こんにちは。
情報処理試験の論文科目って、どれだけ準備しても、試験当日が近づくほど緊張しますよね?
無理もありません。
高度区分のような上流工程に関する出題範囲となれば、いちITエンジニアとして、忙しい業務のかたわら準備するには、明らかに「無理ゲー」なボリュームだからです。
筆者も、ITストラテジストやシステム監査技術者の論文科目について対策を練る中で、「試験のヤマを張ろうにも、用意できるネタの本数は限られているのに、出題範囲が広すぎる」と悩まされた記憶があります。
筆者の受験歴を振り返ると、ITストラテジスト・システム監査技術者・プロジェクトマネージャの三区分すべてに一発合格しています。
これは、鬼のように実務経験が豊富だったり、神のように論文構成能力が高かったからではありません。
むしろその逆で、実務経験は少なく、論文構成も得意ではありません。
それでも合格できたのは、論文科目へのアプローチ方法が正しかったからだと考えています。
本記事では、そんな筆者が心がけてきた論文科目の対策ポイントを包み隠さず(笑)披露し、一人でも多くの方が合格の二文字を手に入れられるようサポートしたいと思います。
モレなくダブりなしの「切り口」を考えて、論文ネタを用意する
論文科目の対策として、ありがちなのが、過去に自ら経験した業務や、他人から見聞きした業務を中心として、論文ネタを考えるというもの。
たとえば、プロジェクトマネージャ試験を受験する人が、過去に担当したシステムマイグレ案件を思い出しながら、論文ネタを用意するといった感じのものです。
このアプローチは決して悪いわけではないですし、むしろ、一本目の論文練習としては、どうしてもそうならざるを得ないと思います。
問題なのは、そればかりやって、試験当日を迎えるということです。
システムマイグレ案件の論文しか書けない状態で試験当日を迎え、いざ問題冊子を開けると、システム新規開発案件の問題ばかりだったら、用意してきた論文ネタを、頭の中で再構築する負荷が高まってしまいます。
こういった事態を防ぐのに効果的だと感じたのは、なるべく大きな「切り口」で論文ネタを用意するというもの。
試験区分ごとに、モレなくダブりのない、なるべく一般性のある「切り口」を考えるようにします。
たとえば、プロジェクトマネージャであれば、QCDの観点が便利です。
■プロジェクトマネージャ試験に有効な「切り口」の例
- 品質問題を抱えるプロジェクト
- コスト問題を抱えるプロジェクト
- 納期問題を抱えるプロジェクト
このとき注意するのは、「切り口」は三つ〜五つくらいの数になるものを選び、かつ、すべての「切り口」に対して論文ネタを用意することです。
このアプローチによって、論文科目に合格できる可能性は飛躍的に高まります。
なお、具体的にどのような「切り口」にしたらいいか思い浮かばない場合は、IPAサイトにある受験要項を読み込むのがオススメです(ヒントになるアイデアが、ごろごろ転がっています)。
出題内容に左右されない論文表現テクニックを鍛える
出題内容に左右されづらい論文表現テクニックを鍛えるのも、有効なアプローチです。
たとえば、「連想ゲームで考える」というスキルは、論文科目では幅広く活用するシーンがありますし、どんな出題内容であっても、必ずやった努力が報われる領域でもあります。
「連想ゲームで考える」の特訓方法としては、単語集のようにまとめておくのが良いと思います。
プロジェクトマネージャ試験だと、以下のように進める感じです。
■「連想ゲームで考える」の例
- 開発者の人員追加投入 → 教育コストの発生 → プロジェクトのコスト超過・納期遅延
- 設計書が残されていないシステム → システム担当者が離職 → システム改修案件が発生 → システム仕様の棚卸しが急務となる
「連想ゲームで考える」をやる上では、最低でも三ステップ以上深掘りするようにしましょう。
ステップ数が浅すぎると、思考力を十分に鍛えることができません。
視野を狭めた後は、いちど広げなおすという動作をクセにする
論文ネタの準備となれば、ついつい、固有の業務の、固有の問題について視野を狭めてしまいがちです ── そのアプローチも必要なのですが、いちど狭めた視野を、グッと広げなおして、より「つぶし」の効く観点から考え直すという柔軟さも併せ持ちたいところ。
本記事でご紹介したようなアプローチを使うことによって、より一般的(使い回しの効く)な論文ネタを準備できるようになり、合格への最短距離ルートを実現できます。
午後II論文対策は本当に大変で、匙を投げたくなることもあるかと思いますが、頑張ってください。
応援しています。