉料理

次は、なんと、店名なしの「一軒」。

とは言っても、台湾では(有名店なのに)店名がないことは、よくある話。

店頭にあるメニューを見ると、ニゥナンタン(niúnǎn tāng)・パイグータン(páigǔ tāng)のフォントがデカい。

メニュー

メニュー

これらが看板メニューであることは明らか。実際、インターネット上には、「廣州街無名牛腩湯.排骨湯」として台湾人ブロガーに紹介されている。

「店舗」も【ちゃんとした建物】という体ではなく、屋台を軒下へ設置したようなスタイル。

店舗の雰囲気

店舗の雰囲気

だが、台湾って、こういう(失礼だけれど)小汚い感じがして、店名のないところが、たいていレベルが高いのである。

看板メニューの「牛腩湯」を、白飯とセットで注文。

牛腩湯と白米

牛腩湯と白米

台湾では、牛肉を食べる文化が進化しておらず、【有名ドコロ】といえば、牛肉麺ほどしか考えつかない。

そういう意味で、ここの「牛腩湯」は大変貴重なメニューであり、お味は、総じてアッサリ。

口に含んだ瞬間、肉が骨からホロリと分離してしまう、【極上の柔らかさ】が何とも言えない。

店名 牛腩湯・排骨湯
住所 台北市萬華區廣州街245号(廣州街と梧州街の交差点付近)
営業時間 06:00-12:30(売切れ次第、閉店)
電話 02-2302-5588

「淞品土雞專賣店(萬華店)」地元民も殺到する鶏肉専門店

次は、ソンピントゥージージュァンマイディェン(sōng pǐn tǔ jī zhuānmài diàn)、鶏肉を愛するすべての地元民を虜にしてやまない人気店。

いつ行っても混雑しているので、並ぶのが平気な人向けの「一軒」となる。

行列は覚悟を

行列は覚悟を

とは言っても、基本、調理済みの鶏肉を細かくぶった切るだけなので、品物準備に時間はかからず、「見た目」ほど長い間、行列で待たされることはない。

ちょっとばかし余談をすると、この店のご近所に住んでいる白黒ニャンコは、気難しさで言うと(アジ吉が台湾で会った中で)歴代トップを争うレベル。

気難しいニャンコ

気難しいニャンコ

人間同様、ニャンコにもいろんな「キャラ」があると思うけれど、五十枚ちかくシャッターを切り直してようやく一枚撮らせてもらえたのが、この「不機嫌」フェイス。ここまで気難しいニャンコ、そうそういない。

閑話休題。

店頭メニューは、ずいぶん「品揃え」が豊富。

メニュー

メニュー

おすすめは、シャオパン(xiǎo pán)という、「お一人サマ」用の単品。

最高峰クオリティの鶏肉料理が、たった100元という【破壊的コスパ】でゲットできてしまう。

小盤

小盤

なお、「小盤」には二種類のラインナップが用意されているが、見事なほどキャラが異なっているため、以下を参考にしながらチョイスしよう。

もちろん、両方オーダーというのも有リ。

■「小盤」のラインナップ2種類について

  • イェンシュイジー(yánshuǐ jī)……塩水漬けのチキン。やわらかプルプル。水分うるうる、コラーゲン多し
  • ガンジャージー(gānzhè jī)……サトウキビで味漬けされたチキン。がっちりピチピチ。しっかり焼かれてる

「鹽水雞」は、こちら。

表面は白っぽい(鹽水雞)

表面は白っぽい(鹽水雞)

コラーゲンの量がやばい(鹽水雞)

コラーゲンの量がやばい(鹽水雞)

「甘蔗雞」は、こちら。

表面は黒っぽい(甘蔗雞)

表面は黒っぽい(甘蔗雞)

よく焼かれてる(甘蔗雞)

よく焼かれてる(甘蔗雞)

「小盤」に限ったことではないが、鶏肉は人の手でカットするため、一皿一皿、肉の部位や、きざみ方がバラバラ。

そもそも、カットされる前から、カタチもサイズも異なっているのだから、カットされた後なら、もっと個性が分かれてしまうのは、当然のこと。

カタチもサイズも違う鶏がストックされている

カタチもサイズも違う鶏がストックされている

レジで注文する際、どの皿がいいか「指名」するよう求められるので、順番待ちをしている間、【第三希望】くらいまで決めておくとスムーズだ。

やわらかい部位が好きなら、「ふくよか」な肉付きの個体。

かための部位が好きなら、「引き締まった」個体。

【脳内ランク付け】しておこう。

前に並んでいる人に「お買い上げ」されたときのガッカリ感がある一方、目当ての「一皿」をゲットできたときの喜びは、ひとしお。こういった「駆け引き」的な楽しみがあるのも、この店の特徴だと言える。


店名 淞品土雞專賣店(萬華店)
住所 台北市萬華區三水街84号
営業時間 08:00-18:00(月曜定休)
電話 02-2336-5382

「85度C(萬華廣州店)」食後のデザートはここで

龍山寺から、徒歩一分くらいの距離にあるスイーツ店、85度C

朝食スポットのハシゴで胃がくたびれてきたとき、洋風のスイーツは、ちょうどいい気分転換になる。

蛋黄酥(卵黄ケーキ)

蛋黄酥(卵黄ケーキ)

店内には、ケーキやパンが多数取り揃えられているが、一口サイズで食べやすい、卵黄ケーキダンファンスー(dànhuáng sū)や、まるで香港を思い出させる、ポルトガル風タルトプーシーダンター(pú shì dàntà)がおすすめ。

持ち帰りやすいサイズなので、お腹がいっぱいな場合は、ホテルや空港で食べるという選択肢もあり。

葡式蛋挞(ポルトガル風タルト)

葡式蛋挞(ポルトガル風タルト)

台湾だけのローカルブランドかと思ったが、今や、中国本土や香港はおろか、アメリカやオーストラリアへも出店する、勢いある「グローバルブランド」。

【西洋のスイーツで、西洋の国へ勝負に出る】という「台湾ご自慢」の味を、体験してはいかがだろうか。

店名 85度C(萬華廣州店)
住所 台北市萬華區廣州街150号
営業時間 05:00-24:00
電話 02-2336-7992

まとめ:本記事でご紹介した5店の一覧「はやわかりマップ」

以上、萬華区(万華区)エリアの朝食スポットをご紹介。

これら5店は、せまいエリアに密集するように位置している。

【食べ歩きプラン作成】する際の目安となるよう、「はやわかりマップ」をサクッと作ったので、参照してほしい(アルファベットの振り方は、本記事での記載順とは合致しない)。

はやわかりマップ

はやわかりマップ

  • A「牛腩湯・排骨湯」
  • B「85度C(萬華廣州店)」
  • C「淞品土雞專賣店(萬華店)」
  • D「周記肉粥店」
  • E「阿偉正宗咖喱飯」

この一帯には魅力あるグルメが多く、他にも掲載したい店がまだまだあるので、少しずつ追加して行きたい。

(おまけ)台北市内、あるいは台北から日帰り可能な、オススメの穴場グルメスポット

本記事を楽しんでいただけた方は、きっと、以下記事についても、興味を持っていただけると思う。

いずれも、おどろくほど「穴場」の名グルメぞろいなスポットである。

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Ajikichi

「美味しくなければ旅じゃない」が口癖。旨いものを求め、約三十か国を食べ歩く中で、台湾・ベトナムが誇る「感動的食文化」との運命的出会いを果たす。毎年、十回ほど「外食」と称して渡航。 仕事はエンジニアをしており、デザイン思考が気になる今日この頃。

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